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時代

2022年06月27日 | 社会派らぼ
自分で申し込んだわけではなかったのですが、月1で送付されてくる宣伝の情報誌に、9月号から電子ブックに移行するとの告知がありました。今後このメーカーさんのお世話になる予定はないのですが(笑)、結構しっかり作りこんだ宣伝誌で、パラパラと眺めるのに眺め応えがある装丁でした。紙もしっかりしたものが使われ、写真もふんだんで、少し贅沢なくらいのレイアウトに好感が持てました。電子ブックの閲覧には、メールアドレスの登録が必要との事で、チャッカリと登録を済ませました。

ウェブコンテンツもそれなりのクォリティを目指してデザインされるだろうということは想像に難くないのですが、そこはそれ「昭和世代」ですから、手に取ってページをめくってボーッと眺めるような見方が、今後はきっと変わってしまうのだろうな…という確かな予感があります。登録したメールアドレスに、閲覧用のパスワードが送られて来るということなのですが、どのくらい見ることになるかは不明です。

こういう時代ですから、当然の流れかと思われます。紙をデザインするのも、ウェブコンテンツをデザインするのも、デザイナーの手間はさして変わらないと仮定すれば、ウェブコンテンツにするためのテクニックが余分に必要になります。…が、きっと最初の(ベースの)構築さえしてしまえば、月々の記事内容や写真の差し替えには、テクニックがさほどなくても対応できるのではないかと想像します。紙媒体に仕上げるには、そこから用紙の準備、印刷、製本、発送などの手間がかかるのが、ウェブではすべて省略することができるわけですから、かなりの広告費用が節約できる可能性があります。

この会社の情報誌だけでなく、すべてが同様の方向に進んでいる世の中です。paperの語源として知られるパピルスが使われ始めたのは古代エジプト時代。グーテンベルクが活版印刷術を発明したとされるのが1445年ごろと言われています。今はデスクトップパブリッシングの時代で、活版印刷は絶滅に近い状況でしょうけれど、原点は紛れもなく活版印刷にあり、そうやって印刷された紙を手に取り、目を走らせて、私たちは生活の情報を取得してきました。

パピルスや活版印刷の発明に相当する、もしくはそれ以上の変化が、近年の「ペーパーレス化」ではないかと思います。それは単に情報の提供の仕方、取得の仕方が変わった…に留まるものでなく、思考形態の変化をもたらすような気がしています。必要な情報を的確に伝える…という、情報の本来の側面から考えると、それが紙媒体であってもウェブコンテンツであっても同様で、人はその媒体に合わせて情報を取捨選択する能力を身につけるでしょうから、「いや、この手触りがないとね」とか「ページをめくるこの感覚が…」と言っている旧い人間もいずれ淘汰されることと思います。

そんなことではなくて、もっと根本的なものが静かに、でも確実に変わろうとしている気がします。何に目を留めて、何に心を躍らせ、何に気持ちをざわつかせ、何にキラキラするか…みたいな。生き方そのものが、大きく変わろうとしている気がします。そうだとすれば、自分はやはりこの時代と共に去ってゆく世代の人間なんだと、そんな風に思えてきます。

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