マグロ話

2022年08月04日 | 暮らし

私はマグロが大好きです。
晩酌するときには、できれば食べたいです。
いや、マグロを食べたかった、でした。
今は、それほど食べたいとは思わなくなった。
それはいつ頃からだろうと、ふと考えてみた。
今年のはじめか、2・3月だったか、ま、だいたいその頃です。
それ以前は、妻とスーパーマーケットで買い物をしていると、
必ずマグロの刺身を買ってもらいたいな、と思っていた。
しかし、行くたびにマグロは買ってもらえなかった。
おいしそうなマグロが売っていて、「マグロうまそうだね」と妻を見ると、
「今日はダメ」なんていわれて、哀しい思いをしていた。
妻から「今日はマグロを買っていいよ」などといわれると、小躍りしたもんです。
妻といつか、歳とったら三浦半島にマグロを食べに行きたいね、などと話していた。

そんな私が最近、それほどマグロを食べたいと思わなくなった。
妻とスーパーマーケットに行っても、マグロ売り場になんの未練もなくなった。
そんなことを妻に話すと、あの人は「それはいいことだね~」と脳天気に喜んでいる。
そりゃそうだ、よけいなお金をつかわなくてすむ。
現在、私のわずかな年金と妻の収入では、わが家の暮らしのやりくりは大変です。
妻としては、できるだけ日々の支出を抑えなければならない。
そういうときに、これまで買っていたマグロの刺身を買わなくていいということは、
妻にとってはさぞかし嬉しいことだろう。

しかしなぜ、私はマグロをそれほど食べたいと思わなくなったのか、ということを考えた。
体質が変わったのか?
がんがなくなったからか?
どうしてなんだろう。
ひとつ思うことは、仕事を辞めて毎日家でブラブラしている暮らしになって1年半になる。
がんの治療に行くたびに、それなりの苦痛や心の悩みはあるが、
長いこと味わってきた労働のつらさというものは、私の生活になくなった。
そんなことが、マグロを食べたいと思わなくなったことなのかな、なんて考えた。
膀胱がんの手術・入院はつらかった。
そのあとのBCG注入療法なんてのは、説明できないつらさです。
なにしろ夜中、7~10分ごとにトイレに行くのです。
睡眠不足なんて話ではない。
寝ていられないのです。
そんな暮らしをしてきて、マグロを食べたいと思わなくなったのかどうか、分からない。
だけど、今はそれほどマグロを食べたいと思わなくなった九想です。

コメント
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