once in a blue moon

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ケンジントン公園のピーター・パン像

2013-03-14 | ピーター・パン


私にとって、かけがえのない場所ー
それは、間違いなくケンジントン公園です。



特に4月末からのケンジントン・ガーデンの様子は
新緑がキラキラ輝き、もっとも好きな光景が広がるのです。

旅行をしたときは、とっても寒い春であったので
私が暮らしていたときほど緑はなく、若葉がひょっこり顔を出したくらいでしたが…^^

                   

アルバート公の銅像を背にして、私の「大好きな男の子」に会いに行きます。
このようなショットで映画「ネバー・ランド」でジョニー・デップが歩いていました。
ジョニー・デップ…パイレーツ・~シリーズに出演するまでは
知る人ぞ知るイケメン俳優でしたが、あっという間にファンが増えましたね^^
学生の頃は、ほんの一部の友人しか知らないオカルト映画俳優(笑)のイメージだったのに。



アルバート公を偲ぶ印は、銅像以外にもあります。



ロンドンだけにいえる事ではなく、ヨーロッパ全体として
空の色はクリアなブルー、そして緑が爽やかなグリーンです。
ブロッコリーみたいなモリモリしたアジアの緑も好きですが
ヨーロッパのフレッシュ・サラダみたいな緑もなかなかです。



ロンドン暮らし1年の中で、もっとも長い期間いた場所が
ここKensington Gardens
ヒーリング・スポットという場所があるならば、ここだと断言できるほど私には大切な場所なのです。



夏場は、新聞紙をしいて(朝夕のフリーペーパーを街の至る所でもらえます)
スーパーで買ったサンドウィッチをほお張りながら
読書を楽しんだり、妄想(?)に耽ってはこの清々しい空気を存分に味わいました。



空を見上げると、真っ青なお空。
突き抜けるような、クリアな空は心の中をからっぽにしてくれます。

そうして、美しい空と緑に癒されること10分ほど…



「少年」はいつも、この場所で待っていてくれます。

1912年5月1日。
時の人気舞台作家ジェームズ・マシュー・バリーはここケンジントン公園に
知人の息子さんをモデルに「ピーター・パン」像を建てました。

ピーター像のモデルとなった少年は、デイヴィス夫妻の4男マイケルです。
ちなみに「ピーター・パン」のストーリー前身となる「小さな白い鳥」に登場する
小説の語り手「私」はバリー自身で
その会話の相手役であるデイヴィッドはデイヴィス家の長男ジョージです。
ピーターと言う名は、3男ピーターから。

ウェンディの家族は、デイヴィス家がモデルとなっていて
デイヴィス家があった場所も、ノッテイングヒル方面にあるので
ピーター・パンファンの聖地のひとつとなっています(過去に訪問経験があります)

                   
※ 写真はGOSH、jmbarrie.co.ukより承諾を得て掲載しております。無断での使用はご遠慮ください

写真の少年が、ピーター・パン像のモデル「マイケル・デイヴィス」です。
彼は、特にバリーに可愛がってもらい
両親が亡くなった後は、バリーの養子になります。
しかし、作家を目指して大学へ進学した後に、自殺と思われる死が彼の人生を
あっけなく終わらせてしまいました。

デイヴィス5兄弟とその母親シルヴィアを愛しながらも
長男ジョージは第1次世界大戦で戦死、3男ピーターは鉄道自殺、4男マイケルは溺死
バリーは次々と大切な人たちを亡くし、失意のどん底だったそうです。



1912年から2012年へ。
ちょうど100年が経った年に、ここへ来られたことへの感謝の気持ちを忘れたくありません。

私にとってこの場所は永遠であり、はじめてピーター・パンを読んだ日に抱いた感情を
唯一思い起こしてくれるーバリらしい表現をするならば
心の引き出しの奥に大切にたたんであるその感情を広げて眺めることの出来る場所なのです。

                   

ピーター・パンのお話は、2つあります。

ひとつは、世に知られる「ピーター・パンとウェンディ」
もうひとつは、前者より前に書かれたピーターとウェンディの前身となる少年ピーターと少女エイミ。
ピーター&ウェンディに対して、ピーター&エイミーはひどく幼く
もっと物悲しさが残るストーリーです。

何せ、テーマが「人生にチャンスは2度はない」…ですからね^^;
本当に残酷なまでにセンチメンタルなお話です。

それをどうにか、肯定なのか否定なのか…したい人が
公式的に書かれた「ピーター・パン」の続編が「ピーター・パン・イン・スカーレット」
これに関しては、とても複雑な感想を抱いてしまいますが
いちファンとして、ひとつの解釈として描かれていると認識しています。

「小さな白い鳥」版でも「ウェンディ」版でもピーターというこどもが
永遠にこどもである「理由」となった「きっかけ」の事柄を
公式続編版では子供に戻ったウェンディが静かに理解し、ピーターに諭します。
その件は、「大人になった」私にはなんとなく納得できるものでした。
そして、そうであって欲しいと願います。

                   

きっとウェンディと同じように「母親」になったら
また印象は変わるのかも知れません。
わたしは、ウェンディと同じくらいの年からこの小説を読み続けていて
そのたびに感じるものや、分かってくるものも、分からなくなるものも違っているので…。



あまりにも有名すぎて、でも実は知られていない「ピーター・パン」というお話。

ただの御伽噺と一蹴するには、少々もったいないものであると思います。
もし将来のこととか、就職のこととか
そういう事を考えずに趣味として進学することを選んだとしたら
わたしは、間違いなく英文学を専攻し特にバリーの作品について研究に没頭できたことでしょう。
でも、好きなものは趣味程度が一番なのでネ♪
ピーター・パンについては論文が書けるんじゃないかといつも思います(笑)



あ、ピーターの影法師!

やんちゃなピーターの影法師は、ピーターの身体から離れて
ウェンディ達の寝室で逃げ回ります。

ようやく、捕まえたものの「男の子」だから影法師のくっつけ方が分かりません。(←石鹸で頑張る 笑。)
癇癪を起こしたピーターは、やがてシクシクと泣き出します。
その泣き声で目覚めるウェンディ。
彼女は、ピーターよりも「知っている」事が嬉しくて
少し「お姉さん」ぶってその影法師を縫い付けてあげることにしました。

そこから、冒険のはじまり。



ピーターのそばには、ティンカー・ベルという妖精がいます。
この妖精の誕生のエピソードはひどく素敵です。

「ね、ウェンデイ、最初に生まれた人間の赤ちゃんが、初めて笑い声を立てるとね
その笑い声が幾つにも小さく割れて、みんなそこいらじゅう跳ね回るようになるんだよ。
それが妖精のお誕生なんだ」

ピーターいわく、みんな一人ずつ妖精はついているーハズなんだって。

ハズ。

「うん、いないのさ。それはね、今のこどもは何でも知っているだろう。
だからすぐに妖精を信じなくなってしまうんだよ。
それで子供が『妖精なんているもんか』なんて言うたびに、
どこかで妖精が一人ずつ倒れて死んでいくんだよ」

このエピソードを始めて読んだときに「しまった!」と後悔した幼かった私^^

                    

少し「ピーター・パン」のエピソードをご存知の方なら
妖精ティンカー・ベルがピーターを守るために毒を飲み瀕死の状態になるシーンに覚えがあるはず。

倒れこんだティンクは、低い声でピーターにこういいます。

あたしは、また元気になれると思うわ。
もし、小さな子供達が、妖精というものを信じてくれればね、と。

そこで、あたりには子供ひとりいないのにピーターは手を広げて呼びかけます。

「きみたち、信じるかい?」

ピーターは、「みんな」に向かって呼びかけるのです。
今は「夜中」なのに。
でも、こどもたちは夢の中ではネバーランドの夢を見ているはずです。

そして、更に子ども達に向かって叫びます。

「もし、君たちが信じてくれるなら」

寝巻きを着ている男の子や女の子、籠に入った裸の赤ちゃんにまでです。

「手をたたいてください。ティンクを死なせないで下さい」

大勢の子供が手を叩きましたが、しない子もいました。
しーっというひどい子もいたようです^^;

このエピソードは印象的なシーンなので、覚えている方も多いでしょう。
まさに、「舞台」であった作品らしいシーンです。

映画「ピーター・パン」ではこども達が歌うように
I do believe in fairies, I do, I do!!」という演出で
それは、夢を見ている子供だけではなく無意識におとなの中に残っている「こども心」に触れ
ウェンディの両親や叔母さんが口走ってしまうのです^^
この演出はすごく好きです!



冬になると凍ってしまうサーペンタイン池。

この先の「島」で鳥と暮らした赤子のピーターです。
人間でもない、鳥でもない。

礼儀を重んじるフック船長は、自分と戦っている相手は悪魔かなんかだと思っていただけに
紳士的な態度で戦う姿のピーターを見て、がっかりします。
そして、こう尋ねます。

「パン、きさまは一体だれだ、何者なのだ?」

すると、ピーターは答えます。

「ぼくは青春さ、喜びさ」

でまかせです。

「ぼくは小鳥だ。卵の殻を破って出てきたものだ」

これほど、バカげた答えをフックは礼儀の真骨頂と確信し
そうして生きる望みを失います。
フックは心が永遠に冷たくなる前に
一度だけでいいからピーターが礼儀知らずの行動をとるところを見たいと望みます。

意気消沈したフックは船べりに上がります。
そして、ひらりと空中をとぶピーターに最後の望みを伝えます。
それに答えるピーターは
剣で突き刺すのをやめて、足で蹴りました。

「この礼儀知らずめ。」

とフックは嘲笑うように叫び、ワニのいることろへ落ちていきました。
これが、フックの最期。

ジェイムズ・フックよ、英雄ならずとは必ずしも言い切れぬ男よ、いざ、さらば

とても好きな一文です。
フック船長がなぜ悪役でありながらも憎みきれないキャラクターであるかを
如実にあらわしている文言であります。



ピーターは自分自身がいったいだれで何者なのか少しも分からない

それが、ピーター・パンという少年の正体、それだけなのです。
この一文が、わたしにとっての永遠のテーマ。
分かりそうで、分からない。
シンプルなのに、むつかしい言葉などひとつもないのに掴めない文章
それが、私がピーター・パンに惹かれつづけている最大の理由なのだと思っています。

その夜、ピーターは泣きながら眠ります。
いつも見る夢、それは…。

サーペンタイン池に鳥たちがプカプカ浮いている姿をみるたび
そもそもピーター・パンとは…と考えてしまいます。



可愛らしい赤ちゃんがヨチヨチ歩いていました^^
ピーター・パンファンなら鳥と幼児がサーペンタイン池前でたわむれている姿に感動してしまうでしょう。



ウェンディはやがて大人になり、飛ぶことを忘れてしまいます。
そして、ジェーンという娘が生まれます。
彼女は、春の大掃除の時期にピーターが迎えに来てネバーランドへ出かけていきました。
そんなジェーンも、大人になりマーガレットという女の子が生まれます。
気まぐれなピーターがある春の大掃除のときにおうちにやってきて
マーガレットをネバーランドへと誘うのです。
こうして、生まれてくる女の子が次のピーターの「お母さん」になります。
それは、いつまでも、いつまでも続きます。

子どもたちが、陽気で、無邪気で、身勝手である限り、いつまでも、いつまでも、いつまでも

これが、小説「ピーター・パンとウェンディ」の締めくくりです。



ピーターはいつだって、ここにいます。
きっと、私がおばあちゃんになっても。



いつものベンチに腰掛けて
また、ピーターと向かい合える日が来るでしょう。

だって、100年も前からこうしてあるのだから。








大好きな、ピーター・パン。
離れるのは、とても惜しいけれど
緑のトンネルを抜けて、そろそろネバーランドから抜け出す時間です。



噴水のある出入口付近。
ロンドンという都会のど真ん中なのに、高層ビルが見えないのどかな風景。



写真の右上のほうにちいさな飛行機が映りこんでいるのが分かるでしょうか?^^
ここは、飛行機がとんでいる様が見られるスポットなんですよ♪



ケンジントン公園。
何度訪れても心が洗われるような美しい景色です。



ロンドン旅行、ついついミュージカルにティープレイスでアフタヌーンティー、ショッピングと
定番コースに陥りやすいですが、こうして公園を歩くのも最高ですよ^^



公園の芝生の上でランチは最高です!
夏のシーズンは、特にロンドンっ子がこぞって日光浴に励むので
人も多いけれど、にぎやかで楽しいこと請け合いです!

私たち夫婦は、将来またイギリスで暮らす日を夢見ています。
それはいつなのですか?と時々ご質問いただきますが
そう近い将来ではございません。

私たちは「小鳥」ではないので。
そう簡単に、窓から飛びだてないのです。

でも「ここ」へ戻る日が来ることを楽しみに
いまの生活を楽しんで送るつもりです。

そして、またバリーの故郷キリミュアへ行きたいです。
いつか過去に訪れたキリミュアの街の様子をブログでアップできたらしますね♪



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