長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第14回『引き裂かれる姉妹』

2014年04月08日 10時43分46秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第14回『引き裂かれる姉妹』(2014年4月6日 演出・本木一博)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

山中 鹿之介 幸盛  …… 知力53、統率力74
 主君・尼子勝久に従って羽柴秀吉軍に加勢する山陰の猛将。(演・別所哲也)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

上月 景貞      …… 知力38、統率力58
 (演・土平ドンペイ)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

尼子 勝久      …… 知力28、統率力44
 毛利家に滅ぼされた中国地方の名門・尼子家の一族。尼子家の再興をはかって羽柴秀吉に従う。(演・須田邦裕)

小寺 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

宇喜多 直家     …… 知力94、統率力74
 (演・陣内孝則)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

○上月景貞を演じる土平ドンペイさんの名演。「官兵衛どの……さらばじゃ!」の言葉の重さよ。
 でも、ここをカッコイイとか美しいと勘違いしちゃいけませんわな。そういう選択肢に行き着かざるを得なかった景貞の領主としての限界もちゃんと勘案しなきゃ。

○竹中秀吉、今回はのっけから目力&ナイスヴォイス全開で「ド真剣モード」バリバリ! どうした? やっぱり織田政権の版図拡大最前線司令官の任はそれほどまでに重いものなのか!? 前回までの軽さがうそのよう!
 「裏切りの可能性の高い武将にあえて先鋒を任せる」という戦術は古今東西の常識かと思われるのですが、実際にこういった状況で裏切った武将って、いたんでしょうかね。『信長の野望 武将風雲録』では、「そこで寝返ってどうすんの……」と思わず心配してしまうような四面楚歌の状況でも迷わず反旗を翻す武将が多かった、多かった。それは勇気……じゃないよねぇ~。バカなのね~。

●大迫力の野戦アクションシーンに猛将・山中鹿之介、颯爽登場!!
 ……となるはずだったのですが、官兵衛一党も上月景貞も宇喜多直家もみ~んなシックな黒甲冑でまとまっちゃってて、そこにさらにブラックな鹿之介が出てきても、さぁ~っぱり戦況が一変したという感じがしない。色彩的な演出がまったく0点。
 いや、よく見ればそれぞれの兜の前立てが違うのはよくわかるんですけど、どいつもこいつもそれ以外は黒、黒って……野外ロケだと顔もよくわかんないでしょ? なにがなんだかさっぱりわかんねぇ~っつうの! 旗差し物も白とか青とか、ひたすら地味だしよぉ。
 黒澤明ばりに破天荒な演出をしろとは言いませんけど、せっかくの戦乱シーンなんですから、もっとわかりやすくしてもらえませんか? 前の合戦シーンでは、もっと農民ルックまる出しの雑兵とかをまぜて変化を出してましたよね? 戦闘の規模が拡大しても、引き続いてそういった見てくれの工夫はトッピングしていってほしいです! 鹿之介がかわいそう!!

○鹿之介「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ……」
 きたきたきた、戦国どM宣言!! そして、鉄板トークともいえる定番の「くみ取り口から大脱出」ネタ! 鹿之介といえばこれ、という感じのベタな演出のつるべ打ちなのよねぇ~。でも、これをやらなきゃ鹿之介は始まんないのよねぇ~。
 『信長の野望』だとけっこう簡単なんだけど、尼子家の再興は現実には……厳しかった。がんばれ鹿之介!

●わたくしめも、他人様の容姿のことをとやかく言えるツラを下げてはいないのですが……上月景貞とお力の方、あの両親のもとで、ど~してあんなにかわいらしい娘さん(特に長女役の内田愛さん)が生まれるのであろうか……いや、別にいいんですけどね……私も若いころには、酒井若菜さんの写真集、大事に持ってたけどね。
 まぁ、そんなこと言い出したら、中谷さんと酒井さんの姉妹もたいがい似てないんですけど……おやじ、益岡徹さんだし。

●信長「主の寝首を掻く者など信じられん。上月城の家臣を皆殺しにせよ。」
 いかにも残忍非道な魔王信長の処断、というような恐ろしげな演出がなされていますが、これだって、先だっての人質処刑と同じような戦国の常道なのであって、信長だけをさも悪役であるかのように描く材料にするのは少々かわいそうな気がします。な~んか恣意的なんだよなぁ、ここらへんの信長像が。
 もともと最初っから処刑されるか、採用されても危険な最前線に送り込まれるか。裏切り者の将来なんか、所詮あかるいものじゃないんですね。そりゃまぁ、勝ったほうだって命かかってますからね。

○さすがは高岡早紀! 発作のでかたも怖い&エロい!! なんか、いつにもまして顔がまっ白だと思ってたら……周囲の人間の不意の異常って、やっぱこわいよねぇ。

○悪いなぁ~、宇喜多直家、今週も!! 外道も外道の大悪役だけど、賢いし正論なんだよなぁ~、いちいち言うことが。
 しかし『軍師官兵衛』、岡山県のみなさんにはとことんイヤ~な気分になってもらう、その冷酷無比な采配っぷり! やっぱりこのテレビ局は、『独眼竜政宗』の昔からひとっつも変わっていないとでも言うのか!? でも、そういう誰の眼から見ても明らかな悪役がいないとしまらないのが大河ドラマでもあるわけなのでありまして……「必要悪」とはよく言ったものであります。岡山県の皆さん、耐え忍ぶのです! ほら、同じ宇喜多でも秀家いるから、秀家!!

●とまぁ、毎回毎回ものすごいハイテンションな演技と目力で、「乱世の生んだ悪魔」を活き活きと演じている陣内孝則さんであるだけに、もう20年近く使い古されて手あかまみれになっている、「カメラを役者のアップにしながら、画面をわざと揺らして手ブレを強調する」というベッタベタな緊迫感演出はもうホンッッッットに邪魔でしかなかったです。だからいらねぇって、そんなくっだらねぇ小細工!! 役者さんに失礼だろうが、アホンダラ!
 もうね、21世紀になって久しい今さら、「なに田一少年の事件簿」をやってんだと! 「堤なに彦」監督の猿まねをやってんだと!! こういう創造性のかけらもないコピペ作業は本当に電波にのっけないでいただきたい。っていうか、もう手ブレは本当に気持ち悪くなるだけだから、いい加減にやめてちょうだいませ!

●安土城の居室で、数ある名刀をまるでゴルフバッグか雨がやんだ後のコンビニの傘たてのようにザツにラック(?)に詰め込んでいる信長。おいおい、そんな収納の仕方がありますか!? 茶道具もいいけど、名刀も大事にしてね!! そんなにいっぱいあって困るんだったら、それがしにも1本くらいください!


結論、「第15回がとてもたのしみです。」

 今回はね、基本に羽柴軍の順調な播磨攻略の(いったんの)完了、というベースラインがあったためか、非常につつがなく物語が進んでいった、という印象でした。とってもわかりやすいエピソードの連続で見やすかったんですが、それがゆえにちょっとひっかかりどころも少なくて物足りなかったような……そういえば、第1回からず~っと出ずっぱりだった柴田恭平さんが、初めてまるまるお休みをもらってましたね! そうか、だからシブみが足りなかったのかぁ。
 でもまぁ~、陣内さんはよかったね、どうにも! 典型的な悪役はおもしろいなぁ~、やっぱり。

 ただ、その後の歴史の流れをかんがみれば、今回に観られた男泣きする山中鹿之介の泣き顔と、ドス黒い大爆笑をあげる宇喜多直家の笑顔は、ものすご~く味わい深いものがありますよね。人生というものは、本当に一瞬先には何が待ち受けているのか、わからんものなのでありまして。

 さぁ、来週は「案の定、そうすんなりいくはずがなかった」播磨動乱篇であります。み~ん~な~で~み~て~ね~☆

 ……そういえば今回、『軍師官兵衛』の劇中で初めて「家康」という名前が出たわけなのでありますが、いまだに徳川家康本体が登場する気配はなく……うむむ、いつまでじらせる気なのか、スタッフ陣ん~!?
コメント
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