西松建設事件の渦中に記者団の質問に対する企業献金の在り方につい
て小沢氏は見解を述べている。素直に受け止めると、長年の弊害が、いろいろ
指摘され改正されるべき、というのが今日の課題であったはずだ。それに対し
て、こんなに問題になっている折、抜本的に改めるべきだ、という思いで小沢氏
は述べたのだろうと思う。問題が問題だけに与野党内外に波紋が広がってい
るのは、寧ろ健全な証左だと考える。以下に与野党の見解を記述して、国民的
懸案として考えてみたい。・・・
●民主党・・・
1.全面禁止を訴えた議員は、歓迎。
2.労組出身議員や中堅ベテラン議員は、困惑。
3.若手議員は、「信頼回復、名誉挽回のために代表が一大決心をした」と
評価。
4.参院比例代表選出議員は、「“ここまでしなくちゃ実効性がないができます
か”という逆説的な言い方ではないか」と推測。
5.旧民社党系議員は、「“やろうとしてもできないでしょ”と言っているだけでは
ないか」と指摘。・・・
※小沢代表は成り行きを見守る姿勢で強制する話ではない、と述べている。更
に「私の問題で企業献金がよろしくないというなら、全面禁止以外にないんじ
ゃないですか」と、謙虚に受け答えしている。小沢代表に指示されて党内で
は政治改革推進本部(岡田克也本部長)を設置し規正法の見直しの議論が
始まる
●政府・自民党・・・
1.河村建夫官房長官は、「反省の上に立ってのお考えなのかどうか」と。皮肉
っているつもりで言ったと思うが、哀れ 犬の遠吠え に聞こえた。
2.山崎 拓前副総裁は、「政官業の癒着の象徴みたいな方が言っても始まら
ない」と批判しているが、自己の潔白をもってしての文言なのか、又、“政官
業の癒着”と言い切る確たる証拠でもあっての事なのか、日本記者クラブで
の講演での事とは言え仮にそうではなかった、としたら、どうするのか。更に
「小沢氏の政権取りは、そうは問屋が卸さないことになった」と言っているが
大誤算である。民主党内にはクリーンなイメージの清廉な方も居て、かえっ
て政権奪取には至近距離になる。氏の主張は自信過剰の域を出ない。
3.麻生首相は、「企業献金が悪という考え方にはくみしない、企業献金の正当
性に関しては、最高裁判決も出ていると記憶している。民主主義を実行して
いくコストとして、ずっとやってきた長い歴史の結果、今のものがある」
と。・・・三権分立の建前論を言っているがけで空々しく響く。
●公明党・・・北側一雄幹事長は、「企業・団体献金は規制すべきところが
ある、具体的には、企業・団体献金の年間上限額を引き下げる、政党支部
から、政治家個人への献金の流れを規制すべきである」」と述べている。
・・・一つの見識だと思う。
●社民党・・・福島瑞穂党首は、「社民党が投げたボールが返ってきた。野党第
一党が献金禁止の先頭に立ってもらえるようお願いしていく」と評価してい
る。・・・民主党にとっては鬼に金棒!援軍である。
●国民新党・・・亀井静香代表代行は、「企業献金をオープンにして、けしから
ん、とされるならそのものを禁止するしかない、との考えだ」と小沢氏の意を
汲んで解説している。反面「企業献金禁止なら大金持ちか、宗教家、労組
出身の政治家しか活動できなくなる」とも述べている。・・・然もありなん、と
思う。
※さて、小沢献金事件を総括して、よりよい日本の民主政治の実現の為に官
民一体となって政治浄化に努力すべき時期に来ている。
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