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台湾雑景〜旅しながら写真を淡々と貼る

2015-07-30 | お出かけ

三回台湾に旅行をして、もう当分行くことはなかろうと思っていたのですが、
意外なところからのご縁でまたしても訪台することになりました。
今回参ったのは、台湾の高温多湿の気候です。

今まで年末年始という台湾では過ごしやすい季節に訪れていたのと、
それまで滞在していたのが湿度の低い東海岸だったので、外を歩くと
まるでサウナの中を歩いているような重たい空気は堪えました。

「よく台湾の人こんな気候で平気だなあ」

「生まれてずっとこれなんだから慣れてるんじゃないの」

とか言い合っていたのですが、今回現地で知り合った台湾人に聞いたところ、
台湾人もこの天気にはうんざりしているし大変辛い、と聞いて安心しました。

今回一時帰国した時に日本はその時の台湾並みに蒸し暑かったわけですが、
日本人もこの蒸し暑さが平気だという人なんていないわけですし、当たり前なんですが。

それはともかく、近くて遠くて日本と似ているようで似ていない、
そんな台湾を巡って、目に付いたものを片っ端から撮ってきました。

冒頭写真は、九份(あれ?以前打った時には漢字が出てこなかったのに変換できる・・)
に行った時、かえりのバスから見えた景色ですが、すごいでしょう。



台湾と日本、街並みにおいて何が大きく違うかというと、それはビルの綺麗さ。
日本もアメリカと比べると大概汚いビルが街並みに混在しているのですが、
アメリカの場合は綺麗も汚いも、煉瓦造りの100年越えの古い建物なので、
古くても鑑賞に耐えるものばかりなのに対し、なまじ近年に建った建物ばかりの日本と台湾では、
そのメンテナンスの頻度が如実に表れてしまうのです。

台湾では一旦建ったビルの外装を綺麗にするという習慣がないのかもしれません。



台北で最初に泊まったホテルの窓から、ファミリーマートが見えました。
「全家」でファミリーマートなんですが、日本人にとってこのコンビニは、
東日本大震災の時に巨額の寄付金を台湾人がレジにある募金箱に入れてくれ、
そして日本を励ましてくれたことで特別の感慨を与えます。



次の日ホテルから出ようとしたら前を横切った不思議な人力車。
もしかしたら犬が引いているのか?と思ったのですが、動力はおじさんです。
漢字で書かれた文句を読むと、どうも何かの宣伝らしいのですが、
屋台に飾られた仏具らしいものから見るとお寺か何かでしょうか、
おじさんの頭に花が飾られているように見えるのは偶然です(笑)



タクシーに乗るために街角に立ち最初に目に付いたのがこの看板。
八代亜紀は「日本演歌天后」で女王くらいの意味でしょうか。
森進一の看板もありましたが、こちらはなんて書かれていたのか見損ないました。



台湾の街を走っている大量のバイクには驚かされます。
自転車より、自家用車より市民の足になっているのがバイク。
おそらくほとんどが日本製のものだと思われます。 



またしても面白日本語発見。

「キューピッド」と書きたかったのですねわかります。



地下鉄の発達しているのには驚かされます。
ここなどまるで千里中央駅みたいでしょう?(ローカルですみません)

すべてのホームは転落防止の自動開閉フェンス付きで、切符ではなくトークンを買い、
それを指定のところにかざすと「ピッ」となって改札が通れます。
これエコロジーの点では日本より先進と言っていいのでは・・。
地下鉄はすべて空調が完備、暑い地上で車を捕まえるより、こちらの方が移動は楽かもしれません。



「猫空」という地名が気に入ったのですが(笑)これは「まおこん」と読みます。
「猫空◯車」というのは、マークでもわかるように観覧車があるんですね。
ここには動物園もある模様。



九份に向かうバスの窓からは、市街地を過ぎるとこんな景色が見えてきます。
全体的に郊外の建物も薄汚れた感じは否めないのですが、そんな家の軒先に
ポルシェが停まっていたりするので、台湾って面白いところだなあと思います。



こんなところに布団を干して、太陽の殺菌はともかく、排気ガスとか
なにより壁の汚れが布団に着くとかは心配ではないのでしょうか。
日本でも、高速道路脇のアパートに布団を干しているのを見ることがありますが、
いつも不思議に思います。
この時に顔を引っ込めていまいましたが、ベランダにはおばあちゃんと子供がいます。



さて、わたしたちは李登輝元総統の講演会以外、台湾での予定を入れなかったのですが、
毎日誰かがお誘いくださったため、食事の場所に関して困ることは全くありませんでした。
ここは、日本から李登輝総統の講演会をわざわざ夫婦で聞きに来られた方が、
ご自身が雇った現地の通訳の女性に「地元民しか行かない店」を紹介してもらいました。

「処女(虫編に尋ねる)」?このお店の名前は一体・・・。 



写真で撮っても、この店の雑駁な感じがわかっていただけるでしょうか。
棚に並んでいるのは紹興酒を始めとするお酒の数々。



お店のおばちゃんのファッションも、日本では手に入らなさそうな、
合成繊維100%な感じがキッチュで、招き猫のセット(右手上げと左手上げ)や
大福様とぴったりマッチしております。



ここは、日本人観光客はもちろん、大陸からの観光客も来ないようなところだそうです。
つまりそれだけ地元密着の「いかにも庶民的」な大衆食堂ということですね。
日本だと「生簀」」という趣向はあっても、こんな店内に魚屋みたいな屋台があって、
そこから客が魚介類を選んですぐに調理してもらうという形式の店はありません。

まず生魚を置いていることで魚屋のような匂いが店内に漂うと、
日本人の場合は食欲がなくなる人が多いと思うのですが、こちらではそうでもないようです。



案の定、魚を選びに駆り出されたものの、わたしには何をどうしていいか
全く見当もつかず、通訳の人にまる投げしてしまいました。



クレラップは日本語のロゴを残しているあたりがブランドの照明?



実は魚介類、ことに甲殻類はあまり、とこんな店に連れてこられてからカミングアウトするのも
連れて来てくださった人の顔を潰すことになるので、お任せにしたのですが、
やっぱりでてきたのはエビでした。
なにがいやって、殻をむくのが面倒なんですよね。
努力の割に美味しいと思ったことはないし手は臭くなるし・・。



カニまででてきたし(笑)
一人半分づつということなので多分台湾的にお高かったのでしょう。
もし脳の大きさで頭の良さが決まるなら、ノーベル賞確実ではないか、と思われるほど
このカニは全身ミソだらけでした。

お酒飲む人はカニミソがお好きだそうですが・・。



こちらメインの魚鍋。
魚の種類は・・・・忘れました。



たっぷりのネギと生姜を効かせた魚料理。
魚の種類は・・・・。



庶民のお店だなあと思ったのが、店の中の虫の多さ。
そこに出ている魚介類にも止まりまくりなのよねと思うとドン引きしてしまうのですが、
時々当店の看板娘がバチっバチっと大きな音を立ててラケットで叩き潰してしまいます。



アメリカの「Bed & Bath Beyond」で全く同じものを見ました。
虫ラケット、電流で虫を焼く仕組みなのですが、

「虫の体はどうなるの」

「消えるんじゃない」 

こういうものを客の見ているところで使うっていうのが日本人にはもうダメ(笑)
そして、台湾の人たちというのは何しろ声がでかい。
よく大陸からの観光客は声が大きくて迷惑といいますが、庶民クラスは
むしろ大陸より食事中の声は高いように思われました。
 


この店の向かいにあった、これも海鮮料理レストラン。
「生猛活海鮮」というのが、猛烈に生きがいい、という感じでしょうか。



左は日本式しゃぶしゃぶ、トレードマークはお相撲さん。
右の「阿部」というお店は、日本人経営のパン屋さんです。

 

夜も活気のある繁華街には、日本式岩盤浴の店もありました。
「玉川温泉」だそうですが、玉川温泉って?



九份に行ったときに途中にあった墓地。
前にも写真を撮ったことがありますが、台湾のお墓は一つ一つが家のようで立派です。
こうしてみると本当のアパートみたいですね。



お弁当屋さんの看板と警察の印が同じポールに・・・。
で、どこが警察なのかと写真をよくよく探したところ、
どうやら左のマンションの一階と二階ではないかという結論に達しました。
地域に溶け込む警察ってヤツですか。というか溶け込みすぎ。



工事中のおまわりさん人形は台湾ではこうなります。
腕の部分はどちらもパタパタと上がったり下がったりしていて、
その先に旗がついて(片方取れていますが)注意を喚起すると。
ちゃんと足元に移動用の車がついていたり、着せている洋服が特注なのが工夫の一品です。



前にも台湾は大変な学歴社会なので塾が大繁盛と書いたことがありますが、
またしてもすごい看板を見つけました。
前年度の有名校合格者の進学先を顔写真付きででかでかと・・・。
日本ではせいぜい「前年度・東大3人 早稲田3人」と人数だけが書かれるところです。

台大はもちろん台湾大学、成大は成功、中央は国立中央、清大は精華大でいずれも国立名門。
写真の上に書かれた言葉は、いずれもトップを表すものであろうと思われます。



都心部に帰ってきたら、台湾電視(右から読む)の本社がありました。
テレビ局のビルでさえ、あまり綺麗ではないのが台湾というところ。



九份では現地に「千と千尋の舞台」などとちゃっかり看板がありましたが、
ここ台湾でも宮崎アニメは普通に人気。
バスで斜め前に座っていた女の子が、トトロのパスを持っていました。



こういう、ゲーム的キャラクターで古典を「萌え化」してしまう傾向も
どうやら日本からの伝来としてあるようです。

台湾にはこういう文化面での日本の影響というのは我々が思っているより色濃くあり、
古くからの、日本とは遠く離れた部分とは全く別に、その歩みはほとんど揃っているかに見えます。
特にIT関係については台湾という国が国策としてそれを推し進めた結果、
ある意味日本より先に行っていると思われる部分すらありました。

本当に台湾とは面白い国です。