華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

映画 ” オペラ座の怪人 ”

2005-02-05 02:15:47 | ★映画  
あまり粗筋を知らず 楽しみにして観に行って来た  オープニングの廃屋の情景が一気に彩色されていく鮮やかさ!  舞台の幕が上がっていく高揚感を味わえた  なんて大勢の登場人物たち  カメラが映していく一瞬の場面の隅々にまで役者の予定された動きがある  開幕前の舞台裏の喧騒 猥雑 活力・・・  そして華やかな祝祭の雰囲気!  映画ならではの仕掛けの大きさが目と心を惹きつける  配役も舞台セットも惜しみなく大きく用意すると このように人の生きる片鱗を感じさせる厚みのある物語が出来るのだと思う

清く善人のヒーロー&ヒロイン そしてファントム
ヒロインがファントムの仮面をはずして後 縷々と不遇をかこつファントムへ「あなたの顔が醜いのではない  あなたのその心が醜いのだわ」と言う  深い深い孤独のうちに地下で生きざるをえない境遇の者は 清く可憐なヒロインに憧れるのは当然と思う
そうだった ファントムはわたし  凍結していた心を目覚めさせてしまった 
再三再四 他人へも事へも思いが空振りばかりだと自分の行く方向はこのように定められているのかと斜にも構えたくなる  
ヒロインとファントムの心が通い合った瞬間の美しさ! 我がことのように心が震え涙だってこぼれる  深い孤独を知っている者は熱いのだ!  ヒロインが惹かれて当然のこと  それなのに孤独者の行かざるを得ない道からそぐわないことを望むから 見よ より深く漆黒の闇へと落ちて行くことになる

やっと如月の月が始まったばかりだと言うのに こんな物語に触れたばっかりに わたしは自分のパンドラの箱を開けてしまった  悔いと混沌と嘆息だらけのこの箱  始まったばかりのこの年をまたこの箱の中を見つめて行かざるを得ないのかと思うと体が地に引き込まれそうな気がする
コメント (3)
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