いい気持ちになると垂涎(すいえん)する。涎(よだれ)が口元から知らず知らず流れ落ちてくる。じゃ、どんな場合にそうなるか。
1,おいしいものを食べたとき。(たとえば安納芋の焼き芋の蜜が出ているのなんて)これは肉体の口から零れるだろう。
2,お釈迦様に褒められたとき。(えっ、そんなときがあったの? いや、想像をしているだけだ。そうだといいなって。でも褒められるようなことができるんだろうかね)この場合は魂氏の口から涎がナイアガラの滝のようにどっさり零れるだろう。
3,やさしいおんなのひとにふんわり抱きすくめられたときに。(死後に天女だとか守護天使だとかが花園に来て迎え取ってくれるはずだ。約束ができているのでこれは確実)こうなれば胸のハートについている唇から垂涎するだろう。
4,してはならないお昼寝をしたとき。(授業中に先生の目を盗んでしてたな。机の上にほんとうに涎が垂れていて、それを隣の席の女の子に見られるととっても恥ずかしかった)これも肉体の口から。
5,按摩さんに行って背中を揉んでもらって気持ちよくなったとき。(涎を垂らしながら入眠してたようだ)これも肉体のレベルの営為。
6,お母さんが母性を発揮して庇ってくれたとき。(お父さんに叱られて泣き泣きしていると間に入ってくれて、幼児の僕は背中に負ぶってもらった)これは快感という感情部位のすることだったのかな。
7,肉体から精神が解放されるとき。つまり死んだ瞬間に。(束縛を離れて自由の身になるのだから、そりゃ嬉しいに決まっているよね)脳内の快感ホルモンがまず反応して全体がくったりとなるだろう。それからこの快感ホルモンは地上から遊離したスピリットの中をも流れて行くだろう。
8,光の宇宙空間を遊覧飛行しているとき。(いのちの向上レベルがどんどん上がって行って僕はレベル7~レベル10にまで高くなっている。そこでしか味わえないよろこびをよろこんでいる)ここまで来ると仏陀が垂涎をしていることになるだろう。仏陀は人間のいのちをここまで高くすることによろこびを感じている存在だから。
9,「きみが大好きだよ」「きみを待ってたよ」「きみに会いたかったよ」と言って向こうの方からこっちへ走り寄って来る人を見つけたとき。(えええっ、そんなハプニングを望めるのかな?) 願望が大きな口を開けてそこから涎をこぼしてしまうのかな。
10,かなしみをかなしんでいるのではなくて、そこを超克して、よろこびをよろこんでいるとき。(案外難しいことなんだよね、これが。よろこびなんてこの世に居る間に沢山沢山用意してあるのに、それをそうだと認識して受容し、やすらぎの天地空間に至ることは至難の業である)やっとここまで来られたねって言って感動が涙と涎をこぼしている。