華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

 ” トルストイ民話集 ”  トルストイ 著

2005-06-18 00:13:12 | ★本
宗教性 道徳性に富んだ短編が12話 収められている
”イワンのばか”をはじめとして どの物語も子どもの頃に
お話として一度は聞いたことがあるような気がする物語ばかりである

どの話も平易な語り方で読みやすい
聖書の言葉は耳に馴染みがないけれど 物語の形で語られるとわかり易い
欲の深さは何のいいこともない とわかる
状況を変えて きっとわたしもそのような似た行動をしているのだろうと思う
傍観者として 他人の行動はその言動の善悪がよく見えるものなのだなぁと思う
物語の中で主人公の人生・因果応酬がさっさと語られてしまうと 
人の一生の時間って かくも短いものなのだなぁと思う
時は大切なものである と 時間にも思いがいく

”洗礼の子”より
・・彼がわが身を忘れて、心を浄めたときに、はじめて他人の心をも浄めることができた
・・彼が死を恐れなくなって、神のうちに自分の生活を見いだした時に、かたくなな心が折れた
・・彼の心が燃えだして、初めて他人の心に火を移したのであった

好きな二編は  ”愛のあるところに神あり ”  ”二老人 ”
凍えている人 力なく不自由している人へ  自分の出来ることで手伝う主人公
自分の持てる物を損や得や惜しむ気持ちは無く 衷心から他人を我が事のようにもてなす主人公
人間の善の心がよく見渡せる

わたしは丸ごと全部 善でありたいとは思わない
情けない部分のほうが大であるけれど  
ときには明確に少しでいいから  わたしの中にも善があると確信してみたくなった


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