蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

地吹雪の天狗原、愉快な遭遇、雪国の世間

2012-03-26 10:57:46 | 山とスキーでブラブラ

春は名のみの、風の寒さや~

今年8回目の信州・雪国通い。20日も相変わらず空気は冷たい。
しかし、季節は進んで、毎回5時半頃休憩する名神・多賀ICでは、もう明るくなってきている。

高瀬川沿いの道からは、白馬三山がかろうじて見える。

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ズームすると Imgp3058

FM長野のゲレンデ情報では、栂池の積雪量は280センチ、ワタクシが今年聞いた最大量だ。

21日の天気、予報は悪くないのに、朝から雪が降っている。定宿の主人は除雪機を動かしていた。日曜は雨、月曜は雪だったらしい。
しばらく宿でウトウトしていたが、雪も止んだので取りあえず出発。

Imgp3059_2 ゲレンデは晴れているが、上の方はガスが掛っている。

Imgp3060 10時過ぎ、林道には複数の先行者の跡が。

Imgp3061 ロープウェイの駅と自然園、パッとしない景色。

天狗原の登りに差し掛かると、サササッと登って行くスキーヤー一人。その下に休憩中の一人。
休憩中の一人は何度かご一緒した、川崎のYさんだった。
「いゃ~あ、久しぶり、どうしてたのォ~、ボクも去年からシーズン券買って、通ってるの」

今年は2月下旬にコケて、現在アバラ骨折中らしい。シェルの硬い兼用靴を買って、ハンノ木斜面滑っていて、TLTが外れたとか。硬い靴でTLTを履くと外れ易いとのこと。
ワタクシも2週間前からフレックス130のブーツだが、滑っていて外れた事はない。登っている時はしょっちゅう外れるが、これは多分装着未完だから、と思う。
まぁこの人、元スキーレーサーだから、力の入れ具合がワタクシなどとはレベルが違う。言っている事が良く判らない事も多い。
「で、最近は登りばっかりやってるの、下りはゴンドラで降りてるの」
「レーサーが登っとったらあきませんやン、下りゴンドラて、まぁナサケナイ」

しばらく一緒に登っていたが、登りきる手前で、「鼻血が出て来て止まらないから、ここで戻りま~す」
斜面のど真ん中を、ボードを杖にしながらゲレンデボーダーが登っている。

Imgp3063 12時過ぎ、天狗原着。乗鞍の斜面方向からの地吹雪が凄い。サッサと帰りましょ、祠の横の岩陰に隠れても、シール外して仕舞うのが大変だった。

Imgp3064 朝、ウッスラ積もった雪を蹴飛ばしながら、まぁまぁ快適。

Imgp3065 下った所にYさんがいて、この斜面気持ちが良いので、もう一度登り返して滑るとか。ゴクロウサマです。

Imgp3066 尾根を越えて自然園方向へ。

Imgp3067 ロープウェイの駅の下をくぐり、南俣の谷へ。

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13時半、栂森カフェテリアに着いて板を外していたら、見覚えのある人が近付いてきた。
ヒョットすると、先週、先々週に自然園で遭遇した写真家さん?
そういえば、Yさんが天狗原の斜面を先行しているのは、「松川に住んでて、毎週来てルと言ってたよぅ、蓮華温泉まで行くンだって」と言っていた。

「コンニチワぁ、さっき天狗原にいました?下にいた人、ボク、顔見知りなんです、その人から蓮華温泉へ行かれる、と聞いていたンですが、止めたんですか?」、あの地吹雪では引き返して当然でしょうね。

カフェテリアで少しお話しした。
お仕事は、ナント、扇沢へ行く途中にあるリゾートホテルのシェフさんだった。
今年廃業したJR東日本のホテルが、国鉄ロッジと呼ばれている頃、そこから呼ばれて、信州へ来て、その後、色々な縁を経て、そのリゾートホテルのシェフさんになられたとか。
また、我が定宿の近所にあるらしい、ホテル「Y」のオーナーとは山仲間だそうだ。
今日はカモシカカップルを撮られたそうだ。雪洞から仲良く並んで姿を表している画像を見せて頂いた。ツガイを見るのは珍しいとか。
そう言えば穂高神社には、男女仲良く並んだ縁結びの道祖神があった。この辺りの男女♂♀はみんな仲良しなのか。いいなぁ。

「またお会いするかもしれませんので、よろしくお願いします」、と言って別れた。

夕食時、宿のオカミサンに、「先週、先々週、自然園で会った写真家サンと、今日また会いましてねぇ」と、カフェテリアでの会話を話したら、
「ワタシの実家、国鉄ロッジの近くで、この地区の集まりなんかは、よく国鉄ロッジでやってたンですよ、ワタシも何回か行ったし。あそこ(=ホテル「Y」)とウチ、親しいンですよ、忙しい時手伝ってもらったり、ウチのオトウサン、あんな(足が不自由)だから、お客さんに案内なんか頼まれると、あそこにお願いするンですよ。その(扇沢へ行く途中の)リゾートホテルも、食事会なんかで、よく行くんですよ」、ホテル「Y」の人達をチャン付で呼んでいた。

ナントまぁ、雪国の世間は狭い。色々繋がっていて面白い。

「カモシカのツガイねぇ、山の中で大人しくしててくれたらいいンですけどねぇ」、最近はカモシカが麓まで降りて来て、畑の作物を食い荒らすそうだ。
「ウチの畑の側、歩いてますよ」
そりやぁ、山に生えてる草木より、ニンゲン様が食べるヤサイの方が美味いンでしょうナ。
「ボクの六甲山の中の実家では、イノシシが時々出て来て庭の球根、喰って行くンですよ」

ニンゲンと動物の世間が近いのは、神戸も信州も問題です。