長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

自己研鑽のためですが、なにか!?  映画『プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』 S極

2014年04月18日 09時31分55秒 | ふつうじゃない映画
《前回のあらすじ》
 春の陽気のなせるわざか、はたまた前世よりの因縁か!? 30代なかばにして単身、映画『プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』鑑賞に挑むことになった男・そうだい!!
 果たして、徒手空拳、ほぼプリキュアお初という無謀な状態の彼の眼前に広がった、めくるめく夢の祭典の精華なるは、いかに!?


 今回、どうせ観るならそこまで楽しみたいんだけど、とひそかに期待していたのが、プリキュア映画といえば……とつとに有名な「劇場の子どもたちがミラクルライトを振って『プリキュアがんばれー!!』と無心に応援する」一大ムーヴメントでした。すでに成人してからも15年ちかい時間が経過し、完全に醒めきった大人になってしまった私からしてみたら、そのエネルギーの純粋さに映画の内容なんかそっちのけで号泣してしまいそうになるズルい演出だと思っていたんですが、幸か不幸か、今回そのへんの熱気を肌で感じることはかないませんでした。

 といいますのも、私が鑑賞したのがすでに映画封切りから1ヶ月ちかく経とうかとしていた4月11日だったため(公開は3月15日から)、ぼちぼち予告編が始まろうかとしているギリギリの時間に駆けつけたはずの私がチケットを購入した際にも、座る場所を選ぶときに画面にうつった座席表はびっくりするほどの「まっちろけっけ」。ど真ん中の席を余裕で独り占めできる状況になっていたのです。しかも、春休みが終わったばっかりの平日まっぴるまでしたからね。そりゃあお客さんも少ないですわ。

 すわ、いつぞや今は亡き映画館「シネマックス千葉」で私が体験した、生涯たった一度の「客オレひとりシアター」の再来か!? と内心ドキドキしながらスクリーンに向かったのですが、いざ入場してみると、実際には座席の最後列に3組くらいの親子連れがいたので、完全に孤独なプリキュア初体験にはならずにすみました。にしても、だいたいキャパ200人くらいの座席の真ん中にすわって、前方にはだぁれもいなかったんでね……随分とぜいたくなホームシアター感覚にさせていただきました。

 予告編では、つい先週に鑑賞した同じ東映系の映画『昭和ライダー対平成ライダー』とほぼいっしょの『クレヨンしんちゃん』や『聖闘士聖矢』といったラインナップが流れましたが、そのあとに、おそらくはこのTジョイ蘇我ならではの宣伝かと思われる、『鳳神ヤツルギ』とかいう千葉県木更津市のご当地ヒーローの映画の予告編があったのが印象的でした。これからプリキュアを観るっていうのに、女児向けの予告編が『アイカツ!』しかないっていうのはどんなもんなのだろうか。それだって正確にはプリキュアの客層とはズレてるしね。そりゃあたしゃ確かにオッサンですけど、全体的にメインのお客さん(未就学女児)のテンションがだだ下がりになっていくことが容易に推察できる約20分間には大いに疑問を感じました。
 でも私自身は、その映画館ならではの近在の結婚式場とか自動車教習所のチープなコマーシャル映像は大好きなんですけどね! なんかいいじゃないですか、ああいうの。TV のコマーシャルに比べてものすごく奥ゆかしいんですよね、その「ちょっとお邪魔して宣伝させていただいております。」感が。


 さて、そうしていよいよ映画『 NS3』本編の開始となったわけなのですが、序盤から驚かされたのが、入場前に子どもたちに配られた小さなペンライト「ミラクルドリームライト」の使用法が、映画の登場キャラクター「妖精学校の先生」によって実にスムースに説明されるくだりから本編が始まっていたことですね。いや、もっと精確に言うのならば、「先生がライトの使用法を、妖精学校の生徒のグレルとエンエンに説明していた」ということに私は驚かされました。

 私がこの特典ペンライト演出について勝手に予想していたのは、まず本編開始前に登場キャラクターが「劇場にいる子どもたち」に直接呼びかけて使用法を説明し、本編のバトルシーンの盛り上がりなどでまたそのキャラクターが出てきて合図をするか、もしくは字幕や点滅サインなどでライト応援のきっかけが指示されるのではないかということでした。そして、ライトがもらえなかった以上、れっきとしたオッサンである私はやや「かやのそと」な感覚をもちながらその演出を眺めるのだろうな、と考えていたのです。

 ところが、ライトが単なる特典グッズではなく、映画本編のキャラクターが持っている完全な「小道具」になっている以上、映画の中でライトが使用されるのはまったく自然なことになり、「映画の世界」のキャラクターが「現実の世界」にいる子どもたちにいろいろな指示を出すという不自然な演出は消滅することになるのです。と同時に、グレルとエンエンのライト使用によってその応援が物語上の必要作業になるため、子どもたちがライトを振る「恥ずかしさ」もだいぶ軽減されるはずなのです。映画の中のキャラクターが先陣きって「プリキュアがんばれー!!」と大声で叫んでくれるわけですからね。しかもご丁寧なことに、実際の応援シーンでは妖精たちに加えて「映画の中に登場する子どもたち」までもが全員、手にライトを持って歓声をあげてくれていました。要はこれにならえばいいってわけ! う~ん、That's いたれりつくせり!

 まさに、劇場特典による演出と本編とが実にたくみに融合した「完成形」。こうなってくると、この『 NS3』にいたるまでに積み重ねられてきたプリキュア映画シリーズの歴代ライト演出の流れも観たくなってきますね。こういうのの源流は、やっぱり『突撃!ヒューマン!!』(1972年)になるんですかね……思えば遠くへ来たもんだ。
 世間じゃあ3Dだなんだとか言ってますけど、それに対して「劇場でみんなでペンライトを振る」という、実にレトロで家族的な演出を遵守し続けているプリキュアシリーズ。なんかいいなぁ。

 まぁ、私が観た回ではほんとに「プリキュアがんばれー!」と声を上げる子どもはひとりもいなかったんですけれどもね……しょうがねぇよ、200人サイズの劇場で3人しかいなかったんですもんね、ライト持ってんの。気持ちはよくわかりますが、そこは子どもならではの無謀なアパッチ魂で奮起していただきたかった。そしたら私もよろこんで加勢したのに! そういうのって、やったら捕まるんですかね。


 さて、妖精学校の先生と生徒のやりとりから、いよいよオールスター映画名物の異様に熱いテーマソング『プリキュア 永遠のともだち』が流れて「うわー始まった!」という気分がノッてきました。とにかくスクリーンで聴くドラムとギターの激しさがハンパありません!!
 だいたい、2012年の「NewStage シリーズ」第1作から唄い継がれてきた主題歌のタイトルがそのままサブタイトルになっているのですから、今回の『 NS3』における「ついに完結!」というテンションの高まりはものすごいものがありますね。
 それにしても、『フレッシュプリキュア!』の4人組は前作オープニングからダンスの稽古ばっかりだな! ぜんぜんフレッシュじゃない練習の積み重ねの上に真のフレッシュがある……パフォーマーの鑑だ、あんたら!!

 主題歌が終わって本編に入ると、物語は悪夢にうなされる少女・奈美と、彼女を夢の世界で救ってくれた妖精の母子マアムとユメタの出会いから始まっていきます。「悪夢を食べてくれる」という伝説の妖怪「獏」の性質を持ち、外見は実在の動物バクをかわいくデフォルメしたような姿の妖精母子なのですが、マアムの表情にはなぜか邪悪な笑みが浮かび、奈美はユメタと楽しく遊ぶ夢の世界にい続けることになります。

 まず、なにはなくともこの冒頭で気になってしまうのは、見た目からして完全に、劇場に来る客層の中でもメインターゲットに照準を合わせたとしか思えない、3~4歳くらいの少女・奈美の声が、やけに低くて大人っぽい違和感に満ちたものになっていることでした。
 これはちょっとミスキャストとかいうレベルの問題ではなくて、そもそもまず声優さんじゃないよね、その声やってる人? と聴きながらいぶかしんでいたのですが、エンディングクレジットで確認するまでもなく、この奈美を担当した方がゴーリキーさんだかゴーゴリさんだかいう、「今いちばん旬だと誰かが言っている」女優さんであることは察することができました。
 うわさにたがわぬゴリ押しだねぇ~……いや、3~4歳の子どもなんか、プロの声優さんだって演じるのは至難の業でしょうよ。そこの枠を、なぜに低音の彼女が担当しなければならなかったのだろうか!?

 別に私自身は、そのソルジェニーツィンあやめさんとかいう女優さんのことは嫌いではありません。嫌いじゃないんですが、そんな私が観ても、今回のこの映画において奈美の役を演じた彼女は邪魔としか思えないのです。その頭身でその「バスよりのアルト声」はないだろう!!
 今回のこの起用を見て、私はかの鎌倉幕府第三代征夷大将軍・源実朝が京の朝廷から受けたという一種の呪法「官打ち」を強く想起しました。
 「官打ち」というのは、ある人物に対して、その家柄に相応する以上の官位をわざと与えて周囲の空気を批判的なものにするという、実にいやらしい出世人事のことで、実際に、武士として史上初めて右大臣(ざっくりたとえれば副総理大臣)に叙任された実朝は、公家・武家の両陣営から身分不相応であると非難される板ばさみの状態に陥り、28歳の若さで暗殺の憂き目を見ています。呪いと言うにはあまりにもリアルな攻撃法だ! まぁパワハラのひとつの形ですよね。

 つまり、彼女にあんな能力不相応な難役を与えて違和感必至、批判必至な状況にした「上の事情」がいけないと思うんです。そんなことしたってプリキュア10周年のお祭ムードに水をさすだけなんですけど。
 別に、彼女が中川翔子さんみたいにプリキュアシリーズに特別な情熱を持っていて、「どんな役でもやるから出させて!」って言ってたわけでもないんでしょう? 中川さんだって地声はなかなかの低音ですが、おそらくこういう役をもらったら3~4歳の女児を演じるための最大限のノド調整をもってのぞむでしょう。でも、私が聴いた限り、あのプーシキンあやめさんはなんの手も打たずに奈美を地声で演じていました。なんなの、その「仕事で呼ばれたから出ました」感!?

 とにかく、物語の大事な大事な導入部分、かつまた「観ている子どもたちと登場人物との一体化」を担うべきだったゲストヒロイン・奈美の声優キャスティングは完全に失敗だと感じたんですよねぇ! のっけけからつまづいちゃった感が満点なんですが、大丈夫か、『 NS3』!?

 ところが、そのへんの不安を一気にどうでもよくしてしまったのが、夢の妖精マアム役への、あの平野文さんの大抜擢だったのでした。

 うをを、平野文、平野文! 「あや」じゃなくて「ふみ」のほう!!

 平野文さんといえば、それはもう言わずと知れた「20世紀最大の押しかけ女房系アニメヒロイン」こと、SF ラブコメマンガ『うる星やつら』(1978~87年 原作・高橋留美子、アニメシリーズは1981~なんと2008年)の鬼型宇宙人女子・ラムちゃんを演じたことで永久的にその名が語り伝えられるべき大女優さんであらせられるわけなのですが(あと『平成教育委員会』のナレーション)、そんな彼女が、今作ではなにやら邪悪な笑みをたたえる夢の妖精を演じるのです。
 ユメタの母親であるという立場を考えるまでもなく、彼女の声はわが子へのちょっと過保護気味な愛情と、わが子のためならば手段を選ばずに現実世界の子どもたちを夢の中に誘拐してしまう冷酷さを使い分ける「おこるとコワ~いお母さん」をとても魅力的に演じていました。ラムちゃんも、なんの無理もなく母親の声ができる時代になったのねぇ。

 ところで、平野文さんが「夢の妖精」を演じるという今回のキャスティングに、「そ~きたのか!」と内心でニヤリとしてしまうお父さんお母さんも(大きなお友だちも)、かなりいらっしゃったのではないのでしょうか。
 そう、夢の妖精と平野さん……というかラムちゃんというのならば、否が応でもすぐに連想してしまうのが、他でもない『うる星やつら』の劇場版第2作、かの押井守監督による大名作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年公開)なのであります。

 この『ビューティフル・ドリーマー』には、寝ている人間に自由自在に夢を見させるという、赤いシルクハットに赤い燕尾服で、常にサングラスをかけている太った中年男性の姿をした妖怪「夢邪鬼(むじゃき)」がゲストキャラクターとして登場し(演・藤岡琢也)、ラムちゃんの理想の夢世界を具現化させようとするがために、その虚構に疑問を抱いた周囲のレギュラーキャラクターたちを次々に抹消させていくという手段をとります。その過程で夢邪鬼は、いつもラムちゃんからの求愛をむげにし続けているツンデレ地球人の鑑・諸星あたるも邪魔な存在として夢の世界から追放しようとしますが、あたるは夢邪鬼の使役する怪獣「バク」を利用して一計を案じ……というのが、映画のだいたいの筋になっていま……すかね!?
 私が『ビューティフル・ドリーマー』をしっかり観たのが大学生時代、今から15年近く前のことですので、この現実と虚構とが実に押井監督っぽくないまぜになった難解な作品は、なかなか説明するのがむずかしいのよね! いつか DVD(Blu-ray じゃないのが哀しい)を買ってしっかり見直したいという気持ちはやまやまなのですが、なにしろたっけぇし……

 ともかく、「夢とは何か」や「理想とは何か」、そして、「人間がつらい現実を生きるのはなんのためなのか」というあたりを強く問う……というか、観ているだけで勝手にそういうあたりに考えがいってしまう『ビューティフル・ドリーマー』と今回の『 NS3』は、計算式に組み込まれる変数こそ違っているものの、「人間」と「夢」が対峙しているという構図自体はまるで兄弟ででもあるかのように似通ったものがあるのです。そして、かつて30年前の作品で人間側の被害者だった(地球人じゃないけど)平野さんが、今回は堂々と夢の世界の加害者になっておられるという、この輪廻!! もうワクワクしますねぇ。

 とはいえ、『ビューティフル・ドリーマー』はあくまでも「大人向け」に作られた、少なくとも監督は子ども向けに作っている気はさらさらなかった(ついでに言えば、『うる星やつら』ファン向けに作っている気もなさそうなもんだから実に押井さんらしい)作品であったがゆえに、観客をブンブン振り落としかねない演出上の実験やなぞかけ、意図的な説明不足や「結局バッドエンド?」とも解釈できるラストなどの要素がふんだんに投下されていました。
 しかし、今回の『 NS3』はリスクをともなう冒険は絶対に許されない商業映画ですし、その中でも最もデリケートな就学前児童向け映画ですし、東映ドル箱シリーズのシメを飾る最終作ですし……こらも~プリキュアはん、えらいところを引き合いに出してきはりましたなぁ!!

 フィクション世界において、麻薬のような魅力を常にはなつ「現実×虚構」をテーマにしてしまった今作。プリキュアオールスターズは、この得体が知れないにもほどのある超難敵を相手にして、どのように「子どもでもわかる」明快無比な解決のみちを切り拓いてくれるというのでしょうか!?

 序盤で、一面の荒野となった悪夢の世界に迷い込んだ奈美を襲う怪物「悪夢獣」は、基本的に明るいグリーンの体色をして赤い蝶ネクタイをしたぬいぐるみのクマのようなポップなデザインをしており、「あ~くぅ~む~!」という鳴き声しか発さないために知性のようなものはあまり感じられませんが、どことなく憎めないかわいらしさがあります。悪夢の世界がただの荒野で、悪夢獣もあえてかわいいというのはプリキュアならではの観客への配慮なのでしょう。ここで無駄に悪夢のディティールに凝って、いたずらにトラウマを増やしても意味はないと! そういうのは『ジョジョの奇妙な冒険』の「デス・サーティーン」にまかせておきましょう。

 あっ! そういえば、最初に言った、私が生涯体験した唯一の「客がおれだけ」映画っていうのも、眠った人間を悪夢の世界にひきずりこんで惨殺する恐怖の殺人鬼フレディが出てくる『エルム街の悪夢 2010年リメイク版』でしたわ! うわ~、内容がつまんなすぎて記憶にぜんぜん残ってないよう!! 84年版はよくおぼえてるのに。

 ところで、この悪夢獣の声が、多少の加工はされているものの、明らかに女性のものであることはよくわかったのですが、「こういう最終作で敵の声をやってるんだから、けっこう有名な方がやってんのかな……」と思って聞き、「あくむ」の繰り返しだけなのに妙に聞き飽きないヴァリエーションの豊富さと、その尋常でないテンションの高さに、「ビッグネームでこんなに元気に声をはりあげられる女性っていうと、もう『あのひと』か田中真弓さんくらいしかいないんじゃないの……」と確信に近い思いをいだくようになり、エンディングクレジットであらためて感嘆してしまいました。

「悪夢獣 野沢雅子」

 やっぱり……もう、本編中でヒント出てたもんね! ユメタとたわむれる楽しい夢の世界で、人間ひとりが乗れるくらいのちっちゃな雲に乗ってた相田マナ(キュアハート)さんとか名もなき男子の乗り方が、直立して利き足を一歩前に出して少しかがむという完全な「きんとうんスタイル」になってたんだもの! プリキュアの作品世界でも『ドラゴンボール』は有名なのだろうか!? アニメの放送局が違うんですけど、ギリギリ裏番組じゃないから、まいっか!


 さて、そんなこんなで始まった『 NS3』本編ですが、悪夢獣に襲われた奈美をマアムとユメタの妖精母子が救出するも、なんともかんともぬぐいきれない自作自演ムード……? というひとこまをはさみつつも、妖精学校のグレルとエンエンが、新たにプリキュア教科書に記載するために「ハピネスチャージプリキュア!」となった2人組を探すために地球を訪れるという流れでストーリーは進んでいきます。
 グレルとエンエンは、先に地球に降り立って「プリキュア付き妖精」の栄誉を勝ち取っていた先輩キャンディに連絡をとって、「ハピネス組」の1コ先輩である「ドキドキ!プリキュア」の5人組とともに「ハピネス組」のいる「ぴかりが丘」(たぶん都内某所)の「ブルースカイ王国大使館」におもむくわけなのですが、そこには原因不明の「覚めない睡眠」状態となって、パートナーである白雪ひめ(キュアプリンセス)に顔面にサインペンで落書きをされるという辱めを受ける愛乃めぐみ(キュアラブリー)の姿が! 銀幕デビューののっけから身体を張るガテン系ピンクの心意気!!

 というわけで、物語の前半は活動不能となっているめぐみを救出する先輩「ドキドキ!組」が主人公となり、めぐみの昏睡が、最近ちまたで頻発しているという幼女の「寝たまま起きない病」と同じ原因であると察知した地球の精霊ブルーさんの超能力によって、めぐみを含めた6名はとっとと夢の世界に潜入することに成功します。
 この急転直下、立て板に水を流すようなストーリーの進みの速さ!! さすがは子ども向け作品。ともかくブルーさんというイケメンの能力の全知全能っぷりがハンパありません。「夢の世界に連れ去られた少女たち」という、『ウルトラQ』に出てきてもおかしくなさそうなどうしようもない異常事態を一瞬にして解決しちゃうんだもんね! ブルーブルー、って、こやつまさか、偉大なるあの未来型ネコ型ロボットではあるまいな!?

 さて、首尾よくユメタと子どもたちがたわむれる夢の世界に入り込み、巨大な浮遊するフグに乗っかって満面の笑みを浮かべるめぐみの姿を発見する6名。現実世界の混乱をよそに、まるで「伝統ある大ヒットアニメシリーズ最新作の主人公」という、想像するだにはだしで逃げ出したくなる超重圧から解放されたかのような幸福な笑顔をたたえるめぐみを、きわめて冷静な表情で見つめる「ドキドキ!組」の姿が非常に印象的です。非情な先輩だと恨むやも知れんが、このまま貴様を降板させるわけにはいかんのだ……観念して現実のハードスケジュールに戻れい!! ここで初めて対面しためぐみと相田マナ(先代主人公)との視線の交錯がとても味わい深いですね。

 と同時に、6名に同行していたグレルとエンエンは、かつて妖精学校に在籍していて、自身の「地球の人々を悪夢から救う立派な妖精になる」という夢を実現させるために自主退学していたユメタに出くわし、なぜユメタが眠り続ける子どもたちといっしょにいるのかと疑問を持ちます。2人(匹)に見つけられて気まずそうな表情を浮かべるユメタ。
 ところが、夢の世界への侵入者を目ざとく発見したマアムは、冒頭では敵だったはずの悪夢獣をみずから召喚して彼女たちを排除しようとします。マアムは、息子ユメタの遊び友だちを集めるために子どもたちを連れ去っていたのだった!

 ここでさっそく、「ドキドキ!組」の5名がオール変身して悪夢獣との総力戦を展開する第1のバトルアクションが始まります。さすがは先代チーム、つい2ヶ月前までバリバリ現役だっただけはある、あぶらののりきった余裕の連携を見せて悪夢獣を殲滅せんと戦います。
 だがしかし、悪夢獣はまるでエヴァンゲリオン量産型ででもあるかのように、やられてもやられてもまた復活して襲いかかってくるばかり! このエンドレスなのれんに腕押し感が、まさしく悪夢ですね。さすがに脳みそとか骨は露出してませんけどね。
 それもそのはず、この夢の世界の主はあくまでマアムなのであり、そのマアムの使役する悪夢獣もまた、決して外部の人間には滅ぼすことのできない不滅の存在なのでした。あえなくめぐみを押しつけられて現実の世界に強制送還されるプリキュアさま御一行。

 ここらへんの「異次元」としての夢の世界と、その主であるマアムの反則な無敵感を見ますと、私としてはどうしても、あの『ウルトラマンA 』(1972~73年)で、「自分たちが住んでいる以外の次元も征服した~い!」という欲ばりにも程のある情熱とねちっこさをもって3次元の地球に殴り込みをかけてきたウルトラシリーズ初の連続悪役キャラ「異次元人ヤプール」を連想してしまいます。なんとも理解しがたい狂気を感じさせる不気味な存在でしたねぇ!
 しかし、ヤプールは今回の『 NS3』におけるブルーさんのような「反則を上回る反則」をもって異次元にやってきたウルトラマンエースによってけっこうあっさりと壊滅させられてしまいました。まぁ、完全に滅んだわけじゃないんですけど……
 たぶんあれは、やりようによっては自分たちの次元のルールでエースをいかようにも料理できたんでしょうけど、わざわざ自分たちのホームまでやって来てくれたエースに最大限の敬意をはらう形で、「巨大ヤプールになって肉弾戦」というハンディキャップマッチにあえて設定してくれたんでしょうね! そうじゃなきゃ、あんなに簡単に負けるわけねぇって!! うん……たぶん。だいたい「知能(悪知恵)」が主要武器なんですからね、ヤプール人は。土壇場で、なれない紳士的対応なんか見せちゃうから大負けしたんでしょう。


 と、まぁ……ね。

 なんでプリキュアからヤプール人に脱線するんだという自戒を込めまして、『 NS3』を観た感想は、次回でいい加減におしまいにしたいと思いますです、はい。

 感想にもなってねぇよ、ただの連想ゲームじゃねぇか~と、ため息つきける春の宵かな~。反省の色なっしんぐ。
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第15回『播磨分断』

2014年04月15日 07時34分22秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第15回『播磨分断』(2014年4月13日 演出・大原拓)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

山中 鹿之介 幸盛  …… 知力53、統率力74
 (演・別所哲也)

足利 義昭      …… 知力98、統率力86
 (演・吹越満)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

本願寺 顕如     …… 知力96、統率力65
 (演・真島秀和)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

別所 賀相(よしすけ)…… 知力48、統率力45
 (演・ベンガル)

別所 重棟(しげむね)…… 知力64、統率力57
 (演・佐戸井けん太)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

木下 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

別所 長治      …… 知力63、統率力63
 (演・入江甚儀)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 (演・中村倫也)

尼子 勝久      …… 知力28、統率力44
 (演・須田邦裕)

小寺 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

赤松 広秀      …… 知力39、統率力42
 (演・野杁俊希)

神吉 頼定      …… 知力42、統率力54
 播磨国神吉城主。別所家と親しい。(演・岡雅史)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●雪の舞い散る早朝。そこにたたずむうちゆき姫という、なかなか大河ドラマらしからぬ、静謐な雰囲気のアバンタイトルから始まった今回だったのですが、姫が「今日(1578年元旦)の茶会は、永きにわたって語り継がれることでしょう……」とまで大きく出た意味がぜんぜんわかんない。あんなの、ワンマン会長にヘーコラしてる社長以下重役連中のどぎまぎショーだけじゃん!
 信忠くんの言うとおりよ! 社長のいる真ん前で「会長が出てきてくれないと困るんです。」と訴える秀吉の、実に秀吉らしからぬ無神経さ。だから、この席に織田家オフィシャル部門代表の信忠がいちゃ絶対にいけないんだって! ま、いてもなんの役にも立ちゃしねぇし。
 1582年の本能寺の変の直前に、信長みずからが中国戦線に出馬するつもりだった可能性というのは、よく取り沙汰されるのですが、その4年も前の話ですから、ここでの秀吉の要請と信長の前向きの承諾は、あまりそれとはつながりのない話ですよね。ちょ~っと早すぎるよねぇ、上杉謙信がもし柴田防衛ラインを突破してきたらどうすんの? ってことを考えたら、この場での信長の発言はそれほど真剣味のない部下へのリップサービスということになるでしょう。
 それにしても、勝野洋さんって、こんなに魅力のない大根役者だったっけ? 川野太郎さんも「陰険」を絵に描いたような小者になっちゃってるし……この『軍師官兵衛』はホントに、信長家臣団の「西担当武将」へのえこひいきが過ぎやしないかい!? 荒木村重株、赤マル急上昇中!! 明智は……まぁこれからだろう。

○「具足はじめ」の儀式、いい~なぁ~!! ……とか言いつつ、たしか私も中学か高校のときに、それっぽいことをやってましたね……変わんないねェ、人間の中身なんて。

○戦国シスコン伝説・櫛橋左京進!! 青筋おったてて子どもみたいな不平不満をぶちまける左京進と、それをへらへら笑いながら野放しにしている小寺政職の構図は、現代社会になったってどこにでもありそうなリアリティがあって、なんかおかしいけど、なんか笑えないヤな感じがありますよね。こういうせせっこましいミクロな葛藤がおもしろいからこそ、史劇というマクロな物語にも厚みが出るんだよな~。播磨国内のドラマは、本当におもしろい!

○役柄じゃなくて女優さんとして、高岡早紀さんと中谷美紀さんの共演はどうしてそんなに目が離せないおもしろさがあるんだろう……? と前々から思っていたのですが、今回やっとわかった気がしました。この2人、日本人を見慣れてない別の人種の人でもすぐにわかるんじゃないかってくらいに顔つき、特に「鼻の形」がぜんぜん違ってて、そこが単純に絵としてわかりやすいんですよね! その明解さが、イイ。
 中谷さん……興奮すると鼻の穴がものすごく目立ちます。先週なんか、中谷さんの涙目&鼻の穴フルスロットルだったもんね。
 昔から日本の絵画とかでもてはやされてたのは高岡さんタイプの鼻なんだろうけど、実際に多かったのは中谷さんタイプだったんだろうなぁ。そういう視点からの「主君」と「家臣」の色わけとしても、今回のこのお2人のキャスティングは絶妙なものがあると思います。

●顕如「もとより、我らはいくさを好みませぬ。」「信長どのは恐ろしい……」
 8年もがっつり全面戦争し続けてる教団の宗主が、一体どの口でそんなことを抜かしおるか!! そんな心にもないことを、一方的な被害者みたいな顔してしれっと言い放つ……怖いわ、この坊さん! 戦争に加害者も被害者もないです。
 しかも結局、本願寺派の織田家との完全講和って、天正八(1580)年のことですよね? 今回の物語の時点から、その後まるまる2年も戦い続けてるんですが……ホントに本願寺は怖い。『信長の野望』シリーズを1回でもクリアした経験のある方ならば、なおさら身に沁みて感じ入る「宗教戦争の悲惨さ」……なんだよ、あの鉄砲部隊の充実度!!

○すごい! 荒木村重の謀反の原因が、顕如の洗脳攻撃みたいになったぞ!! 脚本まことにグッジョブ☆
 いや~、村重のテンパり具合が、『蜘蛛巣城』の鷲津武時(マクベス)みたいになってきたぞい!! 田中哲司さん、いいぞいいぞ~。
 ただ、肝心のマクベス夫人がかわいいだけのデク人形なのが実に惜しいですね。ああ、村重のかたわらにいるのが、眉毛のない山田五十鈴さんか原田美枝子さんだったらなぁ! 超絶こわすぎで大河ドラマにならねぇ!!

●外様の村重が譜代の秀吉のサポートにまわったって、別にどうってこともないと思うんですけどね。播磨は近所なんだし。その人事変更に起因する村重のショック……という文脈がどうにも弱いような気がするんですが。いいんじゃないの、秀吉の下でもう一度がんばったら? 別に村重がプライドの高い身分上めのひと、っていうキャラクター設定もないですしね。

○あっ、蜂須賀正勝さんがノースリーブじゃなくなった!
 いや~瀧さん、ベンガルさんの実に中身のない演説を聞いているときの、
「んあぁ? 何言ってんだテメーは? 戦う気あんのかぁあアア!?」
 というにらみかたが、完全に大河ドラマ向けじゃなくなってますよ! それ、映画『凶悪』での殺人マッシーン死刑囚の顔ですよ~!! もう最高☆

○うわぁ~安国寺恵瓊! 今回はいい仕事したねぇ!! さすがは恵瓊ボウズ! 略して AKB40または42(当時の年齢)!! 意外と若いね。
 やっぱり、口ゲンカの勝敗なんてものは、正論を吐いてるのがどっちかなんてことはホントに関係なくて、タッパ(背)の高さで決まるんでしょうかね……そりゃあ岡田くんと竹中さんじゃあ分が悪いですよ。ベンガルさん思ったよりも大柄(175cm )なんですね。
 隆大介さんのオロオロ演技が実に似合わない!! あなたが本気出して止めれば、播磨動乱はなかったかもしれないのに……
 それにしても、AKB を演じる山路和弘さんの、「(毛利家の援軍は)かならず、まいります……」という言い方の、かぎりないウソくささときたら!! あーあ、別所と左京進に滅亡フラグ立っちゃった!

○記憶する限り、このドラマで足利義昭公が「ほっほっほ」笑いじゃなくて、「ぐわはははは!!」という本気笑いを初めて披露! 実に下品な笑い方ですね~。酒かなり入ってますね~。
 それは義昭公ファンとしては楽しそうで実になによりなことなのですが、やっぱり正直な話、ここらへんの一連の流れは完全に毛利家発信の策謀だったのであって、備後国の鞆の浦くんだりでヒマしてる義昭公は、引っ張り込むといろいろとめんどくさいからまるっきり無視されていたと思うんですが。将軍かつぐんだったら、もっと大々的にもてなして全国に知らしめてるでしょうよ。織田家を無駄に刺激しても意味がないからそうしなかったっていう、非常に大人な毛利家の判断ですよ。
 義昭公黒幕説は悪役側にロマンが生まれるからおもしろいんですけど、とにかくメリットが少ないんだよなぁ~。

○政職「あっ! 櫛橋はわしの縁者じゃ……わしまで疑われたら、かなわん……」
 いいねぇ~、この小者感。小者はとにかく、うろたえたときにその魅力が炸裂するのです!

●だ、か、ら……なんで官兵衛に対する左京進の抜刀という最高の緊迫シーンを、カット多めのスローモーションで処理するんだよ!! そここそ、ワンカットで全景映すのがいいんでしょうが!! スローにして部分部分をアップにしたほうが緊張感が増すとでも思ってんのか? それこそ古臭いにもほどのあるテレビ演出。俳優の肉体の生み出す迫力を信頼していないにもほどのあるヘボ演出ですよ!!
 濱田岳さんの貴重な真面目アクションをフイにしおって……この先もう観られるかどうかもわかんないんだぞ!?


結論、「第16回がとてもたのしみです。」

 今回はおもしろかったねぇ。いろいろと地味な動きの連続だったんですが、官兵衛の周辺にいる人々の人間模様が丁寧に総括されるという大筋があったので、クライマックスでの大混乱はまさに「そうは問屋がおろさなかった!」という、気持ちいいくらいにしっくりくる崩壊劇となりました。
 今回のオープニングで初めてクレジットされた神吉頼定も先々週にすでに登場していたので、この第15回ははじめて「有名武将の初登場がない」放送回になったのですが、その分いままで登場した武将たちが(義昭公も含む!)あらかた総登場するという、かえって見どころ満載の豪華な回となりました。竹中半兵衛も、着実に死にかけてきてます。

 さぁ、次回からは、一体どんな戦争の嵐が官兵衛を待ち受けているというのだろうか!?
 だいたい知ってるけど、楽しみにしてま~っす♡
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自己研鑽のためですが、なにか!?  映画『プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』 N極

2014年04月11日 22時24分38秒 | アニメらへん
 春ですね~、春ですよ~だ! みなさんどうもこんばんは、そうだいでございます。週末の今日も一日、お疲れさまでした。
 春っていうか……私の住んでいる千葉は、すでにちょっと運動したくらいですぐにジャケットを脱ぎたくなる陽気が続いております! かと思ったら、昨日のもんのすごい強風やら、数日前の一日中降り続けたしつこい雨のせいで、桜もすぐに散っちゃいましたしね。なんか、雰囲気は早くも、夏!? まぁ、さすがに朝夕はまだまだ肌寒いんですけれど。

 そんな絶好のサイクリング日和の本日、私はいつものお仕事はちょいとお休みをいただきまして、たまってきたいろんな用事を消化するために自転車をかっ飛ばして、ほうぼうを行ったり来たりしました。最近は、いよいよ来年にせまってきたお引越しに向けて、部屋の中のものの整理をぼちぼち始めているんですが、「部屋の中のもの」っつったって、もう本とマンガしかねぇんだもの! いらないものは売り払って、まだ必要になる可能性のあるものはダンボール箱につめて実家に送る、といった作業を繰り返しています。引越しはホント、計画的にやらなきゃね……来年の声を聞いたら、あっという間に山形帰還なんですから。
 あと、さらにいよいよせまってきたのが、言うに及ばず8月の資格試験(わたし3回目)、ということでありまして、ね。その受験申し込み手続きも始まってるんですよ。
 ……あっ、なんだねチミ、その、「おまえ、まだ合格してなかったの?」という冷や冷やヒヤリンコな視線は!?
 今年こそ!! ほんとにわたし、今年こそ合格しないといろいろ大変なんですよ。っていうか、合格しないと恥ずかしくて、来年実家に帰れなくなっちゃうんですよ。残された筆記試験科目は、たったの「1科目」という、このていたらく……実は全科目のなかでも、いっちゃん苦手なヤツが残るべくして残ったというラスボス感がムンムンなんですが、今年2014年こそは、なんとしてもその首、かききってくれるわぁあ~。

 そんなこんなで、春のポカポカ陽気なこの日、朝からあくせくチャリチャリ移動しっぱなしのわたくしだったわけなんですが、やっとこさぜんぶの用向きが済んだと思ったら、我が身はいつのまにか、千葉市街地へ。時間もいい感じのお昼過ぎであります。
 国道をず~っと自転車で行きますと、赤、白、オレンジ、いろとりどりの花が路傍に咲きみだれ、港に泊まる漁船の列も、どこかのんびりした、春らしいゆるやかな時間の流れを感じさせてくれます。

 いやぁ、春といえば花ですよね。花は英語で bloom ですよね。ブルーム。

 ……む、ブルームといえばキュアブルーム……キュアブルームといえば……

 と、いうわけでありまして、気がつけばシネコンでチケットを購入してしまっていました。その間の記憶が全くない。


映画『プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』(2014年3月15日公開 東映 71分)


 え? なんですか、そのさげすみのまなざしは……いいじゃないっすか、ちゃんとお代の1800円を払って510円のパンフレットも購入して、その上なんの意味もなく360円くらいのコールド緑茶レギュラーサイズも買いましたよ! 非合法なことはなんにもしてない、ただの客ですよ!? お茶たっけぇ……量おおすぎ。
 当然、2007年から連綿と続いているプリキュア映画名物の、来場した中学生以下のお客さんに配られる小さなサイリュウムのような電池式のペンライト(今回は「ミラクルドリームライト」)はいただけませんでした。記念にほしいような気もしたのですが……あんなにちっちゃいんじゃ日本武道館でも役に立たないだろうしなぁ。

 私が今回行った上映館は、いつもの潮風薫るTジョイ蘇我。自転車で千葉の市街地に行く用事があるときに、ついでによく利用するんですが、やはり微妙に遠い……ここでこれまで観た映画って、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・Q』とか『HK 変態仮面』とか、きわどいのばっか。っていうか、映画館のせいじゃなくて、私がきわどいのしか観てないっていうことの証明にしかなってないっすね。

 ここでちょっと、「わたしとプリキュア」というあたりの、今回この映画を観ることになった経緯を語らせていただきたいと思うのですが、まず最初に念を押させてもらいたいのは、私がプリキュアシリーズに関しての知識がほとんどゼロに近い「ずぶのしろうと」である、ということです。いや、ほんとよ!? 謙遜じゃないのよ、あぁた。

 実は、私がこの映画を観たいと思ったのは、今現在、私の知り合いに「ひとあし歩けばプリキュアの話をし、ふたあし歩けばプリキュア愛が満身からほとばしる」といった感じのお方がいらっしゃって、そのあまりにも幸せそうな生きざまに直面したがために、「そんなにおもしろいのか、プリキュアって!?」という純粋な疑問が私の中に生まれた、それが直接のきっかけだったというわけなのです。すごいんだ、その人のパッション! まぁ、他人のプライバシーなので具体的な言及はできないんですが、とにかくそのお姿がうらやましくなったわけ。

 ところが、そうやって興味を持ったところで、私もいちおう、一週間の大半はほぼ一日中の時間を使って働かせていただいている身なものですから、今さら DVDレンタルや動画サイトを利用して、なんと今年で10周年をむかえたというプリキュアシリーズを、第1作『ふたりはプリキュア』の第1話からそうざらえする時間的余裕など、あろうはずがありません。「それじゃあ劇場版だけでも……」って考えたって、映画だけですでにこれまで15本、そして今回の『 NS3』が通算16作目になるという膨大な歴史が築き上げられているのです。こりゃあとってもかなわねぇ!!

 そういうていたらくですので、当然その存在を昔から知っていたにしても、わざわざ日曜の早朝に目を覚ましてチェックするはずもなかった不肖わたくし、映像的な勉強は1話ぶんもしていないほぼお初の状態で、シリーズ最終作という『 NS3』鑑賞に挑戦という運びにあいなりました! この辺の「いきなり劇場版から」という流れは、かつてあの『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』(1997年)でも敢行したムチャな始め方でしたね……つくづく懲りねぇ野郎だ。
 まぁ、それでもね、やっぱりこういうものは観られるんであったら公開中に映画館で観たほうがいいと思うんですよ。ソフト商品化した後で、家で好きなときに再生して停止、巻戻しもいかようにでも、っていう鑑賞の仕方は、究極的には映画の娯楽の本質とはズレてると思うんだよなぁ。一生に一度しか観られないかも知れない瞬間の連続というものすごい時間に、自分の感受性をどうやって立ち合わせるか、っていう闘いのスリルだと思うんですよね、映画の醍醐味って。

 ……とはいうものの、いちおう最低限の情報はということで、某人気動画サイトにおける、シリーズ歴代作品のテーマ映像をなんと手描きで再現するという、かたくりこPの珠玉の『 PURIKYUA 』シリーズは、ここ数ヶ月、毎日視聴してます。「芸術的なザツさ」、そして限りないプリキュア愛……もう最高ですね。

 ともあれ、なんだかものすごく楽しそうな見知らぬ世界を、私ものぞいてみたい! という思いや、あなただけ幸せそうにしてるなんてズルいぞ! 私もまぜてくれといった思いが、まず最初の動機になったわけなんですが、やっぱり最終的にいちばん大きな興味になったのは、


「小学校にいく前の子どもを1時間半くらい椅子に座らせていられる、その奇跡的テクニックをぜっひとも拝見したい!!」


 というポイントだったのです。

 まぁ実際には「予告編上映も入れての1時間半」という、商業映画1本ぶんとしてはギリギリのサイズですし、子どもたちも椅子にずっと座りきれてはいないのかも知れませんが、なんにしろ未就学児童っつったら怪獣ですよ。ルール無用で飽きたら寝るわ、泣くわ、大声出すわ、トイレに行きたがるわ! 「もうちょっとしたら盛り上がりだすから、今はガマンして観ててね。」なんていうあまちゃんなエクスキューズなんか通用するわけがありません。ほんのわずかな演出のミスで、あっという間に会場内が阿鼻叫喚の「シアター崩壊」をまねく可能性が高すぎる客層を相手にしているわけなのです。
 そんな中でも、いまや、非常に安定した「作れば売れる」超定番の東映ドル箱シリーズの名をほしいままにしているプリキュアシリーズとは、いったいどんな化け物なのか? ここに興味がわかないはずがありません!

 思い起こせば、私がそのくらいのガキンチョだった1980年代中盤には、夏休み、冬休み、春休みといった夢のようなシーズンの映画館では、同じ東映が『東映まんがまつり』というプログラムを上映しており、それは当時のテレビで放映されていた男子向け、女子向け、アニメ、実写特撮を3~4本ひとからげにして1本ぶんの長さにそろえるといった内容になっていました。
 つまりは、30~50分といった TVの通常放送1回ぶんプラスアルファのお手ごろな短さにして子どもたちを飽きさせないようにする策だったのでしょうが、それでも私、『キン肉マン』とか『ハイスクール!奇面組』とか、『ゲゲゲの鬼太郎』、『電撃戦隊チェンジマン』といったあたりを観た記憶は今でも残ってるんだけど、関心のなかったスポーツものの『キャプテン翼』とか女子向けの『メイプルタウン物語』とかは爆睡してましたわ! 子どもは正直ねぇ~。

 そういった扱いが超難しい客たちを相手に、たったひとつのタイトルでクライマックスまで堂々ともたせて、しかも満足&大ヒットを毎回毎回確約させるというプリキュアシリーズ、その精髄をなんとしてもこの眼で確かめたい!! この想いが、私の中にあった「羞恥心」、「30代男性として守っておいたほうがいい節度」といったなみいる強敵たちを凌駕するのに、さほどの時間がかからなかったことは言うまでもありません。凌駕してよかったのだろうか……?

 それにホラ、なんでもこのオールスターものの「NewStage シリーズ」は、今回でおしまいなんでしょ? それじゃあ観に行かなきゃいけないよねぇ、最後なんですから! もう次はないんですから!!
 だがしかし、同じように「オールスターシリーズ完結!」をうたった先代の「DX シリーズ」の舌の根も乾かない1年後に、「DX シリーズ」とほぼ地続きでコンセプトもさほど変わったようには見えない「NewStage シリーズ」がケロッとした顔で始まったという前科があるんですが、それは……
 ま、いっか、おもしろけりゃ。


 というわけで満を持してのぞんだ『 NS3』だったのですが、字数もかさんできましたので、肝心かなめの鑑賞記はお決まりの「また次回」ということにいたしまして、今回は作品に関するいろいろな情報をあげて終わりにしたいと思います。じらしっぱなしですんません!!



 映画『プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち』は、歴代「プリキュアシリーズ」のクロスオーバー作品第6作となるアニメーション映画である。プリキュアシリーズの映画作品としては通算第16作。プリキュアシリーズ10周年記念作品。
 キャッチコピーは「みんな、本当にありがとう!」、「NewStage シリーズ最後の大集合!」、「映画館で感動のフィナーレをむかえよう!!」「心がつながってれば、未来もずっと、ともだち。」、「プリキュアNewStage シリーズ最後の大集合!!」、「NewStage シリーズ最終章! プリキュアオールスターズが、感動のフィナーレをお届けします!!」。

 『プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち』(2012年)、『プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』(2013年)に続く「NewStage シリーズ」の第3作にして最終作で、前作未登場の『ドキドキ!プリキュア』のキュアエースと、映画初登場となる『ハピネスチャージプリキュア!』のキュアラブリー・キュアプリンセス・キュアハニーの3人を含めた36人のプリキュアが登場する。さらに、『 NewStage』に登場した坂上あゆみ(キュアエコー)と、『 NewStage2』に登場した妖精のグレルとエンエンが再登場する(ただし、『ハピネスチャージプリキュア!』にすでに登場しているキュアフォーチュンは本作には登場しない)。

 また、ゲスト声優の野沢雅子はプリキュアシリーズの第1・2作『ふたりはプリキュア』『ふたりはプリキュア Max Heart』(2004~06年)で、雪城ほのか(キュアホワイト)の祖母・雪城さなえを演じて以来のシリーズ復帰となる。
 ちなみに、前作『 NewStage2』のゲストラスボスは、シリーズ第7作『ハートキャッチプリキュア!』(2010~11年)で花咲つぼみ(キュアブロッサム)の祖母・花咲薫子(キュアフラワー)を演じた坂本千夏が演じ、また、前々作『 NewStage』のゲストラスボスは、『ふたりはプリキュア』『ふたりはプリキュア Max Heart』で美墨なぎさ(キュアブラック)の父・美墨岳を演じた子安武人が演じていたため、『 NewStage』三部作のラスボスは全て、プリキュアの親族を担当した声優が演じたことになった。


あらすじ
 妖精のグレルとエンエンは、プリキュアの妖精になるために妖精学校で勉強の日々を送っていたが、その努力を見込まれ、新たに誕生したプリキュアである「ハピネスチャージプリキュア!」の記述をプリキュア教科書に加えるために調べてきて欲しいと、妖精学校の先生に依頼される。
 新しいプリキュアたちが地球のどこにいるのか見当もつかない2匹は、以前世話になった「ドキドキ!プリキュア」の面々を訪ね、「ハピネスチャージプリキュア!」の妖精リボンと連絡を取って落ち合うことにした。
 しかし約束の日、慌てたリボンに連れられてブルースカイ王国の大使館を訪れると、そこにはうたた寝したきり目覚めなくなっためぐみと、起こすために苦慮するひめの姿があった。全く目覚めないめぐみ。それは、突如蔓延した子供たちが眠りから覚めなくなる怪現象と全く同じものだった。精霊ブルーは、めぐみが「夢の世界」に閉じ込められていることを察知し、ひめや「ドキドキ!プリキュア」の相田マナたちを夢の世界に送りこむ。そこでマナたちは、遊んでいるめぐみを発見すると同時に、現実の世界で眠ったまま目覚めなくなっているはずの子供たちが遊んでいる姿も見つける。そしてそこには、グレルやエンエンとは妖精学校で友達だった夢の妖精ユメタがいた。事情を聞こうとするが、そこにユメタの母マアムが立ちふさがり、かわいい息子のためを作った夢の世界を邪魔する者は許さないと言い放ち、プリキュアたちを排除してしまう。
 現実の世界に戻ったマナやめぐみたちは、歴代プリキュアの先輩たちと連絡を取って事件を解決しようとするが、マアムはグレルとエンエンの落としたプリキュア教科書を利用して、教科書に載っている全てのプリキュアを夢の世界に閉じ込めてしまう。「ドキドキ!プリキュア」までの歴代プリキュアたちが捕らえられたと知っためぐみとひめは、プリキュアと子供たちを救うために再び夢の世界へと入り込んでいく。


主な登場キャラクター・用語

愛乃 めぐみ/キュアラブリー …… 中島 愛(24歳)
 本作では、冒頭から妖精マアムによって「夢の世界」に誘拐されていた。同じく夢の世界に捕らわれた子供たちを助け出そうとするが、逆に再び捕まり、その後にユメタと協力して脱出する。
 マアムが息子ユメタのために一連の事件を起こした心情を「ラブだね。」と語って責めずに理解するが、子供たちを誘惑する悪夢獣に対しては「悪夢なんて最悪、ラブじゃない!」と憤慨し、悪夢獣を浄化するために活躍する。

白雪 ひめ/キュアプリンセス …… 潘 めぐみ(24歳)
 本作では、息子ユメタに過保護なマアムに、「ユメタが夢の世界で楽しく暮らすのはあなたの夢であって、ユメタ自身の夢じゃない。」と説得する。

リボン …… 松井 菜桜子(52歳)
 本作では、旧知の仲である妖精シャルル(演・西原久美子)からの依頼で、今回の事件に関わっていく。

ブルー …… 山本 匠馬(30歳)
 地球の精霊。めぐみが夢の世界に閉じ込められていることを察知し、プリキュアたちを夢の世界に送り込んだり、夢の世界にいる子供たちにミラクルドリームライトを与える。

相田 マナ/キュアハート …… 生天目 仁美(37歳)
 物語の序盤で「夢の世界」に捕らわれていためぐみを救出し、悪夢獣に立ち向かっていく。マアムに連れ去られた自身の夢の世界では内閣総理大臣に就任していたが、「自分だけが幸せな夢なんて、いい夢じゃない。」と演説して夢の世界を脱出する。

円 亜久里/キュアエース …… 釘宮 理恵(34歳)
 オールスターズ映画には初登場する。悪夢獣との戦闘では、「寝首をかこうなんて100年早い。」と言い放つ。

アイちゃん …… 今井 由香(43歳)
 オールスターズ映画には初登場する。本作では地下のマグマに落ちそうになったプリキュアたちを助けた。

黄瀬 やよい/キュアピース …… 金元 寿子(26歳)
 本作では、夢の世界で漫画家になっていたが、「涙を乗り越えたら、きっと強くなる。」という意思を示して、夢の世界を脱出する。

花咲 つぼみ/キュアブロッサム …… 水樹 奈々(34歳)
 本作では、夢の世界で植物学者になっていたが、雪が降る気候でもヒマワリが枯れないことから、冷静に夢の世界にいることを看破する。

来海 えりか/キュアマリン …… 水沢 史絵(34歳)
 今回も張り切って活躍する。戦闘の直前で寝ようとしたりするが、他のプリキュアに「未来が悪夢に支配されたら眠るのが怖くなる。」と言われ、慌てて戦闘に参加した。

桃園 ラブ/キュアピーチ …… 沖 佳苗(29歳)
 本作では、夢の世界でダンスの大会に優勝していたが、「何度失敗したって、やり直せばいい。」と楽観的に語る。

夢原 のぞみ/キュアドリーム …… 三瓶 由布子(28歳)
 本作では、夢の世界で念願の学校教師になって学生たちに授業を教えるが、いち早くこれが夢の世界であることに気づき、「夢をかなえるというのは、なりたい自分になるということ。」、「自身の力でかなえないと意味がない。」と学生たちに語る。
悪夢獣との戦闘でキュアハッピーと共に活躍するが、彼女と同じくおっちょこちょい振りは健在。

秋元 こまち/キュアミント …… 永野 愛(39歳)
 本作では、夢の世界で小説家となって文学賞を受賞していたが、「辛い現実に立ち向かって夢を叶える。」という意思を示して夢の世界を脱出する。

水無月 かれん/キュアアクア …… 前田 愛(38歳)
 本作では、夢の世界で女医になっており、患者に「現実の世界は寂しい。」と語られるが、「友達がいるから寂しくない。」と答えて脱出する。

日向 咲/キュアブルーム …… 樹元 オリエ(35歳)
 本作では、夢の世界で「ベーカリー PANPAKAパン」のパン職人になっていたが、作るパンが全て完璧に焼きあがり、店にも行列ができることをうれしく思いつつも不審に思い、夢の世界であることに気づく。

坂上 あゆみ/キュアエコー …… 能登 麻美子(34歳)
 シリーズ作『プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち』の主人公。
 かつて「キュアエコー」に1度だけ変身した少女。そのため妖精学校の「プリキュア教科書」には記載されておらず、「幻のプリキュア」とされている。
 本作では、グレルとエンエンの力でキュアエコーに再び変身できるようになり、悪夢獣に襲われているプリキュアたちを救う。

グレル  …… 愛河 里花子(46歳)
エンエン …… 玉川 砂記子(52歳)
 前作『プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』に登場した2匹の妖精。
 将来はプリキュアのパートナー妖精になりたいと思っており、勉強に励んでいる。
 本作では、妖精学校の先生に新しいプリキュアである『ハピネスチャージプリキュア!』の詳細を「プリキュア教科書」に記録することを任されるが、友だちのユメタが騒動に巻き込まれていることを知り、彼を助けだそうと奮闘する。

妖精学校の先生 …… 菊池 正美(53歳)
 前作『プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』に登場した妖精学校の教師。
 緑色の亀のような姿をした妖精で、赤い蝶ネクタイをしている。丁寧な言葉遣いで話す。

ユメタ …… 吉田 小南美(46歳)
 悪夢を吸い取る夢の妖精「バク」で、マアムの息子。水色の小柄な体をし、額に月のマークがある。グレルとエンエンの友だち。
 かつて「妖精学校」の学生だったが、自身の夢を実現するために自主退学した。しかし、「怖い」という理由で悪夢を吸い取ることができず、自分に自信が持てずに挫折している。妖精学校をやめたあとは1人で寂しく過ごしており、友だちがいないことをマアムに心配されている。

マアム …… 平野 文(58歳)
 ユメタの母親。ピンク色の体で、エプロンをしている。尻尾は、悪夢を吸い取る掃除機に変化する。
 いつも寂しそうにしているユメタのために、人間界の子供たちを「夢の世界」に閉じ込めてユメタの遊び相手にする。子供たちを取り戻そうとするプリキュアたちを「悪夢獣」を使役して排除するが、次第に疲労して悪夢獣を制御することができなくなっていく。

悪夢獣 …… 野沢 雅子(77歳)
 子供に悪い夢をもたらす悪夢の怪物。アイマスクと蝶ネクタイをした、緑色のテディベアのような姿をしている。
 普段は「夢の妖精」に処理されている存在だが、本作ではマアムの独断のために暴走する。夢の世界では何度倒されても消滅しない。小型、等身大型、大型、コウモリ型、ロボット型など複数のタイプが登場する。

奈美 …… 剛力 彩芽(21歳)
 マアムの夢の世界に閉じ込められた子供たちの一人。将来の夢はパティシエになること。

キュアハニー
 本作の公開時点では TVシリーズにまだ登場していないため、顔見せ程度の登場となった。そのためセリフもなく、変身前の姿も登場していない。新たなプリキュアが、TV 本編に登場する前に映画版で先行登場するのは史上初である。

妖精学校
 前作『NewStage2』にも登場した妖精の学校。グレルとエンエンが勉強に取り組んでいる。ユメタもかつて、この学校に通っていた。

プリキュア教科書
 前作『NewStage2』に登場した、妖精の持つプリキュアの教科書。ただし、誕生したばかりの『ハピネスチャージ』と、一度きりの変身だったキュアエコーは記載されていない。今回はマアムに利用され、『ハピネスチャージ』とキュアエコー以外のプリキュア全員が夢の世界に連れ去られてしまう。


主なスタッフ
監督 …… 小川 孝治
脚本 …… 成田 良美(40歳)
キャラクターデザイン・作画監督 …… 青山 充(60歳)
音楽 …… 高梨 康治
制作 …… 東映アニメーション
配給 …… 東映

主題歌
オープニングテーマ『プリキュア・永遠のともだち 2014バージョン』
 作詞・六ツ見純代、作曲・高梨康治、歌・工藤真由、生天目仁美、中島愛

エンディングテーマ『プリキュア・メモリ NewStage3バージョン』
 作詞・只野菜摘、作曲・小杉保夫、歌・本名陽子、樹元オリエ、三瓶由布子、沖佳苗、水樹奈々、小清水亜美、福圓美里、生天目仁美、中島愛
※映画版のエンディングテーマは TVシリーズ『ハピネスチャージプリキュア!』で使用されているオリジナル版ではなく、歴代主人公プリキュアの担当声優9名が歌唱を担当したカバーバージョンを使用している。エンディングの3D アニメーションでは、本作に登場するプリキュアのうち、35人のプリキュア(キュアハニーは参加せず、キュアエコーは街のビジョン画面にワンカットだけ登場している)がダンスを披露し、歴代の主人公プリキュアは、剣崎まこと(キュアソード)がアイドル活動時に使用している「ラブリーインカム」を装着している。



 そんじゃま、まったじっかい~☆ プリキュア VS ビューティフル・ドリーマー!?
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第14回『引き裂かれる姉妹』

2014年04月08日 10時43分46秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第14回『引き裂かれる姉妹』(2014年4月6日 演出・本木一博)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

山中 鹿之介 幸盛  …… 知力53、統率力74
 主君・尼子勝久に従って羽柴秀吉軍に加勢する山陰の猛将。(演・別所哲也)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

上月 景貞      …… 知力38、統率力58
 (演・土平ドンペイ)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

尼子 勝久      …… 知力28、統率力44
 毛利家に滅ぼされた中国地方の名門・尼子家の一族。尼子家の再興をはかって羽柴秀吉に従う。(演・須田邦裕)

小寺 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

宇喜多 直家     …… 知力94、統率力74
 (演・陣内孝則)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

○上月景貞を演じる土平ドンペイさんの名演。「官兵衛どの……さらばじゃ!」の言葉の重さよ。
 でも、ここをカッコイイとか美しいと勘違いしちゃいけませんわな。そういう選択肢に行き着かざるを得なかった景貞の領主としての限界もちゃんと勘案しなきゃ。

○竹中秀吉、今回はのっけから目力&ナイスヴォイス全開で「ド真剣モード」バリバリ! どうした? やっぱり織田政権の版図拡大最前線司令官の任はそれほどまでに重いものなのか!? 前回までの軽さがうそのよう!
 「裏切りの可能性の高い武将にあえて先鋒を任せる」という戦術は古今東西の常識かと思われるのですが、実際にこういった状況で裏切った武将って、いたんでしょうかね。『信長の野望 武将風雲録』では、「そこで寝返ってどうすんの……」と思わず心配してしまうような四面楚歌の状況でも迷わず反旗を翻す武将が多かった、多かった。それは勇気……じゃないよねぇ~。バカなのね~。

●大迫力の野戦アクションシーンに猛将・山中鹿之介、颯爽登場!!
 ……となるはずだったのですが、官兵衛一党も上月景貞も宇喜多直家もみ~んなシックな黒甲冑でまとまっちゃってて、そこにさらにブラックな鹿之介が出てきても、さぁ~っぱり戦況が一変したという感じがしない。色彩的な演出がまったく0点。
 いや、よく見ればそれぞれの兜の前立てが違うのはよくわかるんですけど、どいつもこいつもそれ以外は黒、黒って……野外ロケだと顔もよくわかんないでしょ? なにがなんだかさっぱりわかんねぇ~っつうの! 旗差し物も白とか青とか、ひたすら地味だしよぉ。
 黒澤明ばりに破天荒な演出をしろとは言いませんけど、せっかくの戦乱シーンなんですから、もっとわかりやすくしてもらえませんか? 前の合戦シーンでは、もっと農民ルックまる出しの雑兵とかをまぜて変化を出してましたよね? 戦闘の規模が拡大しても、引き続いてそういった見てくれの工夫はトッピングしていってほしいです! 鹿之介がかわいそう!!

○鹿之介「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ……」
 きたきたきた、戦国どM宣言!! そして、鉄板トークともいえる定番の「くみ取り口から大脱出」ネタ! 鹿之介といえばこれ、という感じのベタな演出のつるべ打ちなのよねぇ~。でも、これをやらなきゃ鹿之介は始まんないのよねぇ~。
 『信長の野望』だとけっこう簡単なんだけど、尼子家の再興は現実には……厳しかった。がんばれ鹿之介!

●わたくしめも、他人様の容姿のことをとやかく言えるツラを下げてはいないのですが……上月景貞とお力の方、あの両親のもとで、ど~してあんなにかわいらしい娘さん(特に長女役の内田愛さん)が生まれるのであろうか……いや、別にいいんですけどね……私も若いころには、酒井若菜さんの写真集、大事に持ってたけどね。
 まぁ、そんなこと言い出したら、中谷さんと酒井さんの姉妹もたいがい似てないんですけど……おやじ、益岡徹さんだし。

●信長「主の寝首を掻く者など信じられん。上月城の家臣を皆殺しにせよ。」
 いかにも残忍非道な魔王信長の処断、というような恐ろしげな演出がなされていますが、これだって、先だっての人質処刑と同じような戦国の常道なのであって、信長だけをさも悪役であるかのように描く材料にするのは少々かわいそうな気がします。な~んか恣意的なんだよなぁ、ここらへんの信長像が。
 もともと最初っから処刑されるか、採用されても危険な最前線に送り込まれるか。裏切り者の将来なんか、所詮あかるいものじゃないんですね。そりゃまぁ、勝ったほうだって命かかってますからね。

○さすがは高岡早紀! 発作のでかたも怖い&エロい!! なんか、いつにもまして顔がまっ白だと思ってたら……周囲の人間の不意の異常って、やっぱこわいよねぇ。

○悪いなぁ~、宇喜多直家、今週も!! 外道も外道の大悪役だけど、賢いし正論なんだよなぁ~、いちいち言うことが。
 しかし『軍師官兵衛』、岡山県のみなさんにはとことんイヤ~な気分になってもらう、その冷酷無比な采配っぷり! やっぱりこのテレビ局は、『独眼竜政宗』の昔からひとっつも変わっていないとでも言うのか!? でも、そういう誰の眼から見ても明らかな悪役がいないとしまらないのが大河ドラマでもあるわけなのでありまして……「必要悪」とはよく言ったものであります。岡山県の皆さん、耐え忍ぶのです! ほら、同じ宇喜多でも秀家いるから、秀家!!

●とまぁ、毎回毎回ものすごいハイテンションな演技と目力で、「乱世の生んだ悪魔」を活き活きと演じている陣内孝則さんであるだけに、もう20年近く使い古されて手あかまみれになっている、「カメラを役者のアップにしながら、画面をわざと揺らして手ブレを強調する」というベッタベタな緊迫感演出はもうホンッッッットに邪魔でしかなかったです。だからいらねぇって、そんなくっだらねぇ小細工!! 役者さんに失礼だろうが、アホンダラ!
 もうね、21世紀になって久しい今さら、「なに田一少年の事件簿」をやってんだと! 「堤なに彦」監督の猿まねをやってんだと!! こういう創造性のかけらもないコピペ作業は本当に電波にのっけないでいただきたい。っていうか、もう手ブレは本当に気持ち悪くなるだけだから、いい加減にやめてちょうだいませ!

●安土城の居室で、数ある名刀をまるでゴルフバッグか雨がやんだ後のコンビニの傘たてのようにザツにラック(?)に詰め込んでいる信長。おいおい、そんな収納の仕方がありますか!? 茶道具もいいけど、名刀も大事にしてね!! そんなにいっぱいあって困るんだったら、それがしにも1本くらいください!


結論、「第15回がとてもたのしみです。」

 今回はね、基本に羽柴軍の順調な播磨攻略の(いったんの)完了、というベースラインがあったためか、非常につつがなく物語が進んでいった、という印象でした。とってもわかりやすいエピソードの連続で見やすかったんですが、それがゆえにちょっとひっかかりどころも少なくて物足りなかったような……そういえば、第1回からず~っと出ずっぱりだった柴田恭平さんが、初めてまるまるお休みをもらってましたね! そうか、だからシブみが足りなかったのかぁ。
 でもまぁ~、陣内さんはよかったね、どうにも! 典型的な悪役はおもしろいなぁ~、やっぱり。

 ただ、その後の歴史の流れをかんがみれば、今回に観られた男泣きする山中鹿之介の泣き顔と、ドス黒い大爆笑をあげる宇喜多直家の笑顔は、ものすご~く味わい深いものがありますよね。人生というものは、本当に一瞬先には何が待ち受けているのか、わからんものなのでありまして。

 さぁ、来週は「案の定、そうすんなりいくはずがなかった」播磨動乱篇であります。み~ん~な~で~み~て~ね~☆

 ……そういえば今回、『軍師官兵衛』の劇中で初めて「家康」という名前が出たわけなのでありますが、いまだに徳川家康本体が登場する気配はなく……うむむ、いつまでじらせる気なのか、スタッフ陣ん~!?
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たのしい悪夢はいつ醒める?  映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦』 ~資料編~

2014年04月06日 21時22分33秒 | 特撮あたり
映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(2014年3月29日公開 98分 東映)

 シリーズ最新作の仮面ライダーと過去の歴代ライダー、別作品のヒーローが共闘するクロスオーバーシリーズの1作で、平成仮面ライダーシリーズ通算15作記念作品。これまで通俗的に使用されていた『仮面ライダークウガ』(2000~01年)以降の「平成ライダーシリーズ」と、それ以前の「昭和ライダーシリーズ」という分類が初めて映像作品名に使用され、両ライダー15名同士の対立を中心に描く。
 ただし、日本の元号が昭和から平成に変わったのは『仮面ライダーBLACK RX』(1988~89年)の放送中であり、『真・仮面ライダー 序章』(1992年)、『仮面ライダーZO 』(1993年)、『仮面ライダーJ 』(1994年)の3作は平成の制作であるが、『クウガ』がいわゆる平成ライダーシリーズの第1作となるため、便宜上「昭和ライダー」に含まれている。
 また、スーパー戦隊シリーズからは最新作『烈車戦隊トッキュウジャー』の5名と、前作『獣電戦隊キョウリュウジャー』の桐生ダイゴ(キョウリュウレッド)の計6名がゲストとして出演する(キョウリュウレッドとトッキュウジャーの劇中での共演シーンはなし)。

 これまでに東映が制作してきたスーパー戦隊の「VSシリーズ」では、「対」「VS」とありながらも戦いに決着をつけることはなかったが、本作では明確に平成ライダーと昭和ライダーの勝敗の結末が描かれる。エンディングシーンは、平成ライダー勝利・昭和ライダー勝利の2パターンが撮影され、公式サイトおよび全国の映画館で開催されたファン投票によって公開初日にどちらのパターンが上映されるのかが決定する。仮面ライダーシリーズとしては、投票によってエンディングが決まるのは『仮面ライダー龍騎』以来のこころみである。
 このエンディング投票は、劇場・WEB 投票あわせて277万3322票が集まり、その結果、平成ライダーが138万7041票、昭和ライダーが138万6281票で、760票差の大接戦の末に平成ライダーが勝利したため、平成ライダーの勝利バージョンが上映されることとなった。

 本作には、本郷猛(仮面ライダー1号)を演じた藤岡弘、(68歳)が同役でゲスト出演する。藤岡は、平成ライダーシリーズには映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』(2001年 警視総監役)や、映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(2011年 仮面ライダー1号の声のみ)に出演していたが、本郷として変身ポーズを披露するのは TVスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー!!』(1976年)以来38年ぶりとなる。この他、神敬介( Xライダー)を演じた速水亮(64歳)は『新・仮面ライダー (スカイライダー)』(1979~80年)へのゲスト出演以来34年ぶり、村雨良(仮面ライダーZX)を演じた菅田俊(59歳)は TVスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』(1984年)以来30年ぶりの出演となる。
 平成ライダー側では、門矢士(仮面ライダーディケイド)役の井上正大(25歳)、乾巧(仮面ライダーファイズ)役の半田健人(29歳)らが出演する。

 全国292スクリーンで公開され、2014年3月29・30日の初日2日間で興行収入約2億6千万円・動員約22万2千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第3位を記録した。最終的な興行収入は約10億1千万円。
 映画のエンドロールでは、昨年2013年に故人となったプロデューサーの平山亨、監督の長石多可男への献辞が捧げられている。


あらすじ
 ふとしたきっかけから、地上とは全く異なる地下世界の調査をすることになった葛葉紘汰(仮面ライダー鎧武)は、地下帝国バダンの戦闘員コンバットロイドに追われるシュウという少年に出会う。紘汰が鎧武に変身しようとしたその時、侍の如き風格を持った男が現れ、「変身!」と叫ぶ。彼こそは、伝説の男・本郷猛(仮面ライダー1号)であった。コンバットロイドの集団をたった一人で倒した1号は変身解除すると、紘汰に「お前のようなヒヨッコをライダーと認めるわけにはいかん!」と言い放つ。紘汰には、父親程も年齢の離れた本郷の真意が理解できなかった。
 そのころ、ある理由から平成ライダー15名の力を結集しようと幾つものパラレルワールドを渡り歩いていた門矢士(仮面ライダーディケイド)も紘汰に接触。一連の事件はすべてバダン帝国が人類滅亡を画策した結果だと語り、力を貸すように依頼するが、そこに再び昭和ライダーたちが現れ、「バダン帝国を生み出した根源こそ、平成ライダーたちなのだ。」と主張した。
 平成ライダーと昭和ライダー、互いの主張は全く相容れず、遂に昭和ライダーは平成ライダーに戦いを挑み始める。紘汰は困惑しつつも、昭和ライダーが挑んでくる以上は倒すしかないと覚悟を決めた。 果たして正義はどちらのライダーにあるのか。シュウを手中に収めたバダン帝国が発動を開始する最終作戦「メガ・リバース計画」の全貌とは?
 ついに、平成ライダーと昭和ライダーの勝敗の行方が明らかになる。


主な登場キャラクター・用語(俳優の年齢は公開当時のもの)
門矢 士 / 仮面ライダーディケイド …… 井上 正大(25歳)
 悪の秘密組織「地下帝国バダン」の動きをいち早く察知し、鳴滝から「平成ライダー15人の力を結集せよ。」というメッセージを受け取り、幾つものパラレルワールドを渡り歩いて平成ライダーたちに協力を依頼する。
 その過程でバダンが付け狙う謎の少年シュウにまつわる人々に出会ったことで、バダンが企む「メガ・リバース計画」と、平成ライダーを敵視する昭和ライダーの真意に少しづつ近づいていく。

鳴滝 …… 奥田 達士(45歳)
 「預言者」を自称する正体不明の男で、門矢士(仮面ライダーディケイド)の周囲で発生する事件において常に黒幕のような役割を担う存在。眼鏡・コート・フェルト帽が特徴。仮面ライダーディケイドを「世界の崩壊をまねく破壊者」と敵視して、ことあるごとに激しい憎悪を口にするが、その真意は不明である。仮面ライダーには変身できないが、ディケイドと同様に、様々なパラレルワールドを行き来することができる。
 士の行く先々の世界に存在する仮面ライダーたちにディケイド抹殺をそそのかしたり、別世界から召喚した仮面ライダーや悪の組織を刺客として差し向けたりするなど、己の目的のためならば手段を選ばない。
 かつては、みずからスーパーショッカー大幹部ゾル大佐に変身したり(映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』)、大ショッカー大幹部ドクトルGに変身して(『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』)ディケイドたちと戦ったこともあった。口癖は「おのれディケイド!」。
 今回は唐突に士の前に現れ、「平成ライダー15人の力を結集せよ。」というメッセージを与えた。

乾 巧 / 仮面ライダーファイズ …… 半田 健人(29歳)
 10年前の、異形の進化人間「オルフェノク」との激しい戦いを終え、クリーニング店を経営しながら漫然と日々を送っている。猫舌。
 戦いの中で死亡した戦友・草加雅人が最期に自分に吐き捨てた怨念の言葉が忘れられず、自分の望む未来に向かって進むことにためらいを持っており、門矢士(仮面ライダーディケイド)が昭和ライダーとの戦いに手を貸すように要請しても、拒絶して衝動的な旅に出てしまう。
 旅の途中で出会った開業医の神敬介と出会って考えを改め、仮面ライダーファイズに再び変身して地下帝国バダンの怪人軍団を蹴散らすが、巧の正体が平成ライダーであることを知った神(仮面ライダーX )に戦いを挑まれてしまう。

草加 雅人 / 仮面ライダーカイザ …… 村上 幸平(37歳)
 かつての乾巧の戦友。オルフェノクとの戦いに敗れて絶命する際、「なぜ守るべきものも夢も持っていない乾が生き残り、守るべきものを持つ自分が死ななくてはならないんだ。」という怨念を巧に吐き捨てる。この言葉が、戦いを終えた現在でも巧の心を縛り続けている。

葛葉 紘汰 / 仮面ライダー鎧武 …… 佐野 岳(21歳)
 日本のどこかにある地方都市「沢芽市(ざわめし)」に住む青年。仮面ライダー鎧武に変身できる。

駆紋 戒斗 / 仮面ライダーバロン …… 小林 豊(25歳)
 紘汰のライヴァル的存在の青年。仮面ライダーバロンに変身できる。

呉島 貴虎 / 仮面ライダー斬月・真 …… 久保田 悠来(32歳)
 沢芽市を実質的に支配している巨大企業「ユグドラシルコーポレーション」の御曹司。仮面ライダー斬月・真に変身できる。

呉島 光実 / 仮面ライダー龍玄 …… 高杉 真宙(17歳)
 貴虎の弟。仮面ライダー龍玄に変身できる。

高司 舞 …… 志田 友美(17歳)
 紘汰の幼なじみ。

阪東 清治郎 …… 弓削 智久(33歳)
 沢芽市のフルーツパーラー「ドルーパーズ」のマスター。紘汰たちの兄貴分。

イヨ …… 那月 結衣(19歳)
 フルーツパーラー「ドルーパーズ」のウェイトレス。

左 翔太郎 / 仮面ライダーW 、仮面ライダージョーカー …… 桐山 漣(29歳)
 日本のどこかにある湾岸都市「風都(ふうと)」で、一人で私立探偵を営む青年。仮面ライダーダブルにも変身できるが、通常は仮面ライダージョーカーに変身して戦う。常に白いスーツにソフト帽でキメているが、依頼はペットの犬や亀探しばかりのようである。
 昭和ライダーとの戦いに力を貸してもらいに来た門矢士(仮面ライダーディケイド)の要請に最初は乗り気ではなかったが、風都の住人だった少年シュウを守るために依頼を請け負い、シュウとシュウの母・咲の情報を士に与える。

村雨 良 / 仮面ライダーZX …… 菅田 俊(59歳)
 バダン帝国の目的を探るために暗闇大使に化けており、物語の終盤まで正体を明らかにしなかった。バダン帝国が最終作戦「メガ・リバース計画」を発動する際にはじめて村雨良としての正体を現すが、すでにバダン総統には見破られていた。平成ライダーとの最終決戦では、同じ「10号ライダー」である仮面ライダーディケイドと戦った。

神 敬介 / 仮面ライダーX …… 速水 亮(64歳)
 『新・仮面ライダー(スカイライダー)』以来33年ぶりに変身前の神敬介としても登場し、相応に年月を経た壮年の風貌になっている。
 海辺の小さな町で開業医を営んでいる。偶然に乾巧(同じメカニカルライダーである仮面ライダーファイズ)と出会い、生きる意味を見失っていた巧に人生の指針を語るが、巧が平成ライダーだと知り敢然と戦いを挑む。

マリ …… 三好 杏依(13歳)
 神敬介が預かり、育てている中学生の少女。神の開業医や家事の手伝いをしながら実の父親の帰りを待っているらしい。

本郷 猛 / 仮面ライダー1号 …… 藤岡 弘、(68歳)
 昭和ライダー15名の筆頭。『全員集合! 7人の仮面ライダー!!』以来38年ぶりに変身前の本郷猛としても登場する。ある理由から平成ライダー15名を「地下帝国バダンを生み出した存在」として敵視し、彼らを打ち倒すべく他の昭和ライダーたちと共に戦う。しかしこれは、バダンを欺くための作戦であり、バダンとの決戦では仮面ライダー鎧武に昭和ライダーロックシードを与えるなど平成ライダーに協力したが、決戦後改めて平成ライダーと戦う。

葵 連(あおい れん)…… 板尾 創路(50歳)
 平成ライダー15名の能力を使いこなす「仮面ライダーフィフティーン」に変身する謎の男。バダン帝国に所属し、息子シュウの身柄を確保するためには手段を選ばない。

仮面ライダーフィフティーン
 葵連が戦極ドライバーとロックシードを使用して変身するアーマードライダー。平成ライダーロックシードを使用して平成ライダー15名を基盤とした形態へアームズチェンジすることができる。形態に対応したアームズウェポンから斬撃を繰り出す。
 専用アームズウェポンは骨をかたどった剣であり、この剣は変身前から使用できる。

葵 柊(しゅう)…… 青木 柚(子役)
 連の息子。不思議な超能力を持っており、その力を欲するバダンに付け狙われる。

葵 咲(さき)…… 雛形 あきこ(36歳)
 連の妻。多忙な仕事のために息子のシュウにほとんど構ってやれない悩みがあった。

地下帝国バダン
 地球の裏側に存在するもう一つの世界に地下都市「バダンシティ」を築き潜伏していた悪の秘密組織。鳴滝曰く、「ショッカーの意志を継ぐ者たち」。「メガ・リバース計画」と呼ばれる謎の計画を実現させるため、沢芽市を侵略せんと姿を現した。
 ショッカーからファントム、超進化生命体ミュータミットまでの様々な怪人の軍団で構成されており、バダン総統と暗闇大使の指揮の下に、12名の幹部(ヤマアラシロイド、タイガーロイド、ヒルカメレオン、十面鬼ユム・キミル、ジェネラルシャドウ、マシーン大元帥、剣聖ビルゲニア、大神官バラオム、ジャーク将軍、ドラス、コブラ男ガライ、超銀河王の12名)が前線指揮を取る。
 なお、ヒルカメレオンは原典ではゲルショッカー大幹部・ブラック将軍の変身した怪人形態だったが(1973年)、本作では過去の映画『 MOVIE大戦2010』(2009年)と同様に、ブラック将軍の姿では登場していない。
 今まで仮面ライダーが戦ってきた歴代の悪の組織とは根本的に異なり、その実態は黄泉の国、つまり「死後の世界」の住人たちで、暗闇大使と葵連を除いた構成員は全て怨霊であり、生と死の世界を反転する「メガ・リバース計画」による現世への完全復活こそが彼らの悲願だった。晒された正体は不気味な紫色の炎に包まれた影で、人間とも怪人とも呼べない姿をしている。

バダン総統 …… 関 智一(声の出演 41歳)
 バダンを統べる大首領。その正体は、巨大な恐竜型の怪獣「骸骨恐竜」である。

暗闇大使 …… 菅田 俊(59歳)
 バダン最高幹部。かつてのショッカーの大幹部だった地獄大使の従弟であり、外見が似ている。本名は「ガモン」であり、幼少時から後の地獄大使である「ダモン」の影武者を務めていた。しかし、地獄大使とは仲が悪かったらしい。
 本作では、映画『オールライダー対大ショッカー』(2009年)でデザインが一新された地獄大使と同様に、黒い鎧を身にまとっている。
 実は仮面ライダーZX(村雨良)が変装していた姿で、仮面ライダーが敗北した際に変化するレジェンドライダーロックシードを収集し、鎧武の力を介して一時的にヘルヘイムの森に避難させていたオールライダーを再び呼び戻す。しかし、バダン総統には正体を見破られていた。

ヤマアラシロイド …… 鈴村 健一(声の出演 39歳)
 バダンの幹部クラス怪人。体毛を針のように変化させ、高速で飛ばす。地下世界から抜け出した柊を追い、怪人軍団を率いて地上に現れる。本作では、右半身が黒、左半身が赤に塗り分けられた新デザインで登場する。

タイガーロイド …… 稲田 徹(声の出演 41歳)
 バダンの幹部クラス怪人。主な武器は腰の機関銃で、必殺技は背中の三連大砲による「タイガーボンバー」。ライダー抹殺の任を帯びて乾巧を追撃する。

怪人
 さそり男、サボテグロン、ゴースター、ザンジオー、ジャガーマン、毒トカゲ男、ギリザメス、シオマネキング、ガニコウモル、カメバズーカ、サドンダスβ、怪魔ロボット・シュバリアン、平成ライダーシリーズからはオルフェノク、ドーパント、グリード、ヤミー、ゾディアーツ、ファントムの怪人が参加している。

戦闘員
 原典と同じコンバットロイドのほか、ショッカー骨戦闘員、デストロン戦闘員、戦闘員チャップが所属している。

登場する仮面ライダー
 仮面ライダー1号、仮面ライダー2号(声・神谷浩史)、仮面ライダーV3(声・関智一)、ライダーマン(セリフなし)、仮面ライダーX、仮面ライダーアマゾン(声・関智一)、仮面ライダーストロンガー(声・関智一)、スカイライダー(声・石川英郎)、仮面ライダースーパー1(声・神谷浩史)、仮面ライダーZX、仮面ライダー BLACK(声・神谷浩史)、仮面ライダーBLACK RX(声・鈴村健一)、仮面ライダーシン(セリフなし)、仮面ライダーZO(セリフなし)、仮面ライダーJ(声・稲田徹)、仮面ライダークウガ(セリフなし)、仮面ライダーアギト(セリフなし)、仮面ライダー龍騎(セリフなし)、仮面ライダーファイズ、仮面ライダーカイザ、仮面ライダーブレイド(セリフなし)、仮面ライダー響鬼(セリフなし)、仮面ライダーカブト(声・神谷浩史)、仮面ライダー電王(声・関俊彦)、仮面ライダーキバ(セリフなし)、仮面ライダーディケイド、仮面ライダーW、仮面ライダーオーズ(セリフなし)、仮面ライダーフォーゼ(声・鈴村健一)、仮面ライダーウィザード(演・白石 隼也)、仮面ライダー鎧武、仮面ライダーバロン、仮面ライダー斬月・真、仮面ライダー龍玄、仮面ライダーフィフティーン
 ……以上、昭和ライダー15名、平成ライダー15名、平成サブライダー5名の、合計35名


主なスタッフ(年齢は公開当時のもの)
監督         …… 柴崎 貴行(35歳)
脚本         …… 米村 正二(50歳)
音楽         …… 中川 幸太郎(45歳)、山下 康介(40歳)
クリーチャーデザイン …… 出渕 裕(ヤマアラシロイド担当 55歳)
アクション監督    …… 宮崎 剛(50歳)
特撮監督       …… 佛田 洋(52歳)
主題歌『ドラゴン・ロード2014』(歌唱・串田アキラ)


 ということでですね、2009年の『仮面ライダーディケイド』映画版から始まった「仮面ライダークロスオーバーシリーズ」の第7作でございます。
 まぁ、例によって今回もとてつもないお祭りムービーなわけなんですが、個人的には、今までの反省を活かした内容になっているような気もして、好きでした! 相変わらずムチャクチャですけどね。

 そんなこんなで、詳しい感想の本文は、また回を改めまして! いつになるかはわからないけど、期待しないでお待ちあれ~。
 佐々木さんと宮内さんにも出てほしかったな~、元気なうちに!
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