長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第28回『本能寺の変』

2014年07月14日 17時33分37秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第28回『本能寺の変』(2014年7月13日 演出・田中健二)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

吉田 兼和
 (演・堀内正美)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 徳川家康の重臣「徳川四天王」の一人。(演・中村育二)

斎藤 利三      …… 知力42、統率力71
 (演・小木茂光)

明智 秀満      …… 知力51、統率力67
 (演・鳥羽潤)

九条 兼孝
 (演・米村亮太朗)

森 蘭丸 成利    …… 知力67、統率力43
 (演・柿沢勇人)

黒田 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

小寺 氏職(うじもと)…… 知力38、統率力43
 小寺政職の嫡男。(演・柳下大)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●前回のクライマックスでもそうだったんですけど、「敵は本能寺にあり!」の「本能寺にあり!」の部分をカットチェンジでリピートする演出って……ダサいよねぇ。そんなに強調しなくてもいいっつうの。センスのないダサさは最低よ。
 そういう映像処理って、つまりは「俳優の力量を信頼してないから」わざわざ助けてやってる、っていう考えなわけじゃないですか。失礼にもほどがあるよね! 小朝師匠、ちゃんととっておきの美声で言ってるじゃないですか。
 なんてったって本能寺の変なんですよ……こういう最大級に大事なエピソードでこんなくだらない演出をする人の気が知れません。

○あっ、お濃の方が信長のとなりで寝てる! うちゆき姫、今まで大変お疲れさまでございました……ちーん。
 『軍師官兵衛』の信長は、最期までお濃の方にやさしかったね。側室なんかひとりも出てこなかったですからね! 史実とはだいぶ印象の違う愛妻家になっていたような気がします。私も、お濃の方はこの時期には完全に信長とは別居状態(同じ安土城にいたとしても)で、それがさいわいになって江戸時代まで生き延びたという説に賛成なのですが、ここで華々しく散ってもドラマとしては OKか。
 いや! やっぱり秀吉と家康の時代を見届けて老いていくうちゆき姫も観たかったです! 残念無念。
 こういう感じでかたわらに必ず愛する女性がいたためか、『軍師官兵衛』では森蘭丸の存在感もかなりうすかったですよね。登場回数自体も少なかったし。序盤で精神的な不安定さをあらわすシーンも多かったんですけど、おおむね江口信長は健全的だったってことだ! 竹中秀吉も、今のところはずいぶんとクリーンですしね。

○スカイブルーに白の桔梗紋……明智軍の旗指物は、いつ見てもおしゃれだなぁ!
 でも、これが天下統一する迫力のある色かと言うと……なかなかむずかしい。センスとパワーは、また別物なんですよねぇ。

○あれだけの火縄銃が明智軍に備えられていたのだとしたら、本能寺の小姓たちは、旗指物を見て判断する前に、まずきな臭いにおいで警戒するでしょうね。いろんな技術の発展で火の恐ろしさがずいぶんと遠ざかった現代と違って、当時の日本人は物の燃えるにおいには非常に敏感だったでしょうし、ましてや火縄のにおいっつったら、即、戦争なんですから! こわー!!

○次の矢を信長に渡す補充役かと思ったら、お濃の方もひとりで弓矢を放ってるー!! なんという戦闘力か! 日頃のエクササイズは無駄ではなかった!!

○抜刀して闘うお濃の方が、基本的に片手持ちで日本刀を駆使しているのが妙に気になる……そんなの、女性が片手で自由に操ることができる重量じゃないはずなんですが……それもトレーニングのたまものなのか?
 はっ、思い出した!! お濃の方……じゃなくて、それを演じているうちゆき姫は、中高時代にそうとうなフェンシングの使い手(部活動です)としてその名を轟かしたお方なんだった!! なっとく!
 お濃の方の殺陣は、ヘタなんじゃなくて西洋流だったのだ。それならそうと、ちゃんと南蛮渡来の my サーベルをかまえてがんばってほしかった! でも、それだとお濃の方が明智軍を壊滅させてしまうという歴史の改変につながったかも……ええい、とことん西洋かぶれな夫婦よ!!

●毎度毎度、歴史ドラマで本能寺に攻め込む明智軍は、なんでこんなに弱いんだろうか……その鎧、ダンボール工作でつくってんのか!? 黒く塗るときは水性ペンキを使えよ、油性だと頭がクラックラしちゃうから!
 なんか、ゲーム『信長の野望』で本願寺派の城か北条家の小田原城に攻め込むときの自分と、このときの明智光秀がオーバーラップするような気がします。おまえら、利三も秀満もそろいもそろって……相手は寝巻き姿のおっさん! もっと根性決め込んでブチ当たらんかーい!!

○お濃の方は、「美濃国からとついできた姫」という意味のいわばニックネームで、いちおう本名は「斎藤帰蝶」ということになっているのですが、これは江戸時代の史料が根拠になっているため、本当にそういう本名だったのかどうか信憑性はうすいようです。私の大好きな大河ドラマの『信長 KING OF ZIPANGU 』(1992年)では帰蝶説が採用されていましたね(演じたのは菊池桃子さん!)。
 そのためか、今年の『軍師官兵衛』では信長に一貫して「お濃」と呼ばれ続けていたわけだったのですが……死ぬときまでニックネームで呼ばれるっていうのも、どうかね。
 私は山形県出身なんですけど、自分のいまわの際に嫁さんに「山形さん!」って呼ばれるのは……おもしろいけど、ちょっとイヤかな。
 最期くらい、本名で……呼ん……で……

●信長「お濃……わしの女房は、そなたでなければつとまらなかった!」
 ウソおっしゃい! あなた、わかってるだけでも10人前後の側室がいたでしょ!? リップサービスもいいとこですよ!! 信忠も信雄も信孝も羽柴秀勝も、み~んな側室とのあいだにできた息子さんじゃないの。
 「なに言ってやがんだ、こいつ……」と、お濃の方も鼻で笑って天に召されたことでしょう。誰が正室としてそいつらの面倒見たと思ってんだバカヤロー!!

○信長さん、あんた、本能寺のいちばん奥の間に自分の自画像を飾ってたのか……なんというナルシシズム!
 いや、ふつうに考えたら、たまたま本能寺の住職が信長ファンでプライベートに飾ってた、ってことになるのかな。だとしたら、信長も住職も、どっちもなんかこっぱずかしい! えっ、ウソ、本人!? キャー見ないで!!

○「生きるも死ぬも一度かぎり! 存分に生きたぞ!!」
 いいねぇ~。私も、そういうことがちゃんと言い切れる49歳になりたいもんだねぇ。

●吉田兼和と九条兼孝はそんなにフランクに立ち話できる関係じゃないんじゃないの? まぁ、こんなクソシーンあってもなくてもど~でもいいけど。

○信長暗殺の報にふれて、ずいぶんあっさりと自分も自害すると腹を決める徳川家康。それにしても、今週も寺尾さんの右目の調子は最悪ですね……
 でも、このシーンでの寺尾さんの異常に淡々とした演技は、死を覚悟しているというよりも、どう見てもそういうポーズだけを家臣たちに見せつけて、家臣たちの奮起と逃げるためのナイスアイデアを喚起しているとしか思えません! さすがは策士!!
 それに、徳川四天王中の三人もいっしょにいるんですからね! さらに忍者ハットリくんがくわわったら、もう余裕で大丈夫だろう!!

○あららっ、ここで小寺政職も、ご最期? 確かに政職の死亡時期は1582年と84年の2説があるわけなんですが、それにしてもなぜ備中国高松に潜伏していたのか!? 備後国の鞆の浦幕府に参加していたとかと思っていました。
 今回のような、人生の選択をあやまった小人物の哀感あふれる臨終という設定も実に味わい深くてよかったのですが、一度、あの吹越義昭と小寺鶴太郎との魅惑の競演も観てみたかった! 残念&お疲れさまでした。

●う~ん、やっぱり小寺政職の一人息子の斎(いつき)が元服して小寺氏職になっちゃって、演じている俳優さんが相澤侑我くんじゃなくなっちゃった! これも残念で仕方ありませんが、引き続きいいひとそうだ!

●官兵衛「なに……!?」
 長谷川宗仁からの密偵の書状を一読して驚愕する官兵衛。
 なんと……現・織田家当主である織田信忠の死がいっさいドラマで描かれておらぬとは!! ボンボン信忠の、小寺政職以上にかわいそうな最期に、戦慄を隠せない官兵衛であった……

○なにせ、NHK 大河ドラマの主人公なんでそういうことは明言できなかったわけなのですが、たぶん、官兵衛が善助に密偵の世話を頼んだときの「ねぎらってやれ。」という言葉には、2人だけにしか通じない符丁で「殺しといてね☆」という意味があったんでしょうね……それに対する善助の返事が重たかったもんね。そのくらいの秘密保持をしなきゃ、戦国武将なんてやってらんねーってばよ!!

○非常に有名な官兵衛の「御運が開けました」発言なわけですが、ここでものすごいブラックキャラになる官兵衛もさることながら、それと同時に、そんな官兵衛を有能な腹心とは別に「恐ろしい敵にもなりうる野心家」と初めて認識した秀吉の殺気も、ものすごかったですね!
 なるほど、ここが後年の「狂った秀吉」の萌芽になると竹中さんは観たわけね! ここからどうなっていくのかねぇ~。ワクワクします。


結論、「第29回がとてもたのしみです。」

 とにかく怒涛の展開! 言うまでもなく黒田孝高の生涯から観れば、有岡城幽閉と関ヶ原合戦にならぶ大転機となった本能寺の変がついにやってきてしまいましたね~。江口信長はここで堂々の退場なんですが、官兵衛も秀吉も家康も、盛り上がりはまさしくここからであります! いよいよ本腰を据えて、我が『長岡京エイリアン』も『軍師官兵衛』を注視してゆく所存!!

 視聴率17.5% か……ここからぐんぐん上がっていけばいいんだけどなぁ。ほんと、お楽しみはここからなんですから!
 来週、久しぶりに将軍・義昭公が出てきてハイテンションにはしゃいでくれるような予感、大♡  まぁ、出たって出なくたって、歴史の趨勢にはまるで影響しないんですけどね……
コメント
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