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装備展示を見にいく〜平成30年度 自衛隊記念日 観閲式総合予行

2018-10-10 | 自衛隊

平成30年度観閲式の予行が行われる朝霞訓練場に、開始の3時間前に入場しました。

ところで入場を待つ間、門の外に並んでいると、整理係の自衛官がやってきて、

「もう少し詰めてお座りください」

などと指導していくのですが、その時点ではまだ朝も早く、
ただでさえぼーっとしている頭がさらにぼーっとしていたので、
彼らの制服を見て、

「空自の自衛官が応援で来ているんだな」

と思ったわたしをどうぞ笑ってやってください。

だってまだ一向にこのニューユニフォームに目が慣れてないんだもん!

会場で大量の陸自隊員を見るうち、徐々に納得しましたが、
それでもはっきり言って遠くから見ると空自と見分けつかないんだよ。

陸自の制服には文句ばっかり言ってるようですが(じゃなくて実際言ってますが)
お断りしておくと、この制服そのものは大変評価しているのです。
色も今回間近で見ると、文字通りの紫紺で、
華やかな色合いが大変センスを感じましたし。

ただなあ・・・・アメリカ軍のアーミーブルーのように、
上下色を変えるとか、陸軍らしい赤をあしらうとか、
もう少しやりようがあったんじゃないかと思うわけです。

この写真の手前に立ってる自衛官なんか、遠目に昔の警察官ですよ。

なんかギリギリのところで壁を越すことができない、
日本人の洋服のセンスの限界を見るような気がします。

年配の人が着ると妙に地味になってしまうし(まだ言ってる)

さて、式場に訓示台が運び込まれました。

ちょうどその頃、スタンド後方を歩く米陸軍の皆さん発見。
はて、今回は米軍の行進参加はなかったと思うけど・・。

さらに遠方では、体操を行うこざっぱりとした一団あり。
気持ち全員スマートで脚が長いところをみると第302警務中隊かな?

と思ったらその通りでした。

こちらは喇叭隊の皆さんが到着したところ。
車の移動にも楽器を持ったまま乗るんですね。

いかなる時にも喇叭を離さないのは木口上等兵以来の伝統です。

スタンド後方には各地から人員や資材を運んで来た車、
通信関係の車両などがぎっしりと停められています。

観閲式が終わった途端、ここは来年の東京オリンピックに向けて
関連資材が運び込まれることになります。

 

さて、開始時間まで3時間もあるので、交代で装備展示を見ることにしました。

装備展示の会場に行くには、スタンドの後ろをずっと歩いて、
会場になっている部分を横切って反対側まで行く必要があります。

道が狭いのでこれからやってくる人たちと一列縦隊ですれ違うのですが、
この時に遭遇したのが新潟地本コシヒカリの精まもる君でした。

カメラを構えると敬礼をしてくれたまもる君の額に不審な影があるのに気づき、
アップにしてみますと・・。

なるほど、ここから中の人が外を見ているわけか。

昔某地本の本部長だった方から聞いた話によると、地本キャラには基本的に

「頭だけキャラ」

「全身着ぐるみキャラ」

があって、例えばトウチくんは着ぐるみキャラ、まもる君たちは頭キャラ。

どちらも所有している地本は、大掛かりな広報やテレビ取材など、
ここ一番!
の時、着ぐるみキャラを投入し任務遂行に当たるそうです。

着ぐるみは運ぶのにマイクロバスが必要(普通の車に乗らない?)なので、
どちらのキャラもいる場合、普段は頭キャラを機動運用する作戦を取っている、
という内部情報でした。

例えば千葉地本は頭キャラだけなので、運用に際して非常にフットワークが軽い、
と言うこともできます。でって言う。

 



向かいの展示場に行くには、観閲行進を行う戦車や装備の間を通ります。
近づけないように自衛官がこの手前にも見えている黄色いロープを
ずっと持ったまま立っている前を歩いて行くと、この光景。

10式と90式戦車が一山10円状態で並んでいる状態は見ものです。

89式装甲戦闘車、FVも縦列駐車で。

装輪車は車どめが要りますが、履帯車は勝手に動き出したりしないのね。

96式装輪装甲車

最近、ようやく陸自の装備をネットと首っぴきしなくても
だいたい間違えずに言えるようになりました。

そんな自分を褒めてやりたい。

日頃は滑走路である会場を横断したところにはゲートがありますが、
ここにも警備犬班発見!

ハンドラーの後ろ姿が似ているのでさっきの二人かな?と思ったのですが、
ジャーマンシェパードの色が違いました。

でも、この警備犬もハンドラーにもたれかかるようにして
お座りしているのは同じ(≧∀≦)

うーん、かわええのお・・・。

しょっちゅう犬の頭や首筋を撫でてやるのも同じ。

あ、写真撮ってるのに気づかれちゃった。

 

ところで、ブログに自衛官の写真を掲載するにあたって、
基本任務中、特に行進の写真ではマスクなしを基準としておりますが、
もし当ブログ掲載の写真に写っており、さらに

「顔出しは困る」

という方、コメント欄でご連絡くだされば迅速に処理します。

以上業務連絡でした。

あっ、かけるくんが移動してきている。
それにしてもこのかけるくん、あまりにもナチュラルな存在感なので
中に人が入ってる気が全然しません。(感想には個人差があります)

始まる前なので装備展示場はガラガラです。
本番に行かれる方も、早く着いたら先に展示を見ることをお勧めします。

展示順に行くと一番はじめに出てくるのは74式。

「総火演にも今年は遂に出ませんでしたね」

「徐々に引退していっています」

「それでは今日の車両行進も・・」

「やりません」

まあ、最後の姿を見せてくれているということなのでしょう。
わたしは確認しませんでしたが、この車両は1993年に改造された

74G

といい、車体の後方銘板には

「74式戦車(改修)」その下に「形式 74(改)」

と表記されているのだそうです。

この時の改装は非常に良好で、性能も大きく向上したのですが、やはりここでも

ご予算の関係

というまほうの言葉がその生産を阻み、結局量産は4台に留まり、
その4台が主に総火演に投入されていたという話を聞きました。

こちら最新鋭の、といっても装備化されてもう8年、10戦車。
前々回の展示では人が周りにたかっていたものですが。

90式戦車の正面顔。

註(最初10戦車とか書いていたんですが、コメントでうろうろする人にご指摘を受け
訂正させていただきます。まだまだ自分を褒めてる場合じゃなかったっす)

水陸機動団に全面フォーカスしていることを考えると、もしかしたら
今後新型戦車の導入はしばらくないかもしれません。

ただ、

「作るでしょ。戦車って男のロマンみたいなものだから」
(by男)

ロマンかー。ロマンね。
だから今後もほとぼりが冷めた頃にまた「男のロマン発動」する?
(あーロマンがゲシュタルト崩壊した)

まあ、それを許す程度に日本が平和であってほしいと祈るばかりです。

ちゃんとワイパーがついている96式装輪装甲車の窓。

朝の空いている時間でも人が集まっていたのがまずここでした。

AAV7水陸両用車

アサルト・アンフィビアス・ヴィークル7と名前もそのまんまです。
ところでWikipediaのAAV7の写真は、今回の観閲式のものです。
4日にも予行はあったそうですが、早々に写真を差し替えた人がいますね。

渡米直前に見学に行ったイギリス海軍「アルビオン」で搭載されていた
水陸両用車BvS10を見ましたが、小さい車両を数珠繋ぎにして、
この「大きな船型」とはずいぶん思想が違うものだなと感じました。

ちなみに日本ではこれは船舶ではなく、船舶法の対象外ということになったようです。
これを操縦するのに小型船舶の操縦免許を取る必要はないってことですね。

チュータこと中距離多目的誘導弾は、知る人ぞ知る優秀な装備なんだそうです。
この装備には「何年式」という制度採用年が冠されていません。

Wikiには

「制式化ではなく部隊使用承認の形で採用されているため、
○○式という名称は付けられていない」

とありますが、これには深慮が働いていて、制式年度を付すと
改装するときなどにいちいち手続きがややこしいから?
つまりバンバン魔改造していくつもり満点のネーミングなんだとか。

陸自内でも実はチュータ、

「あれはチート」

と言われているという話も小耳に挟みましたが、
何がどうチートなのかまでは詳しくは聞けませんでした。

撃つだけ撃ったらさっさと逃げられるからかな。

今年は前回のように「塹壕まつり」は開催されてませんでしたが、
(きっと前回片付けが大変で懲りたんだと思う)
さすが皆様の自衛隊、見学者に泥を踏ませまいとマットまで敷いてます。

総火演ではクルクル回るちょんまげアンテナでおなじみ、

87式自走高射機関砲

砲塔の両側の機関砲は2基シンクロに動きます。

 

ここには制服の試着体験コーナーもあり、朝も早くから
新制服のお子様バージョンの初試着(多分そうですよね)を
しに来ている熱心な親子の姿がありました、

咆哮する10式戦車をバックに写真を撮ってもらえますが、
子供が着るとさらに国際線パイロット感が漂う陸自の新制服・・・。

(え?しつこい?もう決まったのにいちいち文句言うな?)

早速敬礼でポーズを取るわきまえたお子さんですが、
すかさず本職から、

「敬礼は右手でね!」

とポーズ指導が入ります。

お子様のごっこ撮影にも正確さを追求し、間違いを決してスルーしない。
この自衛官の熱心さを

(゜゜ゝゝ(。・ω・)ゞ( ̄^ ̄ゞ(`・ω・´)ゞ(゜◇゜)ゞ

こんな顔文字を使って憚らない人たちにぜひ見習ってほしいものです。

素直に敬礼をやり直すお子様。

ところで、迷彩服の試着するコーナーを予定していたところ、

「市民に不安を与える」

と共産党が騒いでイベントそのものを中止させた件がありましたが、
ここ朝霞では、そんな基地の人(あ、駐屯地か)を想定した
余計な忖度など図らず、今まで通り迷彩服を試着させていたことを願います。

 

 

続く。

 

 

 



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3 Comments

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似てる。けど (うろうろする人)
2018-10-10 20:43:20
戦車の車体迷彩塗装に見事惑わされましたか?74式の次の画像の戦車は「90式」ですよ。次は10戦車即ち「10式」です。確かに真正面からの「顔つき」では「10式」も割りにカクカクしてはいるのですがね(^^)。主砲の防盾形状の違いに注目ですよ。
返信する
限界? (Unknown)
2018-10-11 05:02:05
戦車はある意味、限界に来ているのかもしれません。

絶滅危惧種の74式は後の90式や10式と違って、丸みを帯びた形状(砲塔)ですが、この当時は当たった弾を丸みに沿って受け流すことにより、乗員を守るコンセプトでしたが、その後、弾の技術革新で対戦車りゅう弾(HEAT)が登場して、一枚板の装甲では抜かれてしまうようになってしまいました。

それまでの弾は高速で飛ぶ運動エネルギーで装甲を貫いていましたが、HEATはマヨネーズのチューブを思いっ切り抑えると勢いよく中身が飛び出すのを火薬で実現したもので、音速の8倍くらいのジェットが発生するので、一枚板の装甲では抜かれてしまいます。

そこで登場したのが90式や10式のように装甲を二重にし、中空の空間を設ける、四角い戦車です。HEAT弾が浸透したので、現代の戦車は日本もアメリカも戦車王国ドイツもみんな似たり寄ったりの格好になってしまい、個人的には残念な形だと思います(笑)

砲もドンドン大きくなり、74式の105ミリに対して、90式や10式は120ミリですが、道路の幅や橋を渡ることを考えるとむやみに重く大きな戦車は作れないので、これ以上大口径の砲は積めないのではないかと思います。

砲弾の破壊力は、HEAT弾は別にして、基本的には火薬により得られる初速(高校の物理で習う1/2 mv2(二乗)です)に大きく依存しますが、これもそろそろ限界に来ており、火薬を使う限り、これ以上速い(=破壊力が大きい)弾は技術的に難しそうです。

次に考えられるのはフレミングの左手の法則(電磁誘導)で金属片を加速して発射するレールガン(鉄道のレールのように二本のレールに沿って金属片を加速する)で、現在、主として艦載砲での実用化を目指して開発が進められていますが、撃つには落雷くらいの大電力が必要なので、大きな発電機を積める船には積めますが、小さな戦車では実現可否はまだ?です。

確かに戦車の開発は「ロマン」ではありますが、新しい防衛装備の開発を推進するのは、基本的には技術革新なので、新しいネタには困っていると思います。
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戦車の装甲について (エリス中尉)
2018-10-12 19:42:21
その時々の思想で戦車のデザインは決まって行くんですね。
伊達や酔狂であの形になっているんじゃなかったのか(特に74型)
そう言えばシャーマン戦車も全体的に丸みがありましたが、同じことだったんですね。

戦車の開発については例えば革新的な電気を生み出すシステムが開発されれば
またそれから派生したアイデアに沿って男のロマンが(笑)発動するんじゃないでしょうか。
人類はおそらくその最後の日まで立ち止まることなく科学を進歩させていくはずですから。
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