ぱそらぼ (ぱぁと1)

パソコン講座を、まじめに愛するブログです

贈り物

2018年11月28日 | 社会派らぼ
がんや肝炎の治療薬に使われるたんぱく質を含む卵を産むニワトリが、産業技術総合研究所でゲノム編集技術によって作られました。これまでから、大腸菌などを使う手法があったとの事ですが、それよりはるかに安価で大量生産が見込めるというものです。このニワトリ(オス)を野生のメスと交配させたところ、1個あたり卵白中に30~60ミリグラムの「ヒトインターフェロンβ」を含む卵を産むメスが生まれたようで、卵1個で6000万円から3億円に近い生産性だそうです。

ゲノム編集は、生命科学研究の潮流を変えるテクノロジーだと言われています。ゲノムというのは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)の合成語で、DNAのすべての遺伝情報のことを指しています。難しい事はよくわかりませんが、要するに思い通りに、標的遺伝子を改変することのできる技術です。上記ニュースが報じられた中、「ニワトリが生まれた」ではなく「ニワトリが作られた」と表現されているのが、目に留まりました。自然の摂理に従って生まれたのではなく、人間が人為的に作ったというものです。

同時に、中国の研究者が、ゲノム編集技術を使ってエイズウィルス感染しにくい体質に変えるような編集で双子の女児を誕生させたことを動画で発表し、中国国内にも批判が広がっているというニュースも見かけました。南方科技大副教授のこの研究に対し、大学は「国際的な学術倫理に著しく背いた」という非難声明を発表しており、調査に乗り出すとしています。

前者はおそらく生命科学の輝かしい技術として称賛され、後者は倫理に著しく背いたとのそしりを免れません。…が、倫理的には大きく異なる2つの研究も、研究室の中の顕微鏡下では、ほぼ同じ科学的興味と知識の上に成り立っているような気がします。それをニワトリに適用して治療薬を生産することは良い事で、人に適用するのは悪い事だと判断する「理性」は、そういつまでも保てるものではない気がしてしまいます。

旧約聖書の創世記には、禁じられた「善悪の知識の木」の実を食べ、アダムとエバがエデンの園から追われたという記述があります。キリスト教ではそれを「原罪」という言葉を使い、誰もが持っている罪だとしています。アダムとエバはの6000年も前の人という事になりますが、以来、人間の英知は「知識」を求め、輝かしい研究を積み重ねて今に至ります。生命のもっと根幹に私たちは立ち入るべきでは無いのでないかと私は思っています。

ゲノム編集はいつかは、それぞれが手に入れたいものを手に入れる世界に足を踏み入れていくのではないでしょうか。美しい顔が欲しい、類まれな運動神経が欲しい、強靭な身体が欲しい、天才的な頭脳が欲しい。人間の欲求は留まるところを知りません。私は無神論者です。神がいるとしたら、それは人々の心の深淵の中ではないかと思っています。それぞれが何か一つ神からの贈り物をもらって、この世に生を受ける。その贈り物が何かは知らされていない。それで良いのではないかと思ったりしています。

* * * * * * * * * *

webを閲覧している突然警告メッセージが表示されました

パソコンのご質問を(ぱぁと2)にまとめています。ご連絡の際は、メール(chiko_419@yahoo.co.jp)をお送りください。

↓ 尚、下の広告は、gooブログに自動で掲載されるもので、当ブログとは一切関係はありません。