中国の老人ホーム２８

ホテルの窓から観る景色。

天気は好いのに、
太陽の輪郭がぼやけて
おぼろになっています。

色も変な黄色です。膿んでいるというか
爛れたような感じで何かオカシイです。

太陽光は斜めに線が走っているように
見えます。

窓ガラスを開けても同じです。

病気の太陽なんでしょうか。

お嫁さんがいきなり宣言しました。

「明日はプートン（浦東）の老人ホームに行きます」

予定では、日本式の老人ホームに行くはずで、
それは浦東とは真反対の方角にあります。

「気が変わったヨ」

「その浦東にあるホームへの連絡は採ったの？」

「不要です」

「日本式のホームじゃなかったんかよ？」

「あそこは高いです」

「お母さんの終の棲家になるところだぞ。
多少高くでも仕方ないでしょう」

「イイノ。贅沢です」

「お母さんと一緒の下見はしないの？」

「時間がありません」






ＡＬＡ！中国

中国の老人ホーム２７

その他にも、韓国、米国ＣＮＮ、香港、台湾
イタリア、フランスなどの番組も視ることが
できます。

中国のニュース番組ですが、南京事件
をやり、それが終わると米国ＣＩＡの拷問事件を
ず～と繰り返しです。

お嫁さん、電話が終わるやワタシに指示を
出し、ＴＶのチャンネルを変えさせました。

「せっかくＮＨＫを視ているのに・・・
　ブツブツ・・・・・」

「このＴＶ，面白いのヨ」

「何をやっているんですか？」

「ケンカ専門ＴＶだヨ」

「格闘技の番組か？」

「家族のケンカを放送して、裁判する
ＴＶだヨ」

ウチのお嫁さんはケンカが大
好きです。

このホテル。照明はＬＥＤです。

なかなか進歩的です。

ホテルは虹橋街の中心に位置しています。

目の前には高速道路が走り、背の高いビルが
林立しています。

高速道路のど真ん中に、警官が仁王立ち
になっています。

どうやら事故の処理をしているようですが、
たった一人です。

人ごとながら心配になります。






ＡＬＡ！中国

中国の老人ホーム２６

犯罪防止でしょうか。
カードをかざさないと、
希望階数には行けない
つくりになっています。

何とかクリアーして
どうにか、部屋に到着することが出来ました。

お嫁さんはホッとした表情をしています。

それで気がつきました。

「おい、小江、あんた車に酔ったんじゃないのか？」

「ウン」

「だから静かだったんか？」

「ウン」

乗用車に馴れていないお嫁さんは、車に
弱いのです。

原因が判って安心しました。


お嫁さんは、さっそくお母さんへ電話です。

その間に、ワタシはＴＶ鑑賞をします。

当然でしょうが、中国のＴＶばかりです。

いや、そうではありませんでした。

チャンネルを回すとＮＨＫが
出て来たではないですか♪







ＡＬＡ！中国

中国の老人ホーム２５

いつもなら、私が若い女性とお話しすると機嫌が悪く
なるのですが、そんなこともありません。

静かに座っているだけです。

不気味です。

お母さんのことが心配なのかもしれません。

これがトラブル無しの原因かもしれません。

ワタシとしては、いささか物足りないのですが。

車は予定通り、小一時間でホテルに到着し
チェックインも問題なく終わります。

オカシイ。

順調に過ぎる。

ぶり返しが怖い。

ハルピン娘と別れてルームカードを受け取り、
エレベーターに入ります。

階数ボタンを押しても反応がありません。

あれ？

よく見ると、階数表示ボタンのところになにやら
説明書きがあります。

絵が描いてありますので、何とか解ります。
何々、カードをかざす？







ＡＬＡ！中国

中国の老人ホーム２４

上海の浦東空港税関も問題なく通過しました。

いつも思うのですが、税関で全く検査しないのは
どうしてなんでしょう。

ＨＩＳの出迎えも既に来ており、すぐに
出発できました。

ツアーなのですが、お客さんは
私たち二人だけでした。

中国人のガイドさんは、若い女性でした。

いかにも善人ぽい雰囲気の娘さんで
上海人にしては野暮ったく、垢抜けて
いません

色々聞いてみますと、ハルピン出身だと
いうことが判りました。

「私は上海語は話せません」

と、たどたどしい日本語で説明します。

お嫁さんが上海出身だというと、驚いて
いましたが、肝心のお嫁さん、どういう
訳か、温和しいです。

車窓からぼんやりと外を眺めている
だけです。







ＡＬＡ！中国