番外編 北京旅行だヨ その２３

　シャベリが速すぎるのと、スラングが多いせいでしょうか。
　何をしゃべっているのか、全く解りません。
　側で聞いているワタシはおろおろするだけです。

　係員さん相手に、ギャーギャーしていた嫁さんは、突如身を翻すや、
何かを目指して、猛然と走り出しました。ワタシは慌てて後を追います。
あっという間にカウンターの端へ到達するや、嫁さんはパスポートを預け、
ゲートを飛び出し、外の通路に突進しました。「オイ、オイ！？　
どうしたんだ？何処へ行くんだ！？」「よ～ちゃんはそこで待っていればイイの！」一声残すや、脱兎のごとく駆け去ります。みるみるうちに小さくなる彼女の背中を見ながら、ゲート内に残されたワタシは唖然として、声もでませんでした。

　いったい何があったのでしょうか？

番外編 北京旅行だヨ その２２

　さて、帰国の日となりました。
　飛行機の出発が朝速く、朝食が間に合わないから、というので
いつもの食べ放題の朝食は中止となり、その代わり、
バスの中でお弁当がでました。

　そのお弁当に缶ジュースが入っていました。
細く、小さな缶ジュースでした。
　日本で買えば、数十円でしょう。
　その缶ジュースは飲まないで、バックにいれておいたのですが、
それが出国検査の機械に引っかかりました。
テロ警戒の為、液体を機内に持ち込むことは出来なくなったそうです。
　
　液体の爆弾ってのがあるのかな？
　そう言えば有名なニトログリセリンは液体でしたね。たしか。
　ピクリン酸、なんてのもありました。

　その缶ジュースをめぐって
係員と彼女が激しくやりあいます。
　
　中国人の係員は、外国人には優しいのですが、
　彼女が同国人と解るや、途端に態度が悪くなりました。

　日本の入国管理局の職員さんたちは、
外国人には態度はあまりよろしく無いのですが
日本人にはよろしいです。

番外編 北京旅行だヨ その２１

　夕ご飯は火鍋料理でした。
　大きなレストランでしたのでテーブルが沢山並べられています。
　そのテーブルには、予約でしょうか、札が乗せられていました。

　何が書いてあるんだろう？
　よく見ると、札には中国語で
「日本人」・・「フランス人」・・「ドイツ人」・・・
　と書いてあります。
「う～ん、中国人は大雑把だ」

　羊のお肉のしゃぶしゃぶでしたが、彼女は全く食べようとしません。
「臭いがヤダ。小江は、チャーハンだけで結構デス」
　羊肉のしゃぶしゃぶは中国料理といよりも、満族の料理なんかな。
　それで彼女の口に合わないのでしょう。

　ワタシが紙製のナプキンを使おうとすると、彼女が怖い顔を造って
意見を出します。
「中国は紙が少ないんだから、協力してくださいよ」
　信じられない話ですが、お嫁さんは、マジメに省エネを
考え、実行しています。

　協力しろ、というのは、使うな、ということです。
　誠意を示せ、というどっかのやくざみたいな言い方です。

番外編 北京旅行だヨ その２０

　眼に染みるほど青く、高い空に、何か紅くて、
細長いものが浮かんでいます。
　大きさは相当なものです。
　おそらく数十メートルはあるでしょう。

「金魚だヨ」
「アホ抜かせ。金魚が空にいる訳ないだろう？
　それともなにか、中国の金魚は空を飛ぶんか？」
「金魚だヨ」

　よ～く、眼を凝らします。
「日本の鯉のぼりみたいなもんだな？　そうか。凧の一種だ！」
「金魚だヨ」
　
　金魚型の凧、か気球なんでしょう。たぶん。

「それにしてもデカイな。随分と高いところに浮かんでいるし」
　飛行機は大丈夫でしょうが、ヘリコプターとは衝突可能だと思います。

「中国は国土が大きいから、金魚もデカイんだヨ」
「ウソツケ。中国は国がデカイから、太陽も大きい、
って話は聞いたことがあるけど
　凧も、なんて話は聞いたことがないぞ」
「金魚だヨ」

　一体何の目的で浮いているんだろう？
　遊びかしら？

　万里の長城にもビクともしなかったワタシですが、
この金魚にはたまげました。
　おそらく一生忘れることは無いでしょう。

番外編 北京旅行だヨ その１９

　次の日は、天壇公園、天安門、紫禁城の見学です。
　紫禁城はとても広く、白い大蛇が住んでいる、という噂があります。

　皆記念写真を撮っているのに、デジカメが壊れたワタシ達は残念です。

　パンダ専門動物園にも行きました。
「日本のパンダに較べて、ずいぶんと薄汚れているね」
「でもクーアイ（可愛い）デショ」
「スチワーデスさんの方が可愛かったなあ」

　台風が近づいている、との情報があったのですが、
　北京の空は青く澄み渡っていました。
　中国は国がデカイから、台風なんか小さく感じるのかな。
　日本なら、少し大きい台風が来れば、日本列島の大部分が飲み込まれてしまうのですが。
　国土がでかい中国では、台風も北京に命中させるのは
難しいのではないでしょうか。

「北京秋天最好だな・・・アレ？　なんだ、あれは？」