アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

エメラルド・タブレット、ジェイド・タブレット、アメジスト・タブレット

2024-07-11 06:40:46 | 人と神の「実際のところ」

◎すべてのものが、この一者の瞑想によるものだ

 

エメラルド・タブレットは、至福千年の基本思想。アメジスト・タブレットは、人類がすんなり至福千年に移行すれば、制作されることはない。アメジスト・タブレット・プロローグ(ダンテス・ダイジ)を讃してジェイド・タブレットを書いてみた。

 

12世紀頃西欧に現れたとされるエメラルド・タブレットは、ヘルメス・トリスメギストスの作とされ、心理学でもなく、哲学でもなく、物質変成の化学でもなく、クンダリーニ・ヨーギの見る現実そのものである。

ただし、西洋錬金術師達には様々に研究されたが、短すぎて内容に乏しいことから、ダンテス・ダイジの評価は低い。

 

『一、こは真実にして偽りなく、確実にしてきわめて神聖なり。

 

二、唯一者の奇跡の成就に当たりては、下なるものは上なるものの如く、上なるものは下なるものの如し。

 

三、万物が一者より来たり存するが如く、万物はこの唯一者より変容によりて生ぜしなり。

 

四、太陽はその父にして、月はその母、風はそを己が胎内に宿し、大地は乳母なり。

 

五、そは万象における完全なる父(テレスマ=原理)なり。

 

六、その力は大地の上に限りなし。

 

七、汝は、火と大地を、精と粗を、静かに巧みに分離すべし。

 

八、そは大地より天に昇り、たちまち降りて、優と劣の力を取り集む。かくて汝は全世界の栄光を己がものとして、闇はすべて汝より離れ去らん。

 

九、そは万物のうちの最強者なり。すべての精に勝ち、全物体に浸透するが故に。

 

一○、かく、世界は創造せられたり

 

一一、かくの如きが、示されし驚異の変容の源なり。

 

一二、かくて我は世界霊魂(アニマ・ムンディ=叡知)の三部分を備うるが故に、

ヘルメス・トリスメギストス(三倍も偉大なるヘルメスの意)と呼ばれたり。

 

一三、太陽の働きにかけて、我は述べしことに欠く所なし。』

(魔術師たちのルネサンス/澤井繁男/青土社P135から引用)

 

ヘルメス・トリスメギストスのことは、エジプト神話のトート(トース)と見ている(ユングとタロット―元型の旅/サリー ニコルズ/新思索社P85)。

 

上記引用文の『三、万物が一者より来たり存するが如く、万物はこの唯一者より変容によりて生ぜしなり。』の部分は、サリー・ニコルズは、『すべてのものがこの一者による。この一者の瞑想によるものだ。すべてのものがこの一者から生まれる。』(ユングとタロット―元型の旅/サリー ニコルズ/新思索社P86から引用)と訳している。

 

一者から万物が流出するのは、ユダヤ教の黒い焔で見るとおりであって、変ではない。

この一者の瞑想によるというところが、冥想の戯れ風であって、面白い。

 

『八、そは大地より天に昇り、たちまち降りて、優と劣の力を取り集む。かくて汝は全世界の栄光を己がものとして、闇はすべて汝より離れ去らん。』(魔術師たちのルネサンス/澤井繁男/青土社P135から引用)のところが、クンダリーニ上昇の秘儀と思われるが、これだけの記述では何もわからない。行法もないし、師のこともない。キリスト教社会では、ここまでが限界だったのだろう。

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