代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

大河「真田丸」に関白秀次の娘は登場するのか?

2014年11月03日 | 真田戦記 その深層
 昨晩(2014年11月2日)の大河ドラマ「軍師官兵衛」。関白秀次が切腹、その側室および子供たち一同も斬首という凄惨な事件の回であった。大河「真田丸」応援キャンペーンに絡めて、この事件の裏話を一つ。

 全員斬首されたはずの秀次の子供たちであるが、なぜか秀次の正室(継室?)の娘が二人生き残って、そのうちの一人は後に真田信繁(幸村)の側室になったと言われている。信繁の側室の隆清院がそれである。

 しかし「真田太平記」他、真田幸村が登場するドラマや小説で、この関白秀次の娘が登場するものを私は知らない。ドラマでは幸村と秀次の娘は描かれたことがないようである。

 秀吉による秀次一族の皆殺し政策の中にあって、なぜ隆清院は生き残ることができたのか? 
 どのような経緯で、隆清院は真田信繁の側室になったのか?

 まったく謎なのである。

 隆清院の母は、秀次の正室(継室?)の菊亭晴季の娘の一の台と言われている。一の台は処刑され、菊亭晴季も秀次事件に連座して流罪になる中、一の台の娘がどうして追求を逃れて無事にいることができたのか興味は尽きない。発覚すれば自身にとっても不都合であろうに、罪人・秀次の娘をかくまったという史実は、真田信繁の人間性を物語る重要なエピソードであるように思える。秀次の娘をドラマに登場させると格段に面白くなるだろう。
 史実の詳細が謎であるだけに、創作の余地も大きく、脚本家としては腕の見せ所であろう。

 はたして三谷幸喜さんは、秀次の娘を信繁の側室として大河ドラマに登場させるだろうか?NHK的には、側室を劇中に登場させたがらないかも知れないが、登場させて欲しいと思う。


 ちなみに、隆清院が唯一登場する真田モノとしては、十勇士以外は非常に史実に忠実に描かれているアニメの「新釈 眞田十勇士」がある。このアニメでは、粛清の中を生き残った隆清院が、父の秀次終焉の地である高野山を参拝したいと男装してやってきて、そのまま九度山に蟄居中の真田幸村の屋敷に居座って側室になるという設定になっている。

 どのような縁でそうなったのか。幸村の母である昌幸正室の山之手殿が菊亭晴季の娘という説がある。それが事実とすれば、幸村と隆清院はいとこ同士ということになる。

 もっとも、摂家に次ぐ家柄である菊亭晴季の娘が、武田信玄の家臣でしかない真田昌幸(当時は武藤喜兵衛)に嫁ぐことはあり得ないとも言われており、山之手殿が菊亭家の出という説は疑問視されている。

 山之手殿は宇多頼忠の娘という説もある。その場合、石田三成の妻も宇多頼忠の娘であることから、昌幸と三成は相婿ということになる。
 果たして大河ドラマではどの説を採用するのだろうか? この辺も興味深い。


 「軍師官兵衛」石田三成は悪役として描かれているが、「真田丸」で三谷さんは三成をどのように描くのであろうか。豊臣秀次は、石田三成に陥れられたという説を採用すると、その秀次の娘をかくまった真田信繁と石田三成の関係も微妙になってきてしまい、どう整合性を図るのかも興味深い。

 ちなみに、「軍師官兵衛」では、秀頼は豊臣秀吉の実子ではないかも知れないという説を匂わせている。クレームが付かないよう、史実を曲げたと言われない範囲で、淀君の目に語らせる形で、視聴者に「もしかしたら・・・・」と想像させる演出になっている。NHKとしてはこれがぎりぎりの線なのだろうが、なかなか思い切った演出である。よくやったと思う。

  
 

  

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