林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

托鉢詐欺

2010-04-10 | 遠い雲

子どもの頃、円覚寺や建長寺の雲水が僧堂を出て、町内を托鉢して歩いていた。
雲水たちのお経が聞こえると、母は戸を閉め息を殺してやり過した。
家には小銭も大銭も無かったからである。

それでも、雲水は家の前で一通りお経を唱え、一礼して去っていった。

近頃、盛り場で突っ立っている僧侶はニセモノで托鉢詐欺である。

証拠は、町なかを歩いていない純白な地下足袋と、綺麗な法衣。
聞き耳を立てても、お経は聞こえない。

本物の托鉢僧は古ぼけた墨染めの衣に脚絆。
冬でも素足に草鞋。一軒ずつ訪ね歩くものだ。
喜捨があろうが無かろうが、家ごとにお経をあげるもの、と思っている。



 

 

 

 

托鉢から戻ってきた円覚寺の雲水。
衣はよれよれでした。



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8 コメント

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坊さん (小肥り)
2010-04-10 12:03:06
良いお坊さんと悪いお坊さんがいるのだな。
ちゃんと修行を積んで心正しき坊さんがほとんどでしょ。
時々悪いのがいる。胡散臭い坊さんがね。
生臭坊主とか言うけど可愛いですよね。
破壊僧と言われるほうが極悪の坊主ですよね。
しかし托鉢詐欺が横行するとは・・・
(´;ω;`)
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いよいよの時 (森生)
2010-04-10 21:04:18
小肥りさま
盛り場に立っている坊主は中国人アルバイト説があります
衣装を貸して お布施から数%をアルバイト料として支払う商売があるそうです
ワタシもいよいよの時は 托鉢で生活費を稼ごうと思っております
既に相当草臥れた風采と自覚してますので お布施は多いと自負しておりまする
表参道に突っ立ってたら ワタシですから宜しくお願いしますね
南無阿弥陀仏
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外国人の偽僧 (放念の翁)
2010-04-11 07:00:59
托鉢詐欺、都会の駅頭に立っている僧は、菅笠を深く被り顔は見せない外国人だそうですが、お年寄りが小銭を授けていますが、会釈さえしません。
菩提寺の住職、20年ほど前までは檀徒回りで勧進をして回りましたが、この頃は役員が会費を集めて寺に届ける、お盆も高額寄進者の家だけを回り、それも高級車に乗ってです。
既に墓碑を用意しましたが、戒名も自分で用意しました。
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葬式仏教 (森生)
2010-04-11 17:15:30
放念の翁さま
塔頭を寄付したわけでもないのに高い戒名料を払う院号居士のインチキさに気付き 自分で自分らしい戒名を付ける人が増えました
また 今のまま墓が増えれば日本中が墓だらけになるでしょう
殆どの僧侶は世襲です 
修行しなくても 説教で信徒を安心させなくても 生活できる檀家制度に安住しております
ようやく既成仏教に対する不信感が芽生え 家族葬や 葬儀をしない直葬や 墓を造らない散骨などが増えているそうです
仏教界も これからガラガラと変わるのではないでしょうか
変わらなくてはいけませんね
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偽傷痍軍人 (霜月一八)
2010-04-11 21:24:47
御無沙汰でした。
昔電車の中に帽子を被った白衣の傷痍軍人が居ました。
子供心に戦争で片輪になったのなら国が面倒見ればいいのにと思ったもんです。
父親は偽物が居るんだぞと言ってました。
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おやまぁまぁ....... (森生)
2010-04-11 21:39:16
霜月一八さま
ようこそお帰りなさいました!待ってましたよ ほんとうに

季節は 乱調ながらも春
空が霞んでおりまする
近所の多峰主山からは 東京スカイツリーが見えなくなりました

近況ご報告ほかを お待ちしてました
霜月先輩に刺激されないと 弊店がダラケてしまいます
ヒントを連発して下さいね

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貧乏和尚 (風子)
2010-04-12 11:33:21
知人の大田原の護法寺住職は 先代が自力で建てた小さな古寺を修復するのに 檀家さんの寄進を当てにせず 僅かなお布施と借金で 今もローンで苦しんでいます。
車も中古です。

坊さんもそれぞれですね。
どういう訳か 私の周りは 貧乏和尚ばかりです。
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住職について (森生)
2010-04-12 13:05:29
風子さま
今まで出合った僧侶は全て世襲住職でした
会社にも住職がいました

残念ながら その全ての住職は 人間研究の対象としては とても面白い人たちでしたが 尊敬できる対象とはなりませんでしたよ

世襲住職さんたちの煩悩や欲望は 素人より深く強かったりして かなり笑えました

結局 妻帯し家族を養うことと 世襲と 檀家制度などが葬式坊主を輩出する原因ではないでしょうか

お知り合いに貧乏和尚がいるのは 大きなシアワセかもしれませんね
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