The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

北欧ミステリーも熱いのです

2016-08-06 | 海外ドラマ

北欧ドラマに触れるについて この際曖昧になっている地理を把握するために中学生に戻りました。


前回もふれたのですが、、最近北欧系ミステリーが多くなったことに気付きます。
一種独特の雰囲気を持ち、欧米系のドラマとはどことなく異なる雰囲気を持つドラマが多
く内容も大変興味深く面白い作品が多いです。
基本的には英国ドラマ一辺倒なのですが、このところ北欧系にも興味を引かれています。


大分前から時々翻訳本は読んではいたのですが、一番印象に残り夢中になったのはやはり
『ミレニアム』だったと思います。
※『ミレニアム』(Millennium)
スウェーデンの作家スティーグ・ラーセンの手になる推理小説で、「ドラゴン・タトゥーの女」、
「火と戯れる女」、「眠れる女と教卓の騎士」からなる三部作です。
この作品は文庫本になる前、多分7,8年位前だったかと思いますが 何気なく手に取り読み
始めました。
スティーグ・ラーセンは残念ながらこの作品執筆中に亡くなってしまった為、途中からは
パートナーであった女性ともう1人の作家により書き続けられたものです。
何より主人公であるリスベットの強烈な個性、人間の抱える心の闇、出版会のスキャンダ
ル、警察組織の隠蔽工作等々ダークな部分もありながら これまでのミステリーとは一味
違う面白さを感じました。

この作品は映像化されテレビでも放送されていました。 又米国リメイク版ではダニエル・
クレイグ主演も制作されましたが これは観ておりません。

 
↑左がオリジナル版、右がハリウッドリメイク版

他の作品も同様なのですが、原作を先に読んでいた作品が映像化された場合 殆どの作品
には失望する事が多く(私見)、これは読んだ時に自分がイメージを作ってしまうせいもある
かも知れません。
又映像化された作品はキャラクターの変更、酷い場合はストーリーの変更もあり そんな意味
でもなかなか難しいものです。
勿論、原作を膨らませて依り良い作品になる場合もあるんですけど・・・・

この『ミレニアム』は原作の印象が強かった為、個人的な感想は原作が好きですね。

ところで、北欧系は人の名前、場所等馴染が無いせいか ピンと来ない事があり 名前を
覚えるのがチョット苦労・・・(汗)

※『キリング』 (The Killing) 
これも何気なくTVドラマを観始めた作品ですが、デンマーク生まれのドラマです。
後に知ったのですが、TV放送されていたのはアメリカのリメイク版『The Killing~闇に眠る少女』
でその後デンマークオリジナル版『The Killing』も放送されていたようです。
『The Killing』はデンマーク史上最高視聴率を記録、イギリスBBC Fourでも高視聴率を獲得
BAFTAでも最高優秀国際シリーズ賞を受賞した作品です。(この作品にはSERLOCK S3で憎っくき
マグヌッセンを演じたラース・ミケルセンも出演しています。 因みにラース・ミケルセンの弟が
マッツ・ミケルセンです)
アメリカリメイク版もエミー賞6部門でノミネートされました。

「誰が17歳の少女を殺したのか ?」というコピーにある様に、殺人事件捜査を扱うサスペンス
ドラマですが、次から次に現れる容疑者、それぞれの背景に隠された人間ドラマ、心の奥底に
潜む闇等々先の読めない展開で癖になるドラマです。
又、この作品の特徴は、1日を1話として扱っているので止められなくなる、アメリカの「ヴァニティー・
フェア誌」は”まるで麻薬の様だ”と絶賛していたと言う様に中毒性がありますね。
退職を目の前にしたバツイチ、子供持ちの女性刑事が相棒と共に捜査に立ち向かいます。

 
↑ 左がオリジナル版、右がリメイク版

アメリカ版は舞台をシアトルに設定してあり寒さと雨で オリジナル版のデンマークの寒々とした
空気感を踏襲しているようです。
寒々とした空気感、ヒロインの刑事のキャラクター等からオリジナル版を押す方が多い様です。
『ツインピークス』 + 『24』 を足した様な描き方で目が離せなくなります。


※『刑事ヴァランダー』(Wallander)
 
何度もひつこく繰り返していますが・・・・
スウェーデンの推理作家ヘニング・マンケルの「クルト・ヴァランダー」原作をBBCが制作、
ケネス・ブラナーが自ら製作総指揮、主演を務める刑事ドラマシリーズです。
ヴァランダー自身の家庭内の問題(離婚、親子関係)等を織り込み スウェーデンが現代社会の中で
抱える問題を含め人間味あふれるヴァランダー正義感溢れ事件に立ち向かう姿が実に見事に描かれています。
現地ロケを敢行している為 北欧らしい静かな佇まいも相まってながら重厚なドラマになっています。
かなり暗い面もありながら ケネス・ブラナーの素晴らしい表情、演技で引きずり込まれます。
AXNミステリーはS3まで、huluでもS2迄配信になっています。
クルクルブロンドヘアーのトム・ヒドルストンがキュートでしたが、S2迄でしたね。(残念!)

※『The Bridge』
北欧を舞台にしたドラマ「THE BRIDGEブリッジ」スウェーデンとデンマークを結ぶ国境の橋「オーレスン橋」
に放置されたひとつの死体を発端に、合同捜査を開始する刑事たちの活躍を描くミステリードラマ。
北欧の情景、家庭や社会事情も見られます。
この作品のヒットにより、
アメリカとメキシコの国境を舞台に置き換えた アメリカ版 ”The Bridge”「ブリッジ~国境に潜む闇」
 
↑左がオリジナル版、右がアメリカリメイク版 

英仏海峡トンネルを舞台にした 英仏合作リメイク ”The Tunnel” 「トンネル ~国境に落ちた血」


と次々にリメイクされ、大筋は原作に基づきながら それぞれの国情も併せ描きながら制作されています。
この作品に関しては、やはりオリジナル版が一番との評判ですね。

※『トラップ 凍える死体』 (Trapped)

前回も触れたドラマです。
何と言ってもアイスランド製のドラマなんて初めてです。
制作はアイスランドだけでは無く、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、
フィンランド等の国々のテレビ局が共同制作した作品との事です。
アイスランドという事で、兎に角寒そうです。(暑い時期に観るのは良いかも知れません)
アイスランドの北東の港町(この港町は7年前に少女が不可解な死を遂げたと言う忌まわしい過去も
あります。)に冬の嵐の中デンマークからのフェリーが接岸します。
時を同じくして港には身元不明の男性の惨殺死体が漂流しているのが発見されるのです。
フェリーの乗客、住民誰しもが犯人である可能性があるなか、地元警察の刑事が全員をターゲットに
して調査を開始します。
このドラマは未だ全部観終わっていないので、機会があれば後日改めて感想を書いてみようと思います。

※『スウェーデン国家警察特捜班』

このドラマはスウェーデンのミステリー界の重鎮であるアルネ・ダールの原作に基づいた傑作ミステリー
ドラマです。
この作品では主になる刑事に焦点を合わせる他作品と異なり 特別に集められた刑事がチームを
作り事件に立ち向かう作品で、チームを構成する刑事達が普通のオジサン、オバサン(暴言)でそれぞれ
私生活に問題を抱えた一人ひとりが人間臭いキャラクターとして描かれていて、ストーリー展開が魅力な
作品です。
一見地味ですが、拾い物(?)のドラマでなかなか面白い作品でした。

※『エリカ&パトリックの事件簿』

スウェーデンのアガサ・クリスティーと称せされるカミラ・レックバリの原作に元ずくドラマです。
女流作家であるエリカと彼女の幼馴染の刑事パトリックの2人が協力して事件解明に立ち向かうのですが、
やはりこの作品もスウェーデンの社会背景、地域社会との結びつき、複雑に入り組んだ人間関係、心理
描写などを克明に描き出している話題作です。
因みに、私は随分前に原作を読んだのですが、又もや詳細は霧の彼方です。

それにしても「リメイク作品」が多い事に気付きます。
以前は その昔ヒットした作品をリメイクするという形が多かったのですが、最近は何か大評判になり
大ヒットした作品があれば即リメイクされる傾向があります。
”二匹目のドジョウ”を狙うのでしょうが オリジナル作品の印象が強ければ強い程リメイク作品で同じ
ようなヒット或はそれを超える評判を得るのは難しい様な気がします。


以上思いついた作品を羅列しましたが、兎に角北欧ミステリーに関しては人気急上昇中で作品映像化も
増えています。
北欧系作品は暗い、重いと言った印象も確かに否めないのですが、これは気候風土からイメージされる点、
映像化された作品の画面のトーン等の影響もありますが、他国の作品に比べて社会風刺、人間関係を濃密に
描いている、決して明るく楽し面ばかりではないのですが、全て心に深く入り込む作品ばかりで こんな
点が注目される原因になっているのかも知れません。
アメリカドラマの様に熱々ではないのですが 静かで冷たい熱さ(理解不能?)を感じます。

雑な情報ではありますが、出来れば欧米系とは一味違った作品を一度ご覧になって頂ければお気に召すかも
知れません。











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