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日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第16回『上月城の守り』

2014年04月22日 09時27分28秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第16回『上月城の守り』(2014年4月20日 演出・田中健二)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

山中 鹿之介 幸盛  …… 知力53、統率力74
 (演・別所哲也)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

柴田 勝家      …… 知力51、統率力87
 (演・近藤芳正)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

佐久間 信盛     …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

木下 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

別所 賀相(よしすけ)…… 知力48、統率力45
 (演・ベンガル)

吉川 元春      …… 知力58、統率力85
 (演・吉見一豊)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 (演・中村倫也)

別所 長治      …… 知力63、統率力63
 (演・入江甚儀)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

尼子 勝久      …… 知力28、統率力44
 (演・須田邦裕)

浦 宗勝       …… 知力28、統率力71
 (演・佐藤尚宏)

宇喜多 直家     …… 知力94、統率力74
 (演・陣内孝則)

小早川 隆景     …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●別所長治の「自分のなさ」がひどすぎる!!
 官兵衛の書状を読んで感動して織田勢についたかと思ったら、叔父に説得されて今度は毛利勢か。
 「それがしも武士。かくなる上は、命の限り闘い抜くのみ!」じゃねぇよ大たわけ!! あんたは武士である以上に「大名」なの! 「経営者」なの!! ちったぁてめぇのうすっぺらい判断にブンまわされて過大な負担にあえぐことになる雑兵、領民のこともおもんぱかれ!!
 しかも、長治を演じるガキンチョの演技が一向にうまくならない!! ほんとに見苦しい、聞き苦しい。
 史実じゃあ三木城は2年ちかく籠城を続けたわけなんですが、とりあえずあんただけは切腹してドラマから降りてくれませんかね!? もろもろはベンガルさんにまかせていいから、こころおきなくおっ死ね!!

○声にハリツヤがありまくりで、隠居の身とはまるで思えない小寺職隆。白髪が増えて、ますますカッコよくなってる~! 柴田さんはやっぱりあれですね、常にキリッとした所作と「逆八の字眉毛」がほんとにいいんですね。

○口では「人たらし」らしく実に配慮の行き届いたあたたかい言葉をかけつつも、官兵衛のきれいな嫁さんへのボディタッチをまるで隠そうとしない秀吉。う~ん、さすが!! なんとも気ままな出張旅行だ。

○安芸国・吉田郡山城での毛利家大軍議で、小早川隆景の提唱する「三道並進」プランをきいて「さんどうへいしん~?」とみんなでいっしょに聞き返す毛利家武将たちのリアクションがかわいすぎる! そうとうバカっぽくて、心もとなきことダチョウ倶楽部の如し!! でもまぁ、このドラマじゃ対する織田家の連中も負けずにバカっぽいのばっかだから、けっこういい勝負になるか。

○山陰道を吉川軍、山陽道を小早川軍、瀬戸内海を浦(乃美)水軍で一気に東進するという一大戦線に鼻息を荒くする隆景ですが、演じる鶴見辰吾さんといえば、かつて大河ドラマ『義経』(2005年)で、同じ中国地方を西に敗走してゆく平氏政権の悩める総帥・平宗盛(たいらのむねもり)を好演していましたっけねぇ。なぜか中国地方に縁のある俳優さんですよね。
 平宗盛卿は、私も日本史の中でナンバー5に入れるほど愛している人物なのですが、「江戸のかたきを長崎で討つ」ならぬ、「宗盛の恨みを隆景がはらす」!! 実にテンションの上がる大作戦ですねぇ! いけいけドンドン♪

○勝久「(堂々と)700でござる!!」
 おお……キてますキてます、死亡フラグどころか「壊滅フラグ」がビンッビンに立ってます……おいたわしや!
 「おそらく2万」とまで予想されていた小早川・宇喜多連合軍(実際には5万でした)を、城兵わずか7百で迎え撃つという上月城の心意気。ジーンときちゃいますよねぇ。部下向けの表の顔と、尼子家の行く末を案じる裏の顔とを実直に演じわける別所哲也さんの悲壮な表情にも感動。

○あれはたぶん、本物の書写山円教寺なんでしょうねぇ。だーいし三成の円教寺陣での兵站シーンの舞台になっていた本物のお寺の風景は、やっぱりヘタな復元城郭のセット撮影では絶対にかもしだせない重厚な雰囲気を生み出していましたね! 実にいいなぁ。
 ほんとの円教寺でのロケとは、ものすごいロマンですよね。本物の武将、雑兵たちが陣取った400年後に、彼らの役を演じる人たちがまた同じ建物を往来してるんですもんね! 本物の官兵衛は、やっぱりそんなにイケメンではなかったのだろうか。

○「なにかあった?」どころか、まるで人が違ったかのように態度と表情が冷たくなった荒木村重。
 本来ならば、直接の上官になる秀吉の要求どおりに上月城の加勢に向かうべきなのでしょうが、その秀吉のさらに目上の信長の意向を意識して、かたくなに三木城攻撃に限定して支援するのみとヘソを曲げます。
 信長を恐れ、秀吉に屈折した対抗心を燃やす村重の苦悩が見てとれるやりとりなのですが、ただ単に最前線の上月城に行くというキツい仕事を引き受けたくなかっただけなのかも……?
 劇中で村重を演じる田中哲司さんは「信長の期待に応えられずに苦しむ真面目な家臣」といった一面を強調して演じているように見受けられますが、畿内地方の大混乱を腕っぷしと策謀で生き抜いてきて、「なんで信長にヘーコラしてあぶねぇ現場に行かされなきゃいけねーんだっつーの!」と不満タラタラに謀反の機会をうかがう悪役としての荒木村重像も、じゅうぶんに成立しそうな行動じゃありませんか?
 荒木村重、一筋縄ではいかぬくせもの! 『軍師官兵衛』の村重は魅力は確かにあるんだけど、全体的にクリーンでナイーヴすぎるんだよなぁ。『信長 KING OF ZIPANGU 』の明智マイケル光秀みたい。

●いや、別に信長が右大臣やら右近衛大将を辞職したからって、そんなにいろめきたつことはないと思うんですけどね……そこらへんの朝廷からもらう形式上の職名は、「在任しているか辞めているか」なんてホントにどーでもよくて、肝心なのは「拝命したかしてないか」なんですよね。要するにいったん「もらった」っていう経歴さえ手に入れられたのなら、後は早々に辞職したってキャリアになんの影響もないんです。だって、現職にいつまでもいたって、そもそもする仕事がねぇんだもの。まぁ、「幕府を運営する」っていう朝廷そっちのけのガチ実務がついてきてしまった征夷大将軍職は別でしょうけどね。だいたいこの征夷大将軍だって、「東北地方のエミシ族を征伐する」っていう本来の仕事はやってないわけです。
 信長は右近衛大将を「2年半」、右大臣を「半年」やりましたが、日本ではむしろ「辞めた後」のほうが権力が上になる傾向がありますよね。平安時代末期の「院政」とか、豊臣政権の「太閤(関白を辞職した人物の呼称)」とか、江戸幕府の「大御所」とか。現代企業の「社長」と「会長」の力関係だってそうでしょう?
 つまり、信長がいろんな名誉職を辞職した動機は、「ただの織田信長にもどりたい!」なんていうキャンディーズな気分じゃなくて、明らかに「それ以上の存在になりたい」という野望があったからこそだったに決まってるんですよ。

 っていうかさ、だ、か、ら! 信長はとっくの昔(3年前)に織田家の家督を嫡男の信忠くんに譲ってるじゃんか!! その(形ばっかだけど)織田家当主の信忠くんがいる目の前で、「会長(信長)、隠居しないでください!」「今は会長がいてくれないと困るんです!」とかって大声でわめくなっつーの、バカ家臣ども!! 本音はそうだったとしても、そこは言わないのが大人の配慮ってもんでしょーが!! 信忠くんが泣いたって知らないぞ! あ、ぜんぜん気にしてないね、信忠くん……そりゃあ織田政権も数年で崩壊するわな。

 あと、おまえ、そこの柴田チワワ勝家!! 言うにこと欠いて「上杉謙信が急死してくれたのはまことに運が良かった」だと!? ということは、もし謙信が生きてたら、その上洛を北陸方面軍司令官であるおまえは防げなかったということなんだな!? よしわかった、じゃあ、そんなに役に立たないおまえはその場で腹かっ切って死ね!! いままではかわいいから見のがしてたけど、その大失言は聞き捨てならんぞ~☆

○またしても、オープニングでノンクレジットというひどい扱いながらも、毛利 VS 羽柴の中国戦線には欠かせないキーパーソンとなる人物が初登場。
 その名は「宇喜多忠家」(知力70、統率力57)!! あの宇喜多「仮病でパイもみ」直家とは似ても似つかない実の弟。戦国でも指折りの苦労人ですよね……兄貴のせいで損な役回りばっかり任せられても、がんばれ忠家、負けるな忠家!!

●あれれ? 「三道並進」とかいうビッグマウスをのたまいつつも、上月城攻めの時点ですでに吉川元春・小早川隆景兄弟が合流しちゃってるんですが……三道じゃなかったの?
 だいたい、もうひとつの瀬戸内海ラインだって、別に織田勢についた島々を攻撃しながら進むわけでもないですしね。実質、山陽道のサポートがメインなんでしょ?
 う~ん、自軍にたいして詭弁を弄するようじゃあ、毛利勢のいきおいも知れたもんですな。

○今度は、井上九郎右衛門之房のスパイ大作戦キター!!
 なんなんですか、官兵衛ファミリーでは、「敵軍に潜入」のお仕事は持ちまわり制になってるんですか!? 活気と笑顔に満ちた職場です! 演技に自信のある方、陰謀に理解のある方、大歓迎!!

○お光の方と櫛橋左京進との今生の別れのシーン。よかったねぇ。やっぱり中谷さんの鼻の穴が気になったけど、時間をたっぷり使った名場面だったなぁ。


結論、「第17回がとてもたのしみです。」

 ノンクレジットで宇喜多忠家は出てきつつも、先週に引き続いて大々的な新武将の初登場はなかった今回。播磨国内の大混乱と、毛利軍の進撃の開始というシリアスムードを優先させたためか、おちゃらけ系の名キャラクターである小寺政職がめずらしくお休みするという重苦しいエピソードになったわけなのですが、こういう地味めな回だったのに視聴率はやや持ち直して上昇したようで(16.2%)。この調子で、初回を超えた「19% 台」までのぼってくれるとうれしいんだけどなぁ。それ以上になっても全然かまわないクオリティのドラマだと思うんですけどねぇ。

 それにしても、今年の明智みっちゃんこん、ほんっっっっとにエンジンかかるのおっそいよね!! 今のところ、視聴者向けの状況説明か「信長こえ~。」の顔リアクションしかしてないじゃないっすか……そんなもん、『できるかな』のゴン太くんのほうがもっとうまくやれるわ!! たとえが古すぎてまことにあいすみませぬ。

 大丈夫? 本能寺の変、ちゃんと起こせんのか!? お母さん、もうそれだけが心配よ!!
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