ライバル２４

この王さんですが
お嫁さんが、中国人の不法残留を
指摘したことが
きっかけになって対立関係に入りました。

会社の中に、どうやら就労ビザ無しで
働いている中国人がいるらしいのです。

指摘した、といっても、仲間内で
ちょっと文句を言った程度ですが。

それを耳にした王さんが、お嫁さんを
「心が小さい」
と非難したことが原因で犬猿の仲に
なったのです。

この、心が小さい、というのは
中国ではかなりの悪口らしいのです。

反対に、豪快だ、とか豪放磊落、なんて
のが大層な褒め言葉になります。

女性に豪快、ってのも何ですが、とにかく
そういうことらしいのです。






ＡＬＡ！中国

ライバル２３

ボスの子分に「王」さんという、お嫁さんと
同じ年頃の女性がおり、これがお嫁さんと
激しく対立することになったのです。

どういう訳か、嫁さんと仲が悪い中国人は
どんどん辞めていきます。

いや、中国人に限りません。
仲の悪い日本人もどんどんと
辞めていきます。

ほんと、不思議です・・。

嫁さんは、ケンカになった相手
とはほとんど口をききません。

黙々と仕事をするだけです。

それだけです。

罵り合いとか、とっくみあいなどは
やりません。

ただ、ただ、口をきかないだけという
戦法です。

それがどういう効果を生むのか
あるいは全く関係無いのか
ただの偶然なのか。

一人去り、二人去りして、中国人で残ったのは
お嫁さんと「王」さんだけになりました。








ＡＬＡ！中国

ライバル２２

仕事はともかく、会社から
ボスさんがいなくなった
という話を聞いた私は、ホッとしました。

何しろ、ケンカ大好、と公言して
はばからないお嫁さんです。

子供が出来たら「喧嘩」と名付けたい
などと宣言していたお嫁さんです。

いくらケンカ好きでも、相手がいなければ
ケンカできません。

これで嫁さんも、会社でケンカしないで済む、

やっと平和になる、と思ったのです。

日中間が不穏ですから、せめて我が家だけでも
平和でないと。

我が家は、私が無条件降伏していますので
勤務先でのケンカが無くなれば平和になる
はずです。

ところが、世の中、そう甘くはありません
でした・・・。






ＡＬＡ！中国

ライバル２１

嫁さんは、何しろ仕事は真面目です。

そういう点が評価されたのでしょうか。

社長夫人によく誉められるそうです。

（江さん、あんたの仕事はキレイだね）

（あんたは良く頑張っている）

お嫁さんにとっては、日本人に誉められる
ことがたいそう嬉しいようで、
そうなるともっと頑張ります。

だから会社に行くのが楽しいとのこと。

仕事が楽しいだなんて、そんなことに
なったら、それだけで人生、半分成功
みたいなものだと思います。

残りの半分は配偶者でしょう。

配偶者も良ければ、人生万々歳です。

嫌々仕事をしている私にとっては
うらやましい限りです。






ＡＬＡ！中国

ライバル２０

「ワタシは弱い人はいじめません」

「ウソ？」

「子供のとき、お母さんとお婆さん（お父さんの母親）
　がケンカして、ワタシ、いつでもお婆さんの
　味方をしていましたヨ」

「そうなの・・？」

「お婆さん弱いから当然でしょ」

「ふ～ん」

「ワタシは弱いひとはいじめません」

ウソではないようです。
彼女は、上司には食ってかかることが多い
のですが、同じパートとか温和しい人には
優しいです。

「俺は弱いだろう？」

「ヨ～チャンは弱いヨ」

「俺をいじめるのはどうなんだ？」

「いじめたこと無いでしょ」

「毎日のようにいじめられていますが」

「・・・・・」

「黙った、ということは自覚があるんだな？」

「考えチュウです。・・少々・・お待ちください・・」

「素直に自白したら？」

「イジメたらダメ？」

「当たり前だ。イジメは悪い事です」

「・・・夫婦だからいいでしょ」

「夫婦なら弱い者いじめしてもいいのかよ！」

「ウン、いいんだヨ」






ＡＬＡ！中国