日本文学の研究者で翻訳家でもあったドナルド・キーン氏が96歳で亡くなった。
大震災を機に日本に帰化した「鬼 怒鳴門」氏の死を悼む、瀬戸内寂聴師のお言葉です▼
25日朝日朝刊
お互いに年をとっても仕事をやめず、キーンさんは海外旅行を平気でする。
私はその真似はとても出来なく、よろよろしてきた。
私が先にあの世へ旅立つだろうと思っていたので、訃報に呆然としている。
でもキーンさんも気の置けないお喋り相手が必要になる。
そのうち私を呼びに来ずにはいられなくなるだろう。
その日が待ち遠しい。
心が篭もった別れの言葉ですね。
なお寂聴さんは、去る2月14日同紙朝刊文化・文芸欄に弔文を残している。
それは急逝した甥御さんを「二月の鬱」と題して惜しんだものです。
暖かく可笑しみがあるので何度も読み直した。
今朝の「天声人語」もいい。長くなるので末尾だけ転記します。
キーンさんがきのう、96年の生涯を閉じた。
日本の読者にも、日本文学の底にあるあるものを再発見させてくれる。
そんな冒険に終止符が打たれた。
行き届いた評伝になっているので、是非お読みください。
キーン氏は、気難しい川端康成や谷崎潤一郎にも、一目置かれた人だった。
合掌。
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