華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

芝居 ” コーカサスの白墨の輪 ”

2005-02-20 00:26:00 | ★芝居
串田和美の演出は”セツァンの善人””幽霊はここにいる”以来のファン
”コーカサスの白墨の輪”も 楽しんで芝居を作っているように見えた

観たいお客も演じる役者も混然となり 「始めるョ~」という まるで
野原に引いた線上から 芝居が立ち上がっていくようだった
観客が舞台を見下ろす形状の今回の芝居は まさに野ッ原の雰囲気 

開演前の何にもない床にパンフレットの売り子がいる
そのまわりでストレッチをする人がいる  木箱を運んでくる人がいる 
誰が役者か わからないうちに物語が始まる 
皆が持っていた一本の棒が 床に大きく丸く置かれた時 そこが舞台
役者は自分の出じゃない時は 円陣の周りに座って物語を観ている
 
照明器具の天井を指して「空がきれいだァ」と言うとそこに空がある
川にそっと足先を入れる  壊れそうな橋を渡る  雪の山道を行く  
役者のセリフ 動きで ありありとその景色が見える
場面ごとに楽器を奏で 帽子を被り 上着を代えて一人何役もこなす
歌ったり 演じたり 効果音の係にもなる
棒が道や家や剣にもなり そのとき床の上は様々なものを見せてくれる

松たか子の玲瓏とした声 口跡 体中で表現するメリハリのある喜怒哀楽 
谷原章介の身ごなしの清潔さ   毬谷友子のしなやかなきれいな動き 
串田和美の飄々としたあったかさ
拙い日本語を話す外国人俳優たちの存在は 物語の雰囲気を混沌とさせ
よき膨らみをかもすように思う

ひとつの芝居のために 数ヶ月前から用意していく
人が集い 語り 動いて 衝突もし だんだん芝居が出来ていく
まして 串田和美の演出だもの  楽しいだろうなぁと思う
白墨で描いた輪は 人の和でもある

休憩タイムのグルジア・赤ワインと おいしいチーズ
二幕目の青空裁判場面には お客さんたちも一緒に舞台に座っている
終幕のダンス場面では 役者と観客が十重二十重の輪で踊っていた

お客は十分楽しかったです
コメント (2)
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