長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第26回『長政初陣』

2014年07月01日 22時46分19秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第26回『長政初陣』(2014年6月29日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

清水 宗治      …… 知力54、統率力74
 (演・宇梶剛士)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

吉田 兼和(かねかず)
 (演・堀内正美)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

森 蘭丸 成利    …… 知力67、統率力43
 (演・柿沢勇人)

加藤 清正      …… 知力63、統率力81
 羽柴秀吉のはとこ(また従弟)にあたる子飼いの武将。(演・阿部進之介)

福島 正則      …… 知力45、統率力83
 羽柴秀吉の従弟にあたる子飼いの武将。(演・石黒英雄)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 (演・中村倫也)

九条 兼孝(かねたか)
 (演・米村亮太朗)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

黒田 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

羽柴 秀勝      …… 知力20、統率力45
 織田信長の四男で、羽柴秀吉の養子。(演・倉本発)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○ま、しょっぱなからベッタベタなツッコミなんですけれども……
 黒田長政の成長、急激すぎ!!

 確か、先週の回で子役の若山耀人(きらと)くんが演じていた最後のシーンは、新築した姫路城(BLACK)で黒田家と羽柴家が初めて一堂に会した、天正九(1581)年三月の大宴会でしたよね。このとき、母ちゃんのお光の方は軽いつわりになってました。
 そして、ボディが肩幅ガッチリの松坂桃李くんにフルモデルチェンジしたのが、前回ラストシーンの松寿丸→長政の元服シーン。武士の元服というものは、現代の成人式のように日本人なら全員20歳の誕生日で統一というようにはなっておらず、それぞれの家のしきたりやその時々の事情(父親が急死するとか)によって5~20歳前後とかなり幅があったので長政の正確な元服年齢はちょっと今わからないのですが(伝記史料を見れば一目瞭然でしょうけど)、ドラマの流れから言えば、天正十(1582)年に入って一月の宇喜多直家の死後、四月の備中国侵攻を目前にひかえた春ごろのように見受けられますね。そのとき、長政は15歳。
 15歳ですか……きらとくんでも桃李くんでも、どっちでも無理のあるビミョ~な年齢ですよねぇ。でも、昔の日本人は現代よりもずっと短命で早熟だったから、桃李くんでもいいんじゃないんでしょうか。約一年のあいだに、松寿丸もずいぶんと成長したのう!
 ていうか、もっと問題なのは、妊娠してから一年たっても、まるでおなかが目立ってきてないってことになるお光の方なんですけど……え? まだ産んでないの? それとも、次男誕生のエピソードはまるごとカットしちゃったの!?

○速水もこみちさんのヒゲ&もみあげが似合う似合う! いいですねぇ~、荒武者ですねぇ~。ちょっとスタイルが良すぎるけど。
 それにしても、官兵衛の指名で母里友信が長政の後見役になったときの、他の家臣一同のリアクションがあからさますぎ! 「え、コイツで大丈夫なの……?」という不安一色の表情がならんでいるさまもおもしろいんですが、それにまったく気づく様子のない友信もさすがですね。えらい! それでこそ脳筋キャラよ!!

○イケメンばっかりが幅を利かせる俳優業界になってきますと、ホントに濱田岳さんみたいな愛らしいキャラクターが貴重な人材になってきますよね。善助、背ちっちゃ!! いつ見ても常に慣れないヒゲの違和感をキープしてるのって、これものすごい才能ですよね。
 ここぞとばかりに、「この太兵衛、なにがあろうとおそばを離れたりはしません!」と能天気なキャラを実に楽しそうに演じているもこみちさんもいいですけどね。鎧姿なのに、実に軽々と駆け回りますよね~。この善助・友信・そしてクールな井上九郎右衛門のトライアングルはますますバランスよく、ますます魅力的になっていますな!

○羽柴秀勝って、秀吉の養子だけど、同時に秀吉のボスの実子でもあるわけでして……そりゃあ初陣も、間違いの起きないように大事に扱いますよね。見るからに人柄だけはよさそうなおぼっちゃまくんなんですけど、それだけじゃあ乱世は渡りきれんわな。秀勝くんの場合、いちばん足りなかったのは「寿命の長さ」ということでして……

○清水宗治「それがしが今日あるのは、全て毛利家のおかげ。」
 えぇ!? ウ~ッソだぁあ~。だってあなた、天正二~三(1574~75)年の「備中兵乱」で毛利家に寝返るまでずっと、備中国を治めていた戦国大名の三村家親・元親父子の重臣だったじゃないっすかぁ! 毛利家のフランチャイズになったのなんて、ここ7~8年のことでしょ!?
 なんか、生まれてから46年間ず~っと毛利ひとすじみたいな顔してますけど、この人だって権謀術数うずまく戦乱の世をダーティに生き抜いたサヴァイヴァーなんですからね。映像での、宇梶さんの清廉実直とした演技から受けるイメージだけで宗治という人物を判断してはいけないってことですね。織田方から見ても毛利方から見ても、喰えないヤツなのよねぇ~、ほんと!

○宗治「裏切りによって得た国など……また裏切りによって失いましょう。」
 織田方に寝返ったあかつきには備中・備後2ヶ国の大名に取り立てるという、秀吉からの破格の条件提示を一蹴する宗治。
 実に味わい深い明言なのですが、それを清水宗治が言うとなると、地下の三村父子が黙ってはいないでしょう。

「おっまっえっがっ 言うのかよっ!!」

 って、目を見開いてツッコムでしょうねぇ……三村だけに。

○備前国・沼城(現在の岡山県岡山市)の陣営で、成長した加藤清正と福島正則の槍稽古を見かけて「なかなかやるな……」とニヤリとほくそえむ母里友信! うわー、戦国時代末期を代表する筋肉キャラが3人もそろっちゃったぞ!! さすがに大名が2人もいるので「脳筋」とは呼べないわけなんですが……男くさい!! これでは、さすがの黒田長政もちょっと影がうすくなってしまいますね。長政もたいがい猛将ですけど。
 それにしても、かつて30歳も年上(俳優さんじゃなくて史実の年齢差)の蜂須賀小六正勝を相手に宴会で相撲にハッスルしていた青年が、いまや5~6歳年下の後輩たちの稽古を観てその腕をはかる立派な武将に成長したとは。そうは言ってもこの時点で友信、27歳か! まだまだ若いねぇ~。
 なにげないしぐさなんですが、2人に近づく途中で、かたわらに立てかけてある槍の刃をちゃんと横目で見る友信の視線の動きが実にいいですね。これ、もこみちさんが自分で考えた演技だったら相当惚れる!

○不勉強なもので、それまでのキャリアをほとんど存じ上げていなかったのですが、加藤清正役の阿部進之介さんの面構え、特に目の光り方がギラギラしていて非常にいいですね! どんな猛将ぶりを見せてくれるのか、ものす~っごく楽しみです。

●ナレーション処理で「武田家、滅亡。」……ナレーション処理だけ、で!?
 今年の大河ドラマは、つくづく東日本に厳しいのう! でも、去年は東北だったし、再来年も東がメインになりそうだから、よしとしますか。さすがに2016年度は武田家もナレーション処理では済まされまいて! 三谷幸喜の脚本となるのならば、武田信玄を西田敏行さんがやったりするのかな? それとも、どストレートで徳川家康を西田さんか!? いや、主人公が真田信繁なんだから、豊臣秀吉を西田さんが演じても問題はあるまい……う~ん、とにかく、どっかで必ず西田さんは出る!! 2004年の『新選組!』のときは心筋梗塞の療養で出演できなかったですもんね。
 来年は中国地方らしいですけど……あれ、中国地方、連続してねぇか!? でも、同じ中国地方でも東と西じゃあぜんぜん違いますか。

●森蘭丸は今週もファッションセンスがひどいな!! なんだそのまっかっかな鎧は!? 『戦国 BASARA』のコスプレか!? 出る大河ドラマが2年はえーんだよ!!

○六角次郎義定になぜそんなにムキになる? 六角家は織田信長の上洛の邪魔はせずに、ちゃんと大要塞・観音寺城を放棄してシッポまいて逃亡したじゃありませんか~。首をはねるどころか、むしろ礼を言ってほしいくらいよ!
 ま、そのあといろいろ抵抗したことは、したけどね。信長さんがてこずったのは、忍者衆のほうでしょ!? 弱いものいじめはいかん!!

○快川紹喜(かいせん・じょうき)国師を演じた山本學(がく)さんは、ほんとに数十年来、外見と声のハリツヤが変わんないねぇ~!! さすがは、ミスター薬用養命酒。

○なるほど、今年の明智光秀の裏切りの要因は、荒木村重の謀反と快川紹喜国師の虐殺の2本柱ですか。
 それが歴史的に正しいかどうかはどうでもいいんですが、そうなってくると、やっぱり今年の光秀は「文学少女みたいにもろいメンタルの持ち主」ってことになっちゃうんですよねぇ。小朝さんの演技は非常に的確にそこらへんに説得力を持たせているので大いにけっこうなんですが、それだと、本能寺の変は劇的なクーデタじゃなくて、単なる「怨恨がらみの殺人事件」ってことになっちゃいますよね。
 う~ん、それだと政治家・武士としての明智光秀のものすごさをまるごと放棄してしまっているか、不当に過小評価することになると思うんですが……感性の繊細さをとるか、冷徹な政治的センスをとるか。映像作品になると、やっぱり人間ドラマを重視してウェットな光秀に選択されがちなんですが、たまにゃあこう、コンピュータみたいにクールな判断で「わしも歳だし、いっちょやるかの。」とさりげなく謀反に踏み切る、余人の共感をいっさい許さない異常天才型の光秀も観てみたいような気がしますな。

 それにしても、今年も「朝廷黒幕説」は説得力がないねぇ。メリットが全然なさそうなんだよなぁ。具体的に言うことを聞いたらどういうごほうびをもらえるのか、っていうのがさっぱり見えてこないんですね。なんか貧乏で大変そうだってことはビンビン伝わってくるんですけど! それじゃ海千山千の戦国武将はなびかないでしょうよ。ましてや、あの明智光秀よ!?

●森蘭丸もひどいけど、今週は関白・九条兼孝役も前回以上に最低な演技だったね!! だから気持ちわりーだけだって言ってんだろボケンダラがぁ!!
 私は別に俳優じゃないけどさ、同じ30代の人間として非常に恥ずかしいんですよ。「今の30代には、こんないい加減な仕事をのうのうとやって平気なやつがいるのか?」って年上・年下のみなさんに呆れられるのが。濱田岳さんは26歳なんだぞ!?
 ホント、日本の公家(しかも最上位の摂政・関白家)をなんだと思ってるんだ、こいつは……「あ、こいつ、日本の歴史に全然興味がねぇな。」ってことが一瞬でわかる演技っていうのもなかなかないですよ。まれにみるバカさ加減ですね。
 これはもう、こんなしろうとをキャスティングした NHKの責任だろう。なんでこんなことになるんだろうね。たった十数秒のシーンでホントにこの回全体のクオリティが激しく暴落しました。他の役者さんがたに土下座して謝れって話ですよ。こんな魅力ゼロむしろマイナスの仕事しかできなくてすみませんって。もういい、おまえはもう出てこなくていいから、近衛前久を出せ!!
 この『軍師官兵衛』で同じ憎まれ役というポジションにいながらも、足利義昭公を活き活きと演じている吹越満さんをみならえ、って言いたいところなんですけど、こういう演技で満足できちゃう人は、他の方々の演技を見るということ自体がまるでできないんでしょうし……処置なしですよね。この人の顔をもう二度と見ることがなければいいなぁ~、みたいな。

 演出もひどいですよ、まるでフォローになってないよ……なにそれ、互いに背中を向けあって密談? 20年前の SPEEDとか KinKi Kidsとかのミュージッククリップか!? だっせーんだよ!!

●ドラマとしてのわかりやすさを優先したウソ表現だとは重々承知の上なのですが、なぜ地図の中の備中高松城にでかでかと三重の天守閣を描く!? そんなもの、映像中の CG画像にもなかったでしょ!? 盛るな盛るな! あんな土地に天守閣を築いたら即効で地盤沈下起こしてかたむくわ。

○こういう物語のスパンが長い大河ドラマだからこそ、官兵衛の「わしはあのように血気にはやってはいなかった。」という発言に対する、善助の「えぇ~っ!?」というリアクションにおもしろみが増すんですよね。いいねぇ~、こういう長年の関係が生みだすやりとり。

○『軍師官兵衛』なので、備中高松城の水攻め案はもちろん官兵衛が発案したということになっておりますね。そりゃそうですわな。今年も宇喜多家代表の花房正成さんの存在はスルーということで……無念よのう!
 軍議の中で、「川の水」にすぐ考えがつながる蜂須賀正勝と、「ふ~ん、おれもそのうちやってみようかな。」という表情でジオラマをのぞくだーいし三成がいい感じでしたね。だーいしの水攻めはまたそのうち……っていうか、『のぼうの城』でみんな、結果は知ってるか!

○ジオラマのみでの説明でしたが、さりげに堤を築く距離が、巷説の「3~4キロメートル説」という長大なものでなく、最近やっと一般化されてきた「蛙ヶ鼻(かわずがはな)区域のみの3~400メートル説」をきちんと採用していることに、当たり前のことながらも感心しました。
 このへんのことは、マンガ『センゴク 一統記』第2巻の「付記」をご覧いただくか、もしくは、私が「いつか完成させるつもり」の『全国城めぐり宣言 備中高松城編』の後半記事を参照してくだされば……うう……
 実際にご当地を歩いて見聞すると、いろんなことがわかっておもしろいのよねぇ~。確かに、水攻めの築堤はちょっとだけでよかったのだ!


結論、「第27回がとてもたのしみです。」

 なんか、どどどどっと物語が動いてまいりました! 次回予告を観るかぎり、いよいよ来週のクライマックスに本能寺の変が始まってしまうとのよし。信長さん、もうすぐ栄華ぼっシュート!!
 そして、こちらもいよいよという感じで、今週やっとその名前が出てきた徳川家康が、来週に初登場か!? 史実上は信長の9歳年下、秀吉の6歳年下、そして「官兵衛のわずか3歳年上」ということになるんですが、果たして寺尾家康はそこらへんに説得力を発揮できるのか!? まぁ、尋常でない苦労を重ねて生きてきた方ですから、多少外見が老け込むのは当然ですけれどもね……官兵衛の1年監禁が余裕でかすむ苦労度ですよ、そのお顔のシワ! まだ数え年で40歳になったばっかなのよ!?

 今年の家康は怖くなりそうだぞ~。
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