「農は国の本」、とは言い古された文言だがWTO、オーストラ
リアとのEPA等、世界の自由化の波は日本の農業の生き残りに
決定的影響を与える。私達の日常の食生活の在り様を左右する。
そこで基本的な農政に纏わる基本用語を理解し最近の農政の実
情を共有して現状打開の一助にしたい。・・・
●中山間地域・・・「1990年から導入された農業の地域区分で、
平場・中間・山村3地域のうち、<中間・山村>の2地域の総称。総
農地面積の約4割を占めているが、平野部が少ないなど立地条件
に恵まれず、人口流出や低成長などのため過疎化が激しい。低地
価や良環境などで一時は工場誘致や観光開発などが図られたが、
一部を除いて改善は進まなかった。しかし、自然環境に対する意
識の変化、巨大都市の弊害と都市住民の地方志向の強まりから、
この地域が見直され、1993年の農山村活性化法(中山間地法)
などで国土の環境保全と個性的な同地域の定住空間の形成が推
進されることになった。以後の変化は略。
●ウルグアイ・ラウンド・・・「8年に及ぶ 多角的貿易交渉 。1986
年9月に南米ウルグアイで始まった ガット(<GATT>)、 関税と
貿易に関する一般協定 加盟国によるラウンド<多角的貿易交渉
>のこと。合意を得るまでに8年にも及んだが、世界貿易の発展に
大きな道筋をつけた。48年に発足したガットは、加盟国間で自由・
無差別な貿易を推進し、世界経済の安定と発展を図るという基本
理念に則り、70年代までに7回のラウンドを開催。関税の引き下げ
や貿易障壁の撤廃など多くの成果を生んだ。しかし、80年代に入
って、保護主義の高まりや、サービス貿易など商品貿易以外の国
際取引の増加など、状況の変化に伴い新たな交渉の必要性が叫
ばれるようになった。それに呼応して開かれたのがウルグアイ・ラ
ウンドで、参加国は100カ国を超えた。交渉対象も拡張し、関税や
非関税障壁の引き下げや撤廃による市場開放だけでなく、サービ
ス貿易の規制緩和やガットのルール確立・強化が課題となっ
た。・・・
1.『農業分野の交渉が難航』、
2.『ガットはWTO体制へ移行』
の1.と2.は次回に記載する。
●ウルグアイ・ラウンド農業合意・・・ウルグアイ・ラウンド最大の争
点であった農業問題に関する合意。1993年12月に採択。対象期
間は1995年5月から2000年までで、世界貿易機関(WTO)が
中心となって合意の具体化を進める。主な内容・・・
1.農産物を原則として関税化することとし6年間で平均36パーセ
ント、各品目ごとに最低15パーセントの関税引き下げを行う。
2.国内農業保護政策を食料備蓄、環境保全、災害対策、開発研
究、基盤整備、生産と直接結びつかない価格支持などの<緑の政
策>と、それ以外の<黄色の政策>とに分け、後者への支出を計
量化したうえで20パーセント削減する。
3.輸出補助金を削減する、の3点。
1.について日本では、小麦、大麦、乳製品、豚肉などが関税化さ
れた。<米(こめ)>だけは特例として関税化を6年間見送らせるこ
とに成功したが、代わりに毎年一定量をミニマム・アクセス米として
輸入する義務を負った。1996年度のミニマム・アクセス(最低輸入
義務量)は国内消費量の4.8パーセントに当たる45万5000tで、
輸入国は米国、タイ、オーストラリア、中国。このミニマム・アクセス
は毎年増加し、最終年度には国内消費量の8パーセント相当量が
輸入される。
2.については日本では、2000年までに総額1兆円の農業保護
政策費を削減する。
3.は日本には、元々ない制度なので影響はない。政府は1.に関
して1999年4月から米の輸入を関税化に踏み切った。ただし、2
000年以降も、約70万tのミニマム・アクセス米の受け入れが必要
とされる。
■{参考資料}:「ビジネス・キーワード」より
●http://plaza.rakuten.co.jp/nahatm/diary
●http://d.hatena.ne.jp/naha36/
●http://plaza.rakuten.co.jp/okinawanaha67/
●http://plaza.rakuten.co.jp/okinawanaha/
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