誰もが頂いた苦しみをその通りに苦しめるわけではありませんよ。苦しみを苦しむことができる者は限られています。さぶろう、おまへはその点では合格です。ここを苦しんでおかねば先々のいのちの重みや楽しみがうすらいでしまいます。そういう声が聞こえた。さぶろうは、声が聞こえても聞こえなくても、ともかくどうにもならなかった。うんうん唸って苦しんだ。毎晩、唸り声で部屋がよじれてねじれて膨れあがるほどだった。1年も2年も苦しんだ。そしてその結果、そこを突き破って幾分か高いところへ登って来た。この突破力はどこから来たのだろう。どうやって手に入れたのだろう。さぶろうの持ち前の力ではなかったように思えた。
おはようございます。ありがとうございます。今朝もいのちが続いております。さぶろうは、すううふううすううふう穏やかな呼吸をしております。それをそうせしめていてくださる大いなる働きかけのお慈悲さまを我が身に我が心に感じています。強がっていることも弱がっていることもいりません。手放しをしていていいのが幸せです。ジョウビタキがほんのすぐ近くまで来て、物干し棹にちょこんと止まって、さぶろうに挨拶をしています。こちらを窺って目配せをしています。尻尾がくりくり撥ねています。愛想のいい不思議な鳥です。さぶろうと友達になりたくてならないような素振りです。