おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

13年目。

2006-07-10 08:50:27 | 我思う、故に書くなりよ。
「ハワイ日本人占い師殺人事件」なんてのを覚えておられるだろうか?

平成6年2月23日にハワイで起きた事件で、著名な占い師親子がコンドミニアムで殺害された事件である。犯人が日本人で、事件からほどなくして日本で拘束され、アメリカの司法当局に引き渡されるまで、ワイドショーでも連日大騒ぎだったので、ご記憶の方も多いかと思う。

でまぁ、この犯人のお父さんって人の秘書みたいなコトをしていたんで、リアルにビックらこいた事件なんだが、まぁ、終身刑くらって13年が経つんだなぁ…と。

裁判で刑が決まって、あちらの刑務所に入れられて、13年なんだが、たまーに外電として「刑務所がパンク…囚人の引越し…」なんて記事が出たりすると、この人が例…って感じで突然出たりする。日本だと囚人の引越しなんてのは医療刑務所あたりに…ってコトでしか無いと思うんだが、あちらじゃあちこち満員御礼で、転々としたりもするらしい…。

それはさておき、実はこの犯人とされている人物は「無罪」を当初から主張していた。未だに無罪を主張していると思うが、裁判じゃあまり有利な証拠も出て来ず、刑が決まってしまったんだけれど、細かく考えると「?」な点が結構あったと思う。

頻繁にはあるが、ひどく事務的な内容な「電話」のやりとりはしているので、彼の声も知っているし、事件の起きる直前にも短い事務的な会話はしている。だから、彼が普通に帰国して、お会い出来るコトを一応、楽しみにしていた。

何よりもお父さんが楽しみにしていた。

「うちのボウズがよぉ、途中ハワイで遊んでからこっちに帰ってくんだよ。帰ってきたら遊んでやってくれな。」

ボウズって言っても、いい大人ではあるが、犯人として帰国した彼とは似ている様で全く違う私と並べて見たかった様である。帰国していきなり重要参考人として身を潜めるコトになったので、TVの画面を通してしか彼とは会っていない…。

で、アメリカに引き渡された直後から、お父さんを始め、家族の戦いが始まった。そりゃまぁ、あっちで裁判するんだから、こっちでやるだけでも大変だろうから、並大抵の戦いじゃ無くなるワケで、支援活動もすぐに始まったんだけれど、

「おまえも手伝えな。アイツやってねぇんだから…」

と、半ば強引に。ところが、私の本業がマジで忙しくなったもんだから、手伝うもクソも無くなって来ちゃって、体が言うコト利かない。あの頃は「地価税」なんて課税があってね、膨大な土地を資産として抱えた会社じゃ、エライ目に遭わされた担当者がかなりいたと思う。いい加減に何も考えずに使えない様な土地ばかり買い漁った不動産屋は死ぬほど大変だった。特に、国税から目つけられてたんで、誤魔化すワケにも行かなかったし…。

それ以前に、本当にやってない…と言う割には不利な話ばかり出て来るのはワイドショー見て知っていたし、週刊誌でも大きく誌面を割いていたので知っている。本当にやっちまった人を、やっていない人として支援するには、信義にもとる…。で、父に不審とされる点について幾つか尋ねてみた。

ところがね、父は疑問を解くだけの回答とか反論を持っていなかったのである。まぁ、うかつに話すと週刊誌、ワイドショーってマスコミに流れるとか、裁判始まったばかりなので、詳しく判らない…と言う意味もあったとは思うが、本当にやってない…と信じるだけの材料が出て来なかったんである。

正直なトコロ、これはちょっと驚いた。その場のコトだけでなく、その後も数年同じだったのだが、言いたくても言えない…と言う顔をしているからだった。

「殺人はしていないが、事件と全く関わりが無いワケじゃない?」

と何度か時間を置いて尋ねたが、

「するどくなったなぁ。まぁ、そのうち裁判資料でも見せてやるよ…。そうだ、今度クリントンに会って来る。オマエも行くか? 忙しいか…そっちは…」

別件で警視庁に事情聴取される羽目に、こっちがなっていたもんだから、会う事も、同行するコトも適わなかったが、その後、本当にホワイトハウスで大統領に陳情みたいなコトをしてた。

でも、色々と考えると、やってるような…やってないような…スッキリしないまま、13年が経つのである。その間、彼の父も世を去り、ついに詳しいコトは聞かずじまいになってしまった。

唐突に、こんな話を書いたのも、何だか変な話だが、W杯決勝見るんで、ちょっと寝たら、夢の中に父が出て来たんだ。

「なぁ~にやってんだ、オマエ…。ヒマなら兄貴のトコロにでも顔出せ…」

ここで出て来る「兄貴」は私の恩師でもあり、犯人として遠いアメリカにいる彼のおじ…にあたる人である。そう言えばご無沙汰だし…。ちょっと色々と調べてみるのも暇つぶしにはいいかもしれない。無実なら無実の主張ってもんがどこかにあると、思うのだけれど、それも13年、聞こえて来ない。単に「無実だ!」となら、誰でも言えるし、実際にそう言う人は多い。何が判って、何が判らないか、改めて眺めてみるのも良いかなぁ…と。

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