ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

ホテル・アイリス/小川洋子

2011-11-20 | 読書
染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、
足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。
乱暴に操られるただの肉の塊となった時、ようやくその奥から純粋な
快感がしみ出してくる…。少女と老人が共有したのは滑稽で淫靡な暗闇の
密室そのものだった―芥川賞作家が描く究極のエロティシズム。
(「BOOK」データベースより)

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美しい。
小川洋子、こういうのもありか~
純文学ってカンジです。

彼女の作品は、底を流れるイメージにブレがありません。
喪失感。

うわべのストーリーだけ追っていくと、そんなぁ~と思う部分も
あるのですが、まるで一編のフランス映画を観ているような美しさ。
(実際、このホテルは海外?日本?と思わせます)
ホテルの娘・マリは、まるで若き日のジュリエット・ビノシュ…

そして、小説の評価は殆どの場合その終わり方で決まると
思っていますが、それがまた何より良い。

良い、です。小川洋子


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