蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

ホワイトアウトの天狗原でランチする老人達

2012-03-10 12:25:40 | 山とスキーでブラブラ

今年の信州・雪山通いでは、一度もチェーン規制に遭遇せずに済みそうだ。

昨年は、神戸を出る時から雪の日もあったが、6日は雨の中を出発。名神~中央道でもズット雨。
豊科ICでやっと止んだが、大町辺りからはガスが出て来て、宿の駐車場へ着いて、やっと晴れた。
前日はベチャっとした雪が降って、それが朝から雨に変わった、と定宿の主人は言っていた。

ゲレンデは変な雪。急にクククッとブレーキが掛った感じで、つんのめりそうになったりする。
風も徐々に強くなって、ゴンドラがかなり揺れ、「ケーブルが支柱から外れンやろか」、コワイ。
前も後ろも誰ひとり乗っておらず、急に不安になって、ヘルメットを被りなおしたりして。

結局、栂の森のリフトは12時過ぎに休止、ゴンドラは13時前に休止。その後、順次リフトは休止、「下の方のゲレンデでお滑り下さい」とのアナウンス。

翌7日、天気は今一つパッとしない。朝食後、部屋でウトウトしていたが、取りあえず登ることにした。

林道に付くと、ナント団体サンがゾロゾロと。Imgp3007

栂の森ゲレンデはジャンプ台などを造成中。Imgp3008

10時10分過ぎ出発。

成城大小屋付近で少し晴れ間が。Imgp3010 ボーダー3人程が自然園方面へ進んで行く。

天狗原の登りに差しかかると、前にはスノーシューのグループ、その下にボーダー二人。

ボーダーの一人は分割式のボードで、スキーのシール登高と同じ動作で登っている。真横で見るのは初めてだ。
「エライ変な恰好のファットやなぁ、と思うたけど、それボードかぁ」、思わず声を掛けてしまった。
育ちの良さそうな青年、「エエ、そうなンですよ」
「滑る時、チャンとくっ付くのォ?」
「ハイ、チャンとつきますよぅ、簡単に」
「へぇ~、オモロイねぇ」
よく見ると、遅れ気味のパートナーは女性だった。デートの邪魔をしてはいけない。サッサと先行する。

急斜面を登りきるとガスが出てきた。そしてアッと言う間にホワイトアウトになった。時々、数m先に灌木が現れたり、消えたり。
祠の方向へカンを頼りに進む。最大傾斜線に沿って進めば絶対着くが、ナンセだだっ広い天狗原、ホンマに着くンやろか。
やがてゴツゴツした岩がウッスラと見え、その先に祠があった。
ホワイトアウトになって、10分前後(?)、しかし、いつもこう言う時、この時間が長く感じられる。

Imgp301112時過ぎ着。

祠の裏にはナント、老人グループがランチ中。「コンニチワ」
5~6人の、多分ワタクシより一回り以上年上のオジイサン、オバアサン、皆さんテレマーカーの様だ。
一人のオバアチャンの携帯が鳴りだした。「モシモシぃ、・ ・ ・、ムムム、登録してない番号やから、まぁエエワ」
陽気なオバアチャンの声は大きい。

スノーシューの若者3人、サッサと下って行く。
「なんや、君ら下りもそれかぁ」
「ハイ、時間かかるンで、早目に降ります」

ワタクシも、サッサと降りることにする。

滑りにくいケッタイな雪だった。上の方ではガチガチで、下っていくと、雨でグサグサになって、そのまま表面が凍った様な感じ。踏み込めば踏み込んだだけ沈んで行く、これもモナカ(?)
林道から下の谷も、前日の滑った後が、そのままガチガチに凍ったようになっていて、ただひたすら斜滑降+横滑りで落ちて行くだけ。

13時過ぎ、栂の森のカフェテリア着。

ビール飲みながらボォーっとしていたら、天狗原でランチしていたと思しきお年寄りたちも到着した。
どうやら、彼らは一グループではなかった様だ。カフェテリアでは別々に席を取っていた。
一人のオバアサンが会釈して来た。この方たちはご夫婦(?)

今年になってよく見かける老人達。ダンカイ様が定年過ぎても数年、会社にしがみついた後、いよいよ職場から放り出されて、スキー場に出没しだしたのかと思っていたが、よ~く観察すると、彼らはワタクシよりひと回り前後年上の、団塊世代の数年先輩の人達の様だ。ダンカイ様はまだまだ稼ぎたい、スキーなどして遊んでられない、と言う訳か。

駐車場まで下って来ると、SUVの前でまた老夫婦が帰る準備をされていた。
ご主人はプレスされたスラックス姿。元銀行員?それとも大学の先生?見事な白髪の奥さま共々、仕草がとても優雅だった。