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バーキン片手に靖國神社

大曲花火大会~「秋田讃歌」

2014-08-26 | お出かけ

どっこい一回では終わらない大曲花火大会報告。
当日わたしは始まる前にお弁当を食べ終わり、
カメラの設定をすませて本番を迎え、始まったらほとんど
飲まず食わずでファインダーとモニターを覗きながら、そして、
実際にこの目で花火を見るのに忙しくあっという間に終わってしまいました。


そして、後半になればなるほどシャッターハイになってきて
アドレナリン出っぱなしの状態でした。
ただ見るのも勿論楽しいですが、写真を撮っていた人はおそらく
皆わたしと同じような興奮を感じていたことと思います。



帰りの大曲駅で見かけたいわゆる「撮り鉄」たち。
近くで世界的な花火大会が行われていたのにもかかわらず
こちらにはまったく興味を示さず、電車だけを撮りにきております。

電車を撮るために子供を恫喝したり桜の木を切ったり、
とにかく写真を撮るためにならどんなことでもやってのける集団として
最近何かと評判が悪い撮り鉄さん。

しかし一度だけのシャッターチャンスを逃すまいとカメラを構えたとき、
なぜか伴う重度の強迫観念
人をして非常識な言動にも駆り立て得る、
というこの現象に関しては、撮り直しや練習のできない
花火や、
自衛隊イベントの写真を撮った経験が一度でもある者には
理解できなくもありません。

共感はしませんが。 






このあたりになってくると、シャッターを開ける時間を微妙にずらし、
プログラムの合間に効果を確かめる余裕すら出てきました。
こうなってくるともう強迫観念というよりはむしろ陶酔の域です。

のんびり寝転んで好き勝手いいながら空を眺める、
などという本来の花火を観る楽しみとは全くかけ離れてはいますが。



くまさんの形。

本来「花火は丸いもの」でした。
丸くない花火を採用することによって「創造花火」の緒を作った
有名な花火師の佐藤勲氏がこういう流れを編み出したのは
ひとえに「いままでの通例に対する反抗心」であったとか。

「創造花火」は大曲の花火大会を通して初めて生まれたものであり、
この言葉は大会の代名詞でもあります。

そんな創造花火の技の一つがこの「型物」。
この会社は、
「動物いっぱいの森へ」というタイトルでいろんな動物を登場させました。



パンダ。



アヒル。



牛。



ぶた。
こうやって写真に撮るとわりとしょうもない(失礼)感じですが、
実際に浮かび上がる型物を見るのは本当に楽しく、
観客はおおいに湧いていました。

しかしこういうプログラムが優勝できるかというと、
・・・・・できなかったみたいですね。



この日の最も大きなプログラムは大会提供花火といって、
協議に出演した業者からいろんな「目玉花火」を提供してもらい、
ひとつの大きな作品にちりばめるという趣向です。
この日のテーマは「ボレロ」でした。


(1分20秒からどうぞ)
このときの写真もいくつかありますが、後半になると花火が派手すぎて
写真を撮っても全く訳が分からないものになってしまいます。

わたしもボレロは後半写真を撮ることをあきらめ、
その分自分の目でしっかりと観ることができました。







おそらくシャッターを押すときのブレだと思うのですが、

ちょっと面白いので。



ここからはフィナーレに上がった10号割物の30連発から、

綺麗に撮れたものを。














去年もありましたが、陰影を付けるように

右半分が濃い色になっている玉があります。
よく見るとグラデーションになっていて、
実に良く考えられているものだと思います。













ピースマークが花と一緒に何度も登場したプログラム。

目がつり目の「エイジアンピースマーク」です(笑)



これもよく見ると右下にピースマークが。




さて、というわけで花火終了。

わたしたちのグループは、主催者がずっと片手で掲げるランプを
目印に着いて行きます。
ところで、この日参加したのは総勢9人の団体。
初対面の方が多かったのですが、皆さんと挨拶をし、世間話などをしているうちに、
そのうちの一人である某輸入食品会社の方が

ある海軍中将の孫

であることが判明しました。
誰でも知っているという名前ではありませんが、大隅人事について
調べたことのあるわたしには十分覚えのあるその名前。
それを聞いたとたんわたしが激しく反応したのでその方も驚き、

「女の方でそこまでご存知だとは驚きですなあ。
僕鳥肌が立ってしまいましたよ」

と言われてしまいました。
残念ながら花火大会の間はお話も叶わず、
そもそもその海軍中将個人については、米国駐在武官であった、
ということくらいしか知識がなかったので特に話が弾んだ
というほどではありませんでしたが、そのとき

「秋山真之中将も米国駐在武官でしたね」

というと、

「ああ、よく秋山さんの話はしてましたな」

とおっしゃっていました。
そのうちお話をうかがえる機会があればいいですが。



新幹線の時間待ちをするために立ち寄った花火センター。

ここに大会のポスターが貼ってありましたが、
この写真と比べてもわたしが撮ったのは悪くないと思いません?

素人のわたしより優れている点はシャッタースピードが気持ち長いため、
先がすこし枝垂れていて違う色が出現していることです。



花火の玉が飾ってあります。

これらを筒に詰めて打ち上げるわけです。



20号玉の断面図。

これがはじけると円になり、層ができるわけですね。
この火薬の玉をどう並べるかが創造のしどころです。
赤い紐は導火線でしょう。




待っている間、大曲名物「ババヘラアイス」を主催者さんが買ってきてくれたので
皆でお茶を飲みながら頂きました。

ババヘラとは「ババがヘラで盛りつけてくれるアイス」の意。
名付け親は大曲の高校生だそうです。
ババの腕とか気分とかで形がおおいに変わるそうですが、
基本的には薔薇の形になるように盛りつけるとか。

シャーベットなのであっという間に溶けてきます。
3分以内に食べられなければ負け。なアイス。

ちなみに味ですが、美味しいかとかまずいとか、そういう評価を
あえてするべきではない、とわたしは思いました。



この日の臨時増発にはこんな名前がついています。




こちらは奥羽本線、男鹿線の臨時列車。



ところで、2年前のこの大曲花火のエントリで

「舞い上がれーおおまがりー」

という歌をわたしがいっぺん聞いて覚えてしまった、
という話を
したことがありますが、これは大曲花火大会のテーマソングで、
津雲優という秋田出身のシンガーソングライターが作曲したものでした。

この津雲さんは、なんと2年前に60歳でお亡くなりになったそうです。
2年前の花火大会のときにはまだご健在だったようですが。


この曲と「秋田県民歌」を盛り込んだ「いざないの街」は
花火のフィナーレにも使われていたということも分かったのですが、
この「秋田県民歌」が、いいんですよ。

わたしはババヘラアイスのところで売っているのを見つけ、

この「秋田讃歌II」というCDを思わず買ってしまいました(笑)


ちょっと古めかしい感じがするけど格調高いメロディは一体誰が?
と調べたところ、なんと作曲者は成田為三。


「浜辺の歌」「赤い鳥ことり」「かなりや」

などを作曲した大御所が、昭和5年に作ったものだと知りました。
秋田県民は制定以来この曲を愛唱していて、現在でも
カラオケで歌ったりする秋田出身者は少なくないという話です。
(ソースは秋田在住の主宰者)


メロディに負けず劣らず

「見渡す廣野は渺茫霞み」
「久遠に輝く北斗と高く」


などという歌詞も格調高く、3番には戊辰戦争なども盛り込まれ
実に盛りだくさんな県民歌です。

最後には大曲の花火も登場する、
観光案内の映像とともに一度聴いてみて下さい。






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5 Comments

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壮大な歌ですね (佳太郎)
2014-08-26 23:29:49
色々と盛りだくさんでかつ壮大な県民歌ですね、
小学生が合唱しているのもいい感じです。
それに比べうちの県民歌のなんとものんびりしたものか…
https://www.youtube.com/watch?v=-_OVs_J1HoA
三番が最近では物騒な感じですね…
まあこれがなじみ深いかと言いますとそうでもないんですね。むしろこっちの方がなじみ深いんですね…
https://www.youtube.com/watch?v=QAHWOzhSsi4
たぶん大半の県民は中学校でやっていたと思います。県民体操を学校で教えるのは珍しいようです。
各地の県民歌を調べるのも面白そうですね。
返信する
いろいろと (エリス中尉)
2014-08-27 09:10:58
突っ込みどころが・・。
「原子の力」ですか・・・。確かにまずいですね。
原発反対派が血相変えて怒鳴り込んできそうです。
原子力行政のハシリのころに作られたんでしょうね。

それより県民体操!
いやーこれ、笑わせてもらいました。
何が、って当時の最先端(クラシック業界的に)の実験的な和音を採用していて
無駄に実験的な響きに作曲者の意欲と野心みたいなのがみえるあたりが・・。
中学入学後1ヶ月はこの特訓をするのが茨城県民のさだめであったという話もいいですね^^。

わたしは神戸出身なのですが、兵庫県民歌なるものは知りませんでした。
そこで調べたところ・・・

https://www.youtube.com/watch?v=a8KCjOWMYFE

えー、フォークソングブームの頃の作曲ですか?
歌っているのは・・・・か、紙ふうせん?

兵庫県民歌は「六甲おろし」でいいんじゃないか、と思いました。大御所(古関裕而)の作曲だし。
返信する
ほかにも (エリス中尉)
2014-08-27 14:23:52
ついでに見つけてきました。https://www.youtube.com/watch?v=ty5Uqw_Axhg

「おおお、埼玉。さいたま~」が何とも言えません。

茨城県民の歌は、ミクさんの歌の方がいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=72ppwX1yTao&list=PLBE3E510D09129029

20年前のアイドル歌謡風、鹿児島県民の歌。https://www.youtube.com/watch?v=Xr-yp4xv3D8

「文化のかーおーりー文化のかーおーりー」で脱力間違いなし京都府民の歌。https://www.youtube.com/watch?v=Z6KVtUtycVI

やっぱり秋田県民歌圧勝・・・?
返信する
その他にも (Coral)
2014-08-27 18:49:12
エリス中尉

存在していても何の不思議のないことですが、この度初めて世の中に県民歌なるものが
存在することを知りました、感謝です。

紹介されている県民歌全て聞いてみました。
どこぞの校歌風なもの、フォークソング風なもの夫々県名を変えればどこの県民歌にもなりそうに思えました。

格調の高さについて秋田県民歌にあまり異存はありませんが、反面歌うには歌詞が難しすぎませんか、
ということと歌詞の初めの部分(下記)が少々気になりました。

秀麗無比なる鳥海山よ・・・鳥海山は秋田、山形両県に跨ってはいますが頂上部分は山形県
神秘の十和田・・・こちらも秋田、青森両県に跨っていますが観光の主要部は青森県

ならばと両県民歌を聞いてみました。夫々アプローチが異なりますが中々のものと感じました。

青森県民歌
 青い森のメッセージ
  タイトルから感じる爽やかな印象です。
  https://www.youtube.com/watch?v=TmhcpN2CwTU
   作詞 山内美空  補作詞 伊藤アキラ
   作曲 鈴木キサブロー
   音楽総合プロデューサー 服部克久

山形県民歌
 最上川        http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/03/about_yamagata/song.html
  作詞者を知れば威儀を正して・・・
   詞 昭和天皇御製
   作曲 島崎赤太郎

  こういうのも見つかりました
  https://www.youtube.com/watch?v=17J-2aWswz8   
返信する
どちらもいいですね。 (エリス中尉)
2014-08-27 20:40:08
「いい」の方向が全く違うわけですが(笑)
まず青森県民歌、良い曲です!
服部克久のプロデュースと聴けばなるほど、と思います。
ただ、これおそらくモダンすぎてお年寄りには歌えないのでは・・・。
秋田県民歌と違う意味で万人向きではないというか。

山形県のはすごいですね。
もしかしたら今回上がったいくつかの歌の中で総合ベストかもしれません。
それにしても歌っている自民党の議員がうますぎる・・・。
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