長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第29回『天下の秘策』

2014年07月25日 11時05分22秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第29回『天下の秘策』(2014年7月20日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

吉田 兼和
 (演・堀内正美)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

斎藤 利三      …… 知力42、統率力71
 (演・小木茂光)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

明智 秀満      …… 知力51、統率力67
 (演・鳥羽潤)

黒田 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○「おもしろい……その賭け、わしも乗ったァッ!!」
 おお、安国寺恵瓊、略して AKB44(えけいボウズ44歳)、のっけから野望まるだしの迫力演技! いまだかつて、これほどまでにお坊さんが生ぐさいドラマがあったであろうか……毎回毎回思うんですけど、恵瓊さん意外と若いんですね。
 上のセリフを絶叫するときの山路さんの、天下統一という大それた夢に対して確実に「おびえ」の入った表情が非常に絶妙ですね。今までは戦国大名の外交代表という、いわば最終的な局面においては「責任のない」立場だった人間が、自分自身が独立して官兵衛といっしょに立ち回らなければならない個人になる。この転身へのおそれを的確に演じきっていた山路さんの演技に感じ入りました。
 そして、そうなった途端に、興奮するあまりにかつてトレードマークであったはずの「冷徹な知性」を忘れてしまう恵瓊……果たして、このときに彼の脳裏によぎった一抹の不安は、現実のものとなってしまうのか、単なる杞憂に終わるのか。『軍師官兵衛』の関ヶ原合戦における山路さんの渾身の演技が、今からとっても楽しみですねェ~! 

 それにしても、あの策士・恵瓊を、「天下統一できるかもヨ♡ 」というエサであっという間に毛利家から引き離してしまう官兵衛……深夜にたたき起こしてボンヤリしているところをアタックというタイミングもばっちりだぜ! 恐ろしい子!!
 実人生の中でも、「あなただから、思いきって打ちあけちゃうんだけど……」という切り出し方は、けっこう有効な取り込みテクニックですよね。私も、そういうこと言われちゃうと弱いんだよなぁ~、特に美人に!!

○秀吉の「皆の者!」というタイミングでササッと陣幕を上げる2人の足軽、グッジョブ!! 練習してたのか!?

○「この秀吉が……上様の仇を討たずして、誰が討つ!!」
 いいですねぇ~。やっぱりね、決めゼリフは絶叫してはなりません。絶叫を抑えたギリギリのラインで叫ぶのです。

○隆景「しかし妙だな……8ヶ国の本領安堵……なにゆえ織田は、そのように我らに有利な申し状を?」
 この反応を受けて、「勘付くなよ……」と微妙な表情を浮かべる AKBがいいですねぇ。ここにかぎってエレキギターの「ぴよぉ~んん」という珍しい BGMが入るのも、いかにもさまざまな思惑が交錯する「深夜の策謀劇」といった緊張感をかもし出していてワクワクしますね!
 にしても、隆景じゃなくたって、ふつう怪しみますよねぇ。ほしいけど高くて出が出せないお店の看板商品が、ある日突然「今日だけお値段80% 引きです、今日だけ!」ってセールに出されるようなもんなんですから。逆に買うのためらっちゃいますよ。

○「すべては天下のため、そちらのためでござりまする!」と、信長出陣&毛利ピンチ!というウソをかざして隆景にせまる官兵衛。
 いや、そりゃ話はわかるんだけども、わしも毛利家の当主じゃないんだからさ……そんな重大決定、今決めろって言われても決めらんないよ! という隆景の苦境が伝わってくるシーンですね。兄貴、もう寝てるかな……寝起き悪いんだよなぁ~、起こしたくねぇなぁ!
 素朴な疑問なのですが、そのときの秀吉の陣所となった石井山(今も残る蛙ヶ鼻築堤跡の背後の山)と、小早川隆景の陣所となった日差山(現在の倉敷市にある)との間には、直線にして約5km の距離があります。深夜に馬でぶっとばすと何分ぐらいの移動時間になるんですかね? 400年も昔の話なのに、せわしないねぇ~、みんな!

○清水宗治の切腹の儀がいちいちカッコよい。そんなに美化する必要もないかとは思うのですが、そこはやっぱり、宇梶さんだからねぇ。江口信長の『敦盛』が一瞬でかすむ堂々振りでしたね。むなげ! むなげ!!
 でも、これから死ぬ人に「黒田官兵衛!!」って名前を叫ばれたくはないですよね。その後に続く言葉はささやきだったから、官兵衛本人には聞こえなかったでしょ? あんなのされたら、私なんか死ぬまで一生、「宗治さん、なんであんときオレを呼んだんだろ……?」って、気になって眠れなくなっちゃいますよ。なんという死に逃げ爆弾!! 言葉はやっぱり「呪い」なのよね。

●宗治切腹の儀の介錯のひと、斬るのが遅い、遅い! あなた、なんか清水宗治に個人的な恨みでもあるんですか!? 前に伏せたあとの宗治に刀を振り下ろしたって、とどかねぇし!!

○隆景「なにっ、光秀が信長を討っただと!? これは……恵瓊、ちょっとこれ見て……って、恵瓊いねぇし!!」
 宗治に手も合わせずにこそっと姿を消す AKB、グッジョブ!! 官兵衛も隆景も手を合わせてたのに、なんというプロボウズ意識の欠如か!

○俳優さんとして今まで特に気になったことはまるでないのですが、後藤基次役の塚本高史さんって、月代のちょんまげが異常に似合いますよね……もちろん小顔なんですけど、おでこが出ていないから適度に顔が大きく見えるんですよね。首も太いし。なんかイケメン俳優っぽくなくて、ものすっごく落ち着く! 『大岡越前』に出ていてもまったく違和感がないようなシックさがありますよね。大阪夏ノ陣まで、ちょっと長いですけどがんばってくださいね!!

○伊賀越えの野伏せり集団もなんのその、四天王の完璧サポートで三河国に生還する徳川家康。どうせワイルドにアクションをするのなら、レイバンのサングラスをかけて火縄銃をぶっぱなしてほしかったです。あぁ、『秀吉』の渡哲也の信長と今回の寺尾家康の同盟だったらものすごかったでしょうね! 『西部』じゃなくて『中部』だけど。中部警察!! なんか平和そう。

○かつて信長のいた安土城の主の座に君臨し、いならぶ諸将を見おろしてほくそ笑む明智光秀。これが「天下人」というものか、ふふん♪
 でもさぁ、いる武将の信頼度が、織田信長家臣団とか秀吉家臣団とまるで違うのよね……細川藤孝はいねぇし筒井順慶もいねぇし……溝尾茂朝とか阿閉貞征とかは、いても何の安心感もねぇし!!

●明智秀満役の鳥羽潤さんって、こんなにセリフ一言ですぐにわかるくらいの大根だったんだ……ちょっと驚きました。おまえ、いま自分が乗ってる船の危うさがぜんっぜん理解できてねぇな! やっぱり明智家臣団はたよりない!!

●光秀「贅を尽くしたこの城も……いずれこの手で燃やさねばならん。」
 バカバカ、燃やすな! バラバラに解体して各地に移築しろ!! この明智光秀には、当時の日本人に常識だった「木材はたいせつに。」という概念がないのか!? エコを重視しない政権なんか、一瞬で財力と民心を失うぞ。

○お光「おまえの弟、熊之助です……」
 って、そんなドヤ顔で言われてもよう……多感な15歳の長政にとっては、正直そんなにうれしいばっかりのニュースじゃないですよね。フクザツ……これから生きるか死ぬかの大いくさだっていうのに、おやじと母ちゃんのプライベートライフが気になる……まあ、元気で仲がいいのはいいことだけど!

●羽柴軍、ダッシュしすぎ。それ、3分もたないでしょ? 休みなしの早歩きくらいでちょうどいいんじゃないっすか? それより、甲冑をぬいで身軽になりましょう。武器持ってる必要もないですよね?

○信長暗殺のネタバレ後の毛利家の兄弟ゲンカは、いつ観ても迫力があるなぁ! しかし、そのころ毛利家の総帥は、完全にかやのそとであった……そういうことだから、関ヶ原合戦で貧乏くじ引かされちゃうんだよ。後見人が有能すぎるのも考えものですな、ヤング輝元くん!

●「朝廷から勅使をいただき、後ろ盾を得た。」って言われても、具体的にはなんにももらってないのよねぇ。そこが朝廷の恐ろしいところですよね。これはもう、どう見ても「そのとき京を守っていたのがたまたま光秀だったから『よろしくね。』って言っただけ。」っていう実質ゼロ回答ですよ。光秀だっていい顔はしなかったでしょうね。征夷大将軍くらいほしいけど、かろうじて京近辺を実効支配してるだけの政権にはなんの保障もねぇし……光秀ピンチ、ピ~ンチ!


結論、「第30回がとてもたのしみです。」

 将軍・足利義昭公、完全無視ですた。

 なんか、予告を観ると次回に出てくるみたいなんですが……遅きに失したよね。まぁいいよ、史実もそんな扱いだったろうから。
 視聴率で一喜一憂するのもなんだかバカバカしい話なんですが、この第29回が、やっと第1回を超える自己最高の「19.4%(関東地区)」をたたき出したのだそうで。明智天下が織田時代を上回っちゃったよ! なんにせよ、「本能寺の変」というビッグイベントを超える話題になったのは、実によろこばしいことですね。それでも『秀吉』あたりの1990年代後半に比べたら、大河ドラマとしてはいささか寂しい数字なのですが、話題性や期待度で有利な序盤エピソードの視聴率を中盤エピソードが超えるというのはすばらしいことですよ! これからもがんばってほしいですね~。

 さぁ! 明智政権は来週をしのいで再来週まで生き延びることができるでありましょ~か!? 固唾を呑んで見守りたい正念場ですね!! ムリ、やっぱ?
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