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林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

敗戦記念日

2021-08-16 | 重箱の隅

8月15日は敗戦記念日だった。
普通、敗戦を終戦というが、敗戦が適切だと思う。

朝日新聞の日曜朝刊に「日曜に想う」という囲み記事がある。
この記事の15日の見出しが、

  終戦とは誤魔化しの言葉だ

とあったので読んでみた。

・・・・・

敗戦直後の首相に就いた東久邇宮稔彦が就任後初閣議を開いた。
そして国民に向け「今後に対処する覚悟」という声明を出す事にした。

原文は内閣書記官長(現在の官房長官)に就いた緒方竹虎が起草。
そこにある終戦という言葉を東久迩首相は、

  終戦とは誤魔化しの言葉だ。
  終戦では徒に国民の覚悟を弛緩させるだけだ。
  敗戦の事実を認め、敗戦とすべきだ。

と修正を求めた。
だがまだ在任していた陸軍大臣が強硬に反対。原文どおり終戦に。

当時厚生大臣だった松村謙三は後に、

  敗戦の方が国民に敗戦の認識を正しく与え復興精神を高めたろう。

と回想しているそうだ。

8月15日の天声人語の左に小さな広告が載っていた▲
厚生労働省が出稿した政府広報である。

黙祷に就いては異論はない。けれども、

  平和を祈念する日です

は少し違うと思う。

  8月15日は 
  戦没者を追悼し
  戦争を始めた理由を 
  考える日です

と変えてもらいたい。
祈念するだけで平和になるほど世界は甘くないはずだ。

・・・・・

その全国戦没者追悼式で、冒頭、例の虚ろな目が式辞を読んだ。
どうせ参与が書いた作文を、朗読しただけだろう。
危なっかしく、白々しい式辞だった。

しかし追悼式の前に、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に立ち寄り献花した。
誰の采配か知らないが適切な順序であり、これは評価したい。

一方、小泉進次郎ほか数名の現役大臣が靖国神社に参拝した。
報道が待ち構えていなければ、かれらは参拝しなかっただろう。

  

  朝日新聞の「日曜に想う」には興味深い話が、まだある。
  下の記事に続きます。

  210816A



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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (wada67miho)
2021-08-16 03:36:58
全く仰る通りです。最近は歴史修正主義主義者が跋扈して、困ったもんです❗
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私も同意を深めて・・。 (夢逢人)
2021-08-16 10:01:55
貴兄のブログの愛読者のひとりですが、
貴兄の社会に対する論評は、正鵠です、と思いながら、多々教示されてきた次第です。

たまたま、今回のかの大戦の《敗戦》を読ませて頂き、
『何故、敗戦記念日でなく終戦記念日なのか?!』、
と題して、私も2005年3月19日に私も投稿してきた次第です。


太平洋戦争について、敗れたのに関わらす、何故『終戦』というのか、理解出来ない。
著名人のエッセイに於いても、『終戦』が圧倒的に多く、『敗戦』という言葉が少ない。

昭和20年8月14日、日本政府は『ポツダム宣言』を受諾した。
そして翌日の15日の正午から、ラジオをつうじて、昭和天皇による日本の無条件降伏が発表された。
これにより、『満州事変』から15年にわたって続いた戦争が終結した。

『ポツタム宣言』を読めば、明らかに『敗戦』である。

①軍国主義の除去。

②日本国の占領

③カイロ宣言《1943年、ルーズベルトとチャーチルと蒋介石がカイロで会談し、日本が戦争によって手に入れた領土を返還する事などを要求した宣言》の実行と、日本の主権の制限。

④日本の軍隊の武装解除。

⑤戦争犯罪人の処刑と民主主義の確立。

⑥賠償の実施と平和産業の確保。

日本の著名人は、多大な犠牲をだした事に配慮し、柔らかな言葉でごまかしの安易な言葉を使ったしか、考えられません。

しかし、国、国際間の根本をなす信義の基本なのだから、『敗戦』と明示しなければならない。


このような事を考えていたら、朝の三時に目覚めた。

夢だったか・・かと、思考がぼんやりしている・・。

このように投稿していました。

天候不順の昨今、貴兄は御身体を御自愛されてお過ごしして下さい。
夢逢人かりそめ草紙 (goo.ne.jp)
https://blog.goo.ne.jp/yumede-ai
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Unknown (ささやん)
2021-08-16 14:41:01
「8月15日は戦争を始めた理由を考える日です」というお考えに賛同します。この愚行を二度と繰り返さないために、それは必要なことだと私も思います。
昨夜の「NHKスペシャル」はご覧になりましたか?
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心配 (森生)
2021-08-16 18:10:35
▼wada67mihoさま
同感です
特に若い人がダメです
身体がでかくなっただけで 幼稚です
昔から年寄りは 近頃の若いもんは・・・ と嘆いたんですが......

▼夢逢人さま
かりそめ草紙は 度々 拝見しております
武道館か千鳥ヶ淵に向かい 黙祷を捧げて欲しかったです

昭和天皇は 聡明で 平和主義者でした
現代より 権威も 権力も 財力も お持ちでした
だからこそ先の戦争に 大きな責任があります
無い と言うのはむしろ無礼 と考えます

もちろん法的制約があったのでしょうが 弟宮に 譲位されるべきだった と思います
昨今の無責任体制は 昭和天皇が 退位しなかったことに起因しているのでは....
高位の職業軍人は 切腹すべきだった

この件について しっかり考えたうえで 記事にするつもりです
まだあやふやです 失礼をお赦し下さい
返信する
そっくり (森生)
2021-08-16 18:26:36
ささやんさま
その放送は見逃しました
しかし ブログを拝読し たいへん勉強になりました
アベ以後の政治と世相は 開戦前夜に似てきました
朝日朝刊連載小説「また会う日まで」は 開明派の海軍軍人の回想録という形になっており 開戦から敗戦に至る経緯を 分析的に活写していますよ
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