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映画「海底軍艦」~神宮寺大佐の決心

2015-06-09 | 映画

 

CDのパンフにあった轟天号のメカデザイン。
これ、是非今の時代のCGで再現して欲しいですね。
(「インターステラ」のレベルであれば最高)
ムウ帝国の潜水艦は「石棺潜行艦」というのか。なるほど。



さて、今日こそは終わりまでこぎつけたいと思います。
最初から怪しかった週刊誌記者の海野魚人、ここで正体をむき出しに。
神宮寺大佐の一人娘、真琴を誘拐して、神宮寺大佐を脅迫するつもりです。
ついでに海底軍艦基地に爆薬を仕掛けたそうです。
爆発物をいつのまにどうやって調達したかは秘密。



カメラマンの旗中はこんな時に限って全く役に立たず、一緒に拉致られてしまいます。
いったい何のために真琴にまとわりついていたのか。



「司令!ドックに爆薬を仕掛けたものがいます!」

「何い?誰だ」

「従軍記者です!」

いやそれ従軍記者ちゃいますから。
そこに略奪したトラックで脱出を図る従軍記者。
人質が二人乗っているのに、皆でピストルを撃ちまくります。



さてこちらムウ帝国。
いよいよ皇帝が姿を現したのでした。



周りは国際色豊かに外人さんのエキストラで固められています。
特に左のおばちゃん、作り物ではないかというくらい完璧なアメリカ人体型。



この人たちはですね、なんと米軍横田基地に声をかけて、
在日米軍の軍人家族にご協力を仰いだのだそうです。
まるで昔のオランダの農婦みたいな人もいますが、



特に皇帝付きの女官役の人たちは「クレオパトラの映画みたい~」と
撮影現場ではきゃっきゃうふふと大喜びでいらしたということです。

この皇帝の周りを固めている二人は、横田基地の中でも司令官クラスの奥方に違いありません。
二人ともいかにも将官の糟糠の妻といった貫禄にあふれています。

・・・ということでこの真ん中がムウ帝国皇帝であらせられるわけですが、
衣装もメイクも若干22歳の女優である小林哲子が自分で工夫して行ったそうです。

「こんなのでどうでしょう」

と見せると監督はそれでいいです!と喜んで即OKが出たということです。



皇帝の前に引き出される真琴と旗中。
右は平田昭彦の23号で、左に従軍記者のふりをしていたのがいますね。
ちなみにまわりにいる人たちは「スクールメイツ」の人たちだそうです。

わざわざ捕まえて連れてきたからには何かの取引に使うのかと思ったら、皇帝陛下は彼らを

「マンダの生贄にせよ」

と仰せられます。捕虜なのに。
マンダとは、ムウ帝国の守護神である龍です。



従軍記者、じゃなくて週刊誌記者のふりをしていた工作員の実の姿。
平田昭彦とこの工作員を演じた佐原健とは私生活では親友同士だったということだったので、
この撮影は彼ら的には楽しかったというか、盛り上がったのではないかと思われ。



こちら海底軍艦のドックを爆破された轟天振武部隊。
艦体が破壊された鉄骨の下敷きになり
ハッチを開けることができず、鉄骨を焼き切る作業中。

 

その頃日本では。
三原山にムウ人が団体で(数えたら18人いました)現れ、とりあえず
大島小涌園なんかに観光に来ていた客を血祭りにあげました。

三原山の火口から現れたという設定上そうなったようです。



大島から脱出しようとする人たちの船を、これもとりあえず爆破。

 

そしてムウ帝国は世界に征服の告知を開始。

「海底軍艦を破壊し、速やかに植民地を返すのだ」

この世界各地の様子はなんと模型や書き割りだったりします。




東京湾の様子。
東京タワーだけがぽつねんと聳え立っているように見えますが、このころ東京は
数年以内に東京オリンピックの開催を控え、建築ラッシュでした。
今のような高層ビルだらけになるのはこの後すぐです。

それにしてもこの船舶の多さは何事?



ムウ帝国が行った今までの攻撃は「脅かし」にすぎず(そうだろうなあ)、
彼らはいよいよ本番として
ニューヨークの摩天楼と丸の内を本格的に攻撃することを宣言したのでした。

 

ここで陸自の榴弾砲が(一台だけが何度も映される)登場。

軍靴の足音が聞こえるう~~!

ただし、憲法の関係で、彼らは防衛のために各所に配備されることはあっても、
向こうが一発撃ってこない限り交戦権は認められないのです。

我が日本国はムウ帝国軍の攻撃によってすでに民間船の乗員始め、
自衛隊員や警察官、大島のフェリーの乗員など、
何人かの国民が犠牲になっているわけです。
犠牲者が出ているからにはもうムウ帝国軍を攻撃してもいいと思うのですが、
日本国としては頑なに憲法9条に忠実であろうとするのでした(ってことですよね)。


 ついでにこのとき、日米安保条約は署名されたばかりだったのですが、アメリカも
勝手に追跡して水圧でつぶれただけとはいえ、自分とこの原潜がやられてしまったりしたので
日本にまで手が回らず、第7艦隊も本国に帰ってしまい、(たぶん)
ここにおいて本土防衛は米国の手を一切借りず行われることになったのでした。 

 

「どこかの国はだめだけどムウ帝国ならやっつけてもいい」という理由で、
海底軍艦を出動させよ!と旧帝国軍人に無茶をいう周りの人たちですが、
ムウ帝国人だって、同じこの青い地球の仲間なんだぞー。




さてこちら轟天号。
艦体の上に被さった鉄骨を取り除き、中を点検したところ、

中身にはなんの損傷もありません。
そして、崩れた岩に埋もれたこの潜水艦、先端の掘削機が回転することによって
難なくこの場から周りに穴を開けて脱出してしまったのでした。

神宮寺大佐って天才?

平賀譲の立場はいったい。

っていうか、こんな兵科士官が一人でもいたら日本は戦争に負けてませんわ。



その神宮寺大佐、轟天号始動にあたってキリッと、

「じゃあ出かけますか」
「出かける?」
「考えてみたら錆び付いた鎧を着ていたようです。
脱いでみてせいせいしました」

 

「神宮寺・・・・・!」

「本部に連絡してください。
海底軍艦は只今よりムウ帝国撃滅のために出動します!」

神宮寺大佐は大局的見地に立って、日本海軍の再興より
ムウ帝国と戦うことが先決だとようやく納得したようです。

よく考えたら、国連からの依頼も出てるということだし、ムウ帝国と戦って勝った暁には、
旧帝国海軍が世界的に認められ、回り回ってその再興につながるかもしれません。

もちろん常識的に考えてつながらない可能性の方が高いとは思うけど、
今まではとりあえず、「再興」「再興」といっても具体的にじゃー誰と戦うの?
と聞かれた場合、おそらく本人たちにも答えられなかったと思うし。

というわけで、神宮寺大佐に取ってもこの出撃はうまい落とし所となったのです。



伊福部昭の「海底軍艦マーチ」が鳴り響く中、パニックの首都東京。
道は避難する人と車でもはや大変な混雑となっています。

しかしこんな時にも警察官が人を誘導し、皆それに大人しく従っています。
さすがは日本人、有事の時にも賞賛されるべき民度です(適当)



もしかしたら東芝がスポンサーだったのだろうか。
右の方には「イムペリアルホテル」がありますが、これはさすがに
帝国ホテルのことではないと思われます。



ひとところに固まっている陸空海幕長ら防衛庁制服組。
ムウ帝国の予告した時間は深夜1時です。
何を見上げているかというと、時計。
ムウ帝国が東京を襲撃すると予告した時間は深夜0時。
刻一刻とその時が近づいてきます。

爆音が聞こえ緊張する一同。

「ただいまの爆音、友軍機3機!」

この際、友軍、って言っちゃうんだ・・・。
今の自衛隊でも言うんでしょうねえ。




あくまでも「TOSHIBA」のネオンサインを見せる構えの陸自隊員たち。
静まり返った街はすべての照明も消されていますが、東芝のサインだけは
煌々と点滅を繰り返すのでした。(T_T)



と、そのとき。
TOSHIBAのネオンサインの真正面にあるマンホールの蓋が、
激しい蒸気に噴き上げられて吹っ飛びました。




次の瞬間、地面が崩れ、丸の内は地盤沈下。
TOSHBAのネオンサインが真っ先に崩れ落ちていきます。
スポンサー様のネオンサインをこんな風に扱っても良かったのか。

それはともかくなんとムウ帝国軍、地下から襲ってきたのです。
海底軍艦もないのにどうやってここまで掘り進んできたかは謎ですが、
海底人の国が地下から攻撃してくる可能性については十分予想されるべきでした。
これは防衛する側が、敵についてあまりにも知らなかったと言えましょう。

防衛はまず諜報、情報収集と、ごまかしのない兵棋演習から。


・・・ってことで(終わらなかったorz)最終回に続く。


 



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4 Comments

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アニメになってますよ (雷蔵)
2015-06-09 06:17:31
新海底軍艦と言って、1995年に作られましたが、未完です。
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Unknown (エリス中尉)
2015-06-09 08:11:52
旅行やら仕事やらで忙しいのをいいことに、盛り上がるがままのコメント欄を見るだけでしたが、
今更ながらにこの映画が往時の少年たちにとって大きな存在だったかを知ったような気がします。
偶然こんな大変なキワモノ・トンデモ作品を発掘したような気になっていましたが、
実はみなさん結構ご存知(特に雷蔵さん)だったとは・・・・。

小林哲子さんのプロマイド、そんなものがあったなんて、
しかも男子が隠し持っていたことがあるなんて、まるで平行世界の話を聞いているみたいです。

ところで「深海底軍艦」には明日少し触れます。


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当方、世代はSFでなくてジュブナイル。 (筆無精三等兵)
2015-06-09 12:32:25
楽しく拝見させていただいております、海底軍艦シリーズ。
私は宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズが封切られた頃の生まれなんで、雷蔵さんたちの「あるある」についていけてないことがちょっと寂しいですけど。

ストーリーや設定、キャラクターを見てみると80~90年代に端を発し、今ではライトノベルと呼ばれる形態になった、日本版ジュブナイルにその影響が強かったように思えます。
特にN○Kで放送されていた「不思議の海のナディア」は、死んだと聞かされていたヒロインの父親が絶海の孤島で超高性能潜水艦を作っていた、潜水艦が一度撃破されるが空中戦艦を作ってリベンジ、敵はアトランティスの末裔、しかもエジプシャンぽくてモロにクレオパトラ~な服装、とストーリー構成からキャラ設定に至るまで、「海底軍艦」に瓜二つです。原作ジュールヴェルヌ「海底二万マイル」とかってあるのに原作に忠実なのはパリ万博の頃という時代設定と潜水艦で大冒険って基本だけということに、後から原作を読んで気付き、「これをどう捻ったらああなる?」と首を傾げたものです。(後年、デズニーが海底二万マイルを映画化してそれがナディアのパクリだと非難されてましたが、こう見るとナディアも・・・)
思えば監督の庵野秀明氏も1960年生まれなんで、雷蔵さんたちと同じく破天荒で勇ましい、でもちょっとオイロケを感じるこの作品に強い思い入れがあったのでしょうね。

他にもサクラ大戦というゲームでは、高速輸送用の列車が轟雷号、空中戦艦三笠、メインヒロインが神宮寺でやっぱり父親が死んだことになってたり。

あれ?なんだかんだとツッコミどころ満載の海底軍艦、影響力がモノスゴイ?

因みに私が轟天号の名を初めて目にしたのは、何故か戦隊巨大ロボに変身できてしまう自転車です。
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TOSHIBA。。。 (昭南島太郎)
2015-06-09 20:16:55
私が物心ついた時はゴジラにウルトラマンでしたので、「海底軍艦」は中尉の投稿まで全く知りませんでした。
でも、私も楽しく毎日拝読させて頂いております。

でも、自衛隊の戦闘機飛ばしたり、榴弾砲を登場させたり、挙句の果ては米軍基地の隊員家族まで借り出すとは。。。
この時代ではものすごいことのように感じます。

TOSHIBAさん(思いっ切り私の働く業界です)、懐かしい昔の筆記体ロゴですね。
やはりスポンサーだったのでしょうか(気になります)。

珍しく午後7時過ぎまで残業中(のはず)の事務所より

昭南島太郎
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