ゴジラの卵 その３

そんな話しも、今は昔です。

ネットが登場し、お嫁さんの娯楽もだいぶ
豊かになりました。

オウチのマンションは、ネット料金が
管理費に含まれていますので、タダみたいな
ものです。

使い放題です。

ちなみに、タダのことは、中国語では「免費」
といいます。

そのため、家事が終わるや、お嫁さんは
パソコンにへばりつきます。

アクセスするのは中国のサイトです。

中国のサイトは、日本よりもよほど充実？
しているようです。

発行されたばかりの小説や、放映されたばかりの
映画、ドラマも見放題です。

勿論、テレビなどはほとんど視ることが出来ます。

アクセスするのは良いのですが
腹に溜めておけないらしく、ワタシを掴まえて
聞きたくもない話しを色々教えてくれます。

当然ですが、ワタシの都合など、一切
お構いなしです。








ＡＬＡ！中国

ゴジラの卵 その２

そういうわけで、お嫁さんの娯楽を
何とかしようと、色々工夫しました。

中国のテレビが視られないかと、ベランダに大きな
直径１メートルもあるパラボラアンテナを
設置して、中国のテレビ放送を受信したことも
ありました。

中国の書籍を求めて、都心の専門店に
出掛けたこともあります。

あれやこれやで、多少の娯楽は創れたのですが、
それでもまだ余裕の時間があります。

努力の甲斐あって
ケンカをふっかけられることは
少なくなったのですが、
訳の解らない話しに付き合わされることが
多くなりました。

お嫁さんが勤めている会社の仕事の話しです。

裁縫の話しなどされてもサッパリです。

かといって上の空で適当に聞き流すと
みやぶられます。

「力を使って聞くヨ！」

と怒られます。






ＡＬＡ！中国

ゴジラの卵 その１

嫁さんから見れば、日本は外国です。

当たり前ですが・・・。

外国で何が困るかと言えば、娯楽だと思います。

生活に必要なことは、ワタシがおりますから
何とかなります。

役所の手続きも問題ありません。

しかし、娯楽は困りました。

モノの書物によりますと、人間にとって
娯楽は必須だそうです。

金さえあれば仕事などしなくても、何とか
なりますが、娯楽だけはそうはいきません。

裁縫以外に、趣味らしい趣味もない
お嫁さんです。

しかも、ワタシもですが、お嫁さんも
引きこもりタイプで、休みの日は
一日中部屋に閉じこもっています。

娯楽が無いと暇になります。

暇になるとワタシに因縁をつけ、ケンカを
ふっかけるので困るのです。








ＡＬＡ！中国

理解不能

お嫁さんとの会話です。

お嫁さんは、ワタシの眼を真正面から
にらみつけています。

顔は真剣、そのものです。

ワタシが問い質し、お嫁さんが答えます。

「これはなんですか」
「うん」
「まさかオウチにもって帰るんじゃないだろうな」
「うん」
「ちがうよね」
「うん」
「どっちなんだよ？」
「うん」
「バカにしているのか」
「うん」
「それで結局どうなんですか」
「うん」
「小江、あんたヨウチャンをおちょくっているな」
「うん」

上の空での「うん」なら、納得なんですが、顔と眼は
一生懸命です。

「これは一体どういう現象なんだろう？」
「うん」

異文化、というのとは少し違うような気がします。
「うん」

理解不能です。さじを投げました。
「小江、あんた少しオカシイです」
「うん」






ＡＬＡ！中国

続々続々石けん騒動記

「じゃあ、この石けん、ヨウチャンが使うんですよ！」

高級な石けんですから、ワタシが使うことに
異論も異議もありません。

「ハイハイ」

「反省しましたか？」

ばかばかしいとは思いますが、逆らうつもりも
ありません。逆らってもろくなことはありません。

ちなみに、お嫁さんは、パカパカシイと発音します。

「反省しました」

「よろしい」

あんた、威張りすぎです。


この石けん騒動が一年ぐらい前でしたかね。

それでブログに石けんの写真を載せようと
件の石けんを探しましたがどこにもありません。

「おい、例の石けん、どこにあるんですか？」

「全部使いましたヨ」

「小江が？」

「そうですヨ」

「あんた、俺が使うように指導したでしょうが」

「忘れたヨ」






ＡＬＡ！中国