誰の詩の一行だったか定かではないが思い出しながら庭先に
降る雨の音を聞き、一人 物思いに耽る。しとしとと降りしきる今日
の雨は物悲しく忘れ去った郷愁を想い出させる。純で初心(うぶ)で
野放図な時期(とき)の記憶が一瞬のうちに眼前に披瀝される。追
憶の彼方から現実に展開されると我ながら その頃の心の ときめ
き を覚える。沖縄の梅雨も、もう、明ける頃か、最盛期を反芻する
かの如くに降り続く雨また雨 雨・・・。風混じりに音の強弱をアップテ
ンポに演出し雨季 独特の競演を奏でる。時に強く、時に微弱に、
風と雨との見事な饗宴は美しいハーモニーを醸し出す。亜熱帯 独
特の四季の一齣だ! 翻って世界を見渡せばその対比で日本ほど
四季折々の風情に富んだ国土はない。春夏秋冬、季節の折り目が
鮮明で山紫水明・花鳥風月は往古・古来から営々と詩歌に文芸に
古典にと詠み継がれてきた。瑞々しい日本人の感性はその自然や
風土、国土からの影響で育まれてきた。しかし、その対極に資本の
論理で人工建造物がのきのきと天空を支配しコンクリートジャング
ルが乱立する。緑を悉皆、皆無にし高層建築が摩天楼を形成す
る。・・・あの情緒豊かな感性はどこに放り込んだのか見る影も無く
なった。かつては紫式部が「源氏物語」を世界最古の小説として創
作し、清少納言が随筆「枕草子」を世に送り華麗な女流文学が隆
盛を極めた。兼好法師も「徒然草」を発表し気炎を吐いた。紀貫之
だって負けてはいない。「土佐日記」をものにしている。・・・大古を
仰げば多神教を原祖とし神道・八百万の神を基底にして大らかに
<神仏混交>を日本民族の行動原理として風習・習俗・風俗、伝統
文化を形成してきた。即ち原初(元々日本に在る四季折々の国土)
の自然と文化・文物(独自の形成と輸入した文化)で独自の国風文
化を形成してきた。その伝統文化と文物が今、忘れ去られ抹消抹
殺されようとしている。伝統文化の危機である。その一端は市場原
理主義の跋扈にある。足元をしっかり見つめ日本独自の良さの再
認識がこれからの日本を救う。そう思いながらとりとめもなく思考は
拡散する。世界への貢献は力の論理ではなく、武力による威圧弾
圧でもなく、ソフトパワーが今後の世界を制する。中東やイラクに見
る終わりなき武力の応報の悪循環は限界が見えてきた。有力な平
和への手段たり得ない事を世界は認識してきた。そこにこそ日本
の出番がある。生き残る道がある。世界最初の核兵器 原爆の洗
礼を受けた日本だからこそ武力によらないソフトパワーで世界の平
和に貢献すべきである。ソフトを武器にしての外交で世界に貢献す
べきだ。一例を挙げると クリーンな環境技術、クリーンな環境電化
製品、竜巻、津波、地震災害の防災技術の開発と徹底的普及、豊
富な廃材からのエコ燃料エネルギーの創出、温暖化対策の環境製
品と技術の開発、サバクの緑地化、健康食材の開発と小資本多品
種の食料生産の技術の創出と開発、健康長寿と生命の維持活動
に貢献する産業の分野で日本の出番はあるし日本しかできない貢
献の分野がある。・・・梅雨明けまじかの雨天を仰ぎ見ながら、思い
は日本と世界に馳せたのである。・・・
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