代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

真田丸 第17回「再会」感想

2016年05月01日 | 真田戦記 その深層
 いやー、すっかり製作者サイドの術中にはまって、騙されていました。前回、片桐且元が本当にすまなそうな顔をして、「殿下が家康に真田攻めの許可を与えた」と言い、信繁が血相を変えて止めようと必死になっていたことから、本当に秀吉は家康の真田攻めを支援する決断をしたのだと思い込んでしまいました。あの片桐且元のすまなそうな顔を見たら騙されますよね~。

 いったい、どうやって秀吉や家康に真田攻めを翻意させるのだろう・・・・。信繁が大坂城で何か工作をするのか、はたまた昌幸や信伊が何か仕掛けるのか、はたまた旭姫が何か鍵を握っているのでは・・・・などとあれやこれやと妄想していました。
 何のことはない、端から秀吉は真田を滅ぼすつもりはなく、家康に中止を命じるつもりだったというオチでした。
  
 若い主人公が、老獪な秀吉にすっかり翻弄されて、騙されていたというわけでした。秀吉や三成の方が、まだまだ信繁よりも一枚も二枚も上手だったわけですね。主人公が若気の至りでズッコケたりして、等身大に描いているところ、良いドラマだと思います。小日向さんの秀吉がはまり役だと話題になっていますが、本当に良い味を出しています。

 若干物足りないと思うのは、加藤清正と福島正則が、ステレオタイプなイメージに描かれているところかも。もちろん、あれはあれで良い味を出してはいますが、本当の清正は、あのような激情的な人物ではなかったと思うのです。
 熊本地震で、加藤清正が築いた石垣は崩れていないのに、江戸時代など後世に築いた部分が崩れていることが話題になっています。清正の築城術、治水技術、新田開発などの業績は本当に驚嘆するものです。清正の実像はおそらく、すごく合理的で理系的な頭脳を持った人物だったと思います。現代の政治家でいえば、「コンピューター付きブルドーザー」の異名を持った田中角栄でしょうか。
 
 お松姉さんとの再会は本当によかったです。記憶を失っているようですが、一体どうやって記憶を取り戻すのか、また小山田茂誠とどのような再会を果たすのか、楽しみです。
 お松姉さんの行方不明物語の元ネタも『加沢記』です。
 『加沢記』のストーリーは概略、以下のような感じです。織田家に人質になったまま行方不明になっていた村松殿(お松姉さん)は、伊勢の桑名で生きていて、偶然、昌幸が上洛した折に、真田の郎党が桑名の渡しでお松姉さんと遭遇。
 その郎党は、お松姉さんの顔を知らず、まさかそれが昌幸の娘とは思わなかったみたい。松が「私の父は上田にいて名前を喜兵衛と言います」と言って、手紙を渡したとのこと。その手紙を預かった者は、上田に帰って喜兵衛という名前を探し回ったとのこと。結果、「上田城下で喜兵衛という名前は殿しかいない!」という話になって、昌幸に報告、それで感動の親子再会に至ったということでした。



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