華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

” 格闘する者に○ ”  三浦しをん 著

2005-06-15 21:49:55 | ★本
就職活動中の女子大生可南子が主人公  出版社 漫画雑誌の編集者が希望なのである
就職試験の会場で 筆記試験の記入の仕方を説明する出版社の担当試験官が言う
「カクトウするものに○をしてください」 
へ? 該当するものに丸をしてください・・の間違いジャン と主人公は思う

のほほんとした政治家の実父  毅然とした継母  頭脳優秀な弟
可南子が付き合っているのは 年齢60代後半の書道家西園寺さん
この西園寺さんとの交流が 川上弘美の【センセイの鞄】より好きだなぁと思う
物語は展開が早く 文章にスピードがあるので さっさと読ませる
漫画のような雰囲気でもある
ただ やはりこの作家らしく 情景描写の惹かれるところもちゃんとあった

    ****

私は新宿のビル群が好きだ。 あの無機質なようでいて繊細さを兼ね備えたビルたちが、
毅然と、しかし身を寄せ合って夕闇の中に浮かび上がり、真珠のような窓の明かりを
纏っているのを電車から眺めるとき、私はとても寂しい気分になる。

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