「あなたが背負いきれない荷物を神さまがあなたにお与えになることはありません」「あなたがそれを背負っていける力があるからです」「もともとその力が備わっているか、背負った後で力が付帯させられるか、そのどちらかです」
そういうことをY先生がわたしたち学生にお話になられた。まださぶろうが大学時代のことである。さぶろうは若い頃にキリスト教学を学ぶ機会に恵まれた。その頃、深刻なノイローゼ状態だったさぶろうには雨が大地に滲みるように滲みたのである。
さぶろうは、自分の背負っている今の苦しみが、苦しみで終わりではないことを覚え始めた。苦しみの先に光が見えてくるように思えた。