66億の世界人口を支える水が深刻な様相を呈してきた。オーストヤリア
の大旱魃による(水不足で)穀物の壊滅、逆に大洪水の襲来で水没する島々。
乾季と雨季が齎す乾害・水害、自然が人間社会に計り知れない脅威を与えて
いる。全ては未知数の自然の為せる技である(遠因は人災であるが・・・)。・・・
確実に言える事は人間が自然を蔑(ないがしろ)にしその征服を目指して飽くな
き挑戦をした結果、文化・文明は獲得できたが、その代償として自然から、しっ
ぺ返しを受けている。CO2排出による大気汚染、地球温暖化対策に狂奔させ
られている現実がそれを如実に物語っている。爆発的人口増加、異常気象・気
候変動で水不足が深刻になった。日本に準えてみると自給率4割を切った食
糧。その輸入が先進国でも断トツの日本。飲み水でさえ世界中から輸入してい
る。水と食料、両方共、輸入に依存している。因みに輸入食料の水含有量を推
計してみると以下の通りになる(ある資料から引用)。・・・「“食物を生産するた
めに水が使われる。その輸出入は食物に含まれる水も輸出入しているのと同
じことになる”、その事から水含有量を換算すると、牛丼一杯に約1887リット
ル=風呂10杯分の水(仮想水)が使用されている。チーズバーガー と フライ
ドポテトの合計では1099リットル=風呂6.1杯分の水(仮想水)が使われて
いる。・・・考えてみたこともない現実を突き付けられると、あらためて水の有難
さを認識せずにはおれない。人口増加に比例して水の使用も増えてくる。当
然、世界の至る所で水不足になる。異常気象、なかんずく旱魃と水害の両極端
を人間に突き付けている。その例証が2005年の“アフリカ湖沼地図”による、
アフリカ最大の<ビクトリア湖>の水位が90年代当初に比べ1メートルも下が
っている。チャドやニジェールなど4ヵ国にまたがる<チャド湖>は面積が196
0年代に比べ9割も縮小している。中国各地の河川の水量も激減している。現
在、世界中では11億人の人が安全な水が飲めない現実がある。その為、下
痢やコレラで命を落としている。そういう現実からすると日本は恵まれている方
ではあるが座視できないのも又、現実である。世界の水不足の窮状からすると
“水の争奪戦”は近未来の現実となる。日本に降る雨の殆どは海へ流れる。ダ
ムに貯水しても毎年、夏の水不足が各地で起こっている。他人事ではない。国
連機構変動に関する政府間パネル(IPCC)の推計では2050年までにはアフ
リカ南部の利用可能な水は10~30パーセント減る、と予測している。“水不
足”は即“食糧不足”に繋がる。・・・振り返って見て日本の現状はどうなのか。
その食料も6割以上、日本は輸入に依存している。水と食料は日本にとっては
死活の問題である。食糧自給率を高めることこそ喫緊の課題である。そういう
現状から日本農業を新たな視点で見つめ直す「農業改革」が今、問われている
のでは?・・・
●付記:世界の食糧輸出国が自国の自給の為、輸出を規制している。それが
世界中に浸透してくると、日本はどうなるのか、その時、日本はどうするのか?
高度な優れた技術で乗り切るしかないのか? 限界点に挑む努力も突きつけ
られているのか?・・・
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