華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

映画  ” インファナル・アフェア ”

2005-05-05 14:56:48 | ★映画  
”インファナル・アフェア”をⅡⅠⅢの順番で観た  男の映画だなぁと思う
わたしは Ⅱ一本で十分惚れ惚れ 映画として堪能できる   

もう一度観たい映画Ⅱの評を抜粋してみる
刑事ヤンとマフィアの青年ラウがそれぞれ相手の組織に潜入する理由と経緯が解き明かされる
若き日のヤンとラウは 組織の思惑以前に 潜入せざるを得ない不幸な血縁関係と
報われぬ恋という宿命を抱えている   ふたりの苦悩は切なくて深い
彼らは ボスの座を巡るマフィア内の抗争 警察側の策謀 さらには夫を新しいボスの座にと
願う妻の思いが絡んだ 複雑で危うい勢力図の中にいる
駆け引きが生み出すすさまじい緊迫感 信頼と裏切りと復讐 皮肉な結末
ダブル潜入という秀逸なアイデアと 人物の造詣を掘り下げ 錯綜する人間関係と
そこからほとばしり出る心情によって作り出されるサスペンス 
だれもが最善の方策をとったつもりなのに 何もかもが悪い方へと転がっていく
ヤンの悲しみ 人間の業の深さを思うと やるせなさが募り 胸が痛む

脚本がすごいなぁと思う
香港映画の俳優って なんてカッコイイ男が多いのだろう
トニー・レオン  アンディ・ラウ  ショーン・ユー  エディソン・チャン
ほかに アンソニー・ウォン  レオン・ライ  チェン・ダオミン
立っているだけで存在感があり 男の清潔な色気がふんぷん
大人の男の役者が多い  
以前から 悪役は知的で美男で静的な雰囲気の男が似合うと思っていた
そのほうが絵になる  悪はゾクゾク絵になるほうがいい

それにしても平々凡々  変わりばえしない日々をありがたいと思う
凡庸たるや平凡の偉大さに徹せよ

  
 
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映画 ” エレニの旅 ”

2005-05-05 02:16:36 | ★映画  
ギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロスの作品 ”エレニの旅”を観てきた
この監督は”旅芸人の記録”を観て以来のファン   ”永遠と一日”も良い映画だった
3時間弱の上映時間  叙事詩的映像  長回しのカメラ  寡黙な映画である
ドラマチックな場面でもBGMはなく 登場人物が楽器を奏でた時に音楽が現われる

”エレニの旅”は1919年から1949年にいたるギリシャ人孤児エレニの物語である
時代に翻弄されて不運な生を生きる女性の物語である
難民として帰国してきたギリシャ人達が大きな川沿いに村を作る
(スタッフが2年かけて そこへ実際に当時の村を作っての撮影という)
スピロス一家の養女として育てられ スピロスに結婚を迫られ 一家の息子アレクシスと逃げる
音楽家ニコスに助けられて生きていくがスピロスが追って来る  内戦に巻き込まれる
いつまでも心細く不安な日々ばかり続いていく  笑顔の場面も食事をする場面もなかった
舟で村へ帰って来る黒い旗を揚げた葬式のシーンの黒い美しさ
期待で逃れて来た白布が風にはためく丘  後半ニコスの血でよごれる白布
アメリカへ発つアレクシスとエレニをつなぐ赤い毛糸の色

内戦に巻き込まれる国  そういう時代の中で生きる貧しい人々
アレクシスと子どもを拠り所として生きながらも 流転の難民のようにいつも落ち着けない
そういう中で楽器を奏でる登場人物たちの音楽は とてもあたたかく和む
アレクシスの奏でる哀愁のアコーデオンの音色   廃屋で人々が踊る陽気な音楽
人生に音楽のあることがこんなにも救いかとしみじみ思う

人が過酷な時代を必死に生きている誠実さが映像美となっている映画である
コメント (1)
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