エンタのツボ

何１０年ぶりかというほど久しぶりに、NHK「のど自慢」を見た。
私の父が実は「のど自慢」大好きなので、実家にいたころは「日曜昼はのど自慢」だったのだが、さすがにその後はごぶさただった。

「♪ミ・レ・ドーシ、レドシラソ・・・・・」
うわあ、変わりませんなあ。
でも、なんか違う。
かつて出演者はひとりずつ舞台に走り出ていたように思うが、
今は舞台上手に全員の顔が見える状態で待機し、
他の出場者が歌うあいだも、揺れたり、手拍子をとったりして、
「おはやし」の一員として大活躍だ。

それにしても、みなさん、ウマイ！
かつては、舞台に出たはいいが、名前もいえず「あ・・・う・・・・」
曲が始まり「ハ～～～、あれッ、あれッ・・・・・・」
「カ～ン！！！！！！」
という御仁がひとりならずおられたものだが、
そんな方はおられない。
千葉県柏市のせいなのか、最近のカラオケの発達のおかげなのか、
ただ「歌える」だけでなく、エンターテイメントも計算され尽くされている。

同じ銀行に勤めるという男女のペア。
女の子は本田美奈子の「～～マリリン」というやつを歌い始めた。
傍らのビジネススーツ姿のサラリーマンは直立不動だ。
・・・・・・何するんだろ？
いきなり、はじけたようにタンバリンを振り回し、
ぜんまい仕掛けの人形のように踊り始めた。
これがまた、ものすごく複雑なリズムを正確に刻んでいて
「おぬし、かつてはドラムかなにかやっていたであろう？」といいたくなるような
ウマサだ。
曲が終わると、ネジが切れたように、スの銀行員（店長代理らしい・・）に戻った



私の学生時代の悪友は「ウケのツボ」についてうるさく、
一緒にカラオケにいっても
ポップな曲が並ぶなかに「昭和枯れすすき」「月の法善寺横町」等をなんとも絶妙のタイミングでつっこみ、
こちらも死ぬかと思うほど笑ったものだ。
当時は２０前後の娘がこんな曲をいきなり歌うので、そのギャップでおおいに笑えたのだが、
（当時演歌というと、中年のおじさんおばさんが歌うものと思っていたので）
今だとどうなのだろう・・・・
いきなり私が
「♪きめたァ～、きめぇたァ～、おまえぇを、みちィづれにィ～～♪」
と熱唱したら、「さもありなん」という風体に映るのだろうか？


＜追記＞
↑の歌詞は「おまえを」ではなく、「おまえと」であるとのご指摘
をいただきました。
詳しくはコメントをご覧ください。