立位および歩行訓練

2011-03-15 | リハビリ
福井県立病院回復期リハビリ病棟(旧5・4病棟)でおこなった、「立って歩く訓練」の内容です。皆さんご存知の内容、経験されている内容ですが、参考にしていただきたいと思います。また、あっけなく、ものすごく簡単に思えますが、「脊髄損傷の麻痺」を理解してない方が、できない患者を攻めるのは間違いです。

この怪我をするとへそから下が麻痺(びくともしない)してしまいます。足だけが動かないと思いがちですが、私のような「ゴリラ」でも、手と頭しか動きませんでした。また「内臓」の麻痺が、ものすごく心を押しつぶします。

マッサージ、ストレッチ、筋トレ
PTがマッサージをします。
ストレッチは、足が折れる、腰骨が折れるぐらいですが、「痛い」と言うより「苦しい」感じです。自然と涙が出ます。
筋トレはPTの胸に足のウラをつけて、「押すよう」に言われます。転落防止柵を使い慢心の力で押します。足は動きませんし、感覚もありませんが続けます。

立位
平行棒を使い患者本人が、一人で立ち上がります。左右の腕の力だけで立ち上がりますが、「リハビリをあきらめさせるため」と思えるほど、ひどい思いをします。二日目にリハビリを続けることは、困難だと思いました。初日に立った感覚では、岩壁に張り付いている感覚でしたので、応用してみました。

足元は岩壁とは違い、水平面ですので、足裏全体が床面に接地しています。ポイントは「靴ウラの抵抗」を利用します。両足を気をつけの位置にそろえ(肩幅まで広げてもかまわないと思う)、平行棒を手の位置と足の位置が並列になる位置を握ります。そのまま平行棒を握る力を使い上に、立ち上がるように腕の力を入れます。

立ち上がれたら、「体操の吊り輪」のように腕の力で足を浮かせる感じで姿勢を整えます。そのまま足を下ろし、バランスをとりながら平行棒を握る力を徐々に抜いていきます。これで立てれば「姿勢」が正しいので、遠くを見てさらにバランス、姿勢を整えます。

病院ではスクワット10本を3セットしましたが、自主トレでは本気でやっても足の力だけではできませんでした。手の力を借りて3回でグロッキーになりましたが、もう一回オマケをつけるようにしました。

立位は、人の力を借りてもよいと思います。なれると一人で、できるようになります。また、退院までは暇があれば自主トレ(スクワットやストレッチ)でやっておくと、後からの在宅リハビリにつながると思います。

ワンポイント。平行棒は、怖さのため思いっきり握らないほうが良いと思います。体がこわばって、バランスが悪くなります。手をつくタイプの平行棒が、あることでもわかります。

歩行訓練
ブレーキ付き歩行器を使ってやります。このときのポイント、コツは「裸足」でやることです。「靴底の抵抗」「靴の重さ」で足が引きずれません。服装もなるべく軽いものを使用します。陸上の選手がコンマ以下の記録のために、ペラペラの服を着るのと同じです。麻痺して動かない体を、無理やり動かすのに有効だと思います。そこまでシビアに考える必要は、ないかもしれません。

体で歩行器を押し出し、ブレーキをかけて足を引きずります。四回から五回ぐらいで体が、動かなくなります。次の日も同じですが若干、楽な感じがします。その次の日は、同じことをしていても仕方がないので、腰を振り「振り出し」をします。その場合「足を前に出す」意識を、できなくとも送っておきます。やっているうちに、足が前に出るようになります。その時には「足を上げる」意識を送っておきます。足が上がるようになったら陸上の「腿上げ」ぐらいまで頑張ります。もう「靴」を履いても大丈夫です。

歩行訓練で一番大切なのは、麻痺して動かない足ですが、動かそうとしている足を「目視」することです。少しでも動いている状態を、脳みそに「刷り込んでおく」ためです。目をつぶって、歩いてみるとわかりますが、歩けません。足を見ながらやると、歩けるようになります。最初の頃は不自然な姿勢ですが、なれると「目線」をおくるだけで歩けるようになります。ほんの少しリハビリの期間が節約できたと思います。

ロフストランドクラッチ
病院スタッフが、教えてくれると思います。一言だけ、最終的にクラッチを「気をつけ」の位置でつけるように、訓練すると良いと思います。その位置から、前後に出します。「ハの字」「前傾」「後傾」は見た目もよくありません。

在宅リハビリ
なるべくバリアフリーにしないで、「クソッ」と思いながらやりました。そこまでしなくとも、外出をすると「ムカッ」とすることがいっぱいです。それぞれの目標があると思いますが、三年から十年はかかります。

また、麻痺した体に「楽なリハビリの方法」はありませんでした。「甘え」などとは無関係に「普通の人」にはできないリハビリです。ご家族の方、友人の方のご理解が大切だと思います。「なまけもの」ではありません。「立って歩いている」私でもできることはホンの少しです。「痛み」「しびれ」は一生ものです。冷静に対処すると良いと思います。

最後に
つたない文章で、申し訳ありません。受傷後の病状、後遺症などの具体的な内容はご容赦願います。それ以外のことは全部書きました。これからの更新はありません。気がついたことだけ、忘れていたことだけになります。

皆様の体が、少しでもよくなるように祈っています。長い間「悪口」に付き合っていただき、ありがとうございました。
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タバコ銭

2011-03-11 | 日記
このブログの目的は、セキソンのリハビリをやりぬいたこと(まだまだだけど)を、知っていただいて安心してもらうためです。立てもしない、歩けもしないリハビリに、気がついたら何百万円も、むしられていたという事がないようにと書いています。

私の場合だけですが、手と頭しか動かない状態(県立病院の公式書類あり)で電動ベッドに寝かされ、リハビリをしてほとんど一人で日常生活に困らなくなったことが書いてあります。もちろん健保を使って、いろいろな制度を利用して、安上がりに仕上げてあります。言われたことをやるだけでも大変(ほとんどできなかった)、それでもやるという、困ったリハビリが書いてあります。

病院のリハビリは、体が動かなくとも、手伝ってくれません。どうしたら動くか自分で考えました。高学歴でない私が考えたことですから、たいしたことではありません。退院してからネットを見て、同じことをしていたと思いました。技術、テクニック、ワザなどに、秘密はありません。おおげさなこともありませんし、できる体ではありませんでした。

麻痺して動かない体を動かすリハビリですので、ほんの少し動かしただけでもグロッキーになります。それを延々と繰り返しました。「アキラメ」「不安」何でもありでした。最後は二輪のバイクに乗れるようになりましたので、やってよかったと自己満足しています。
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タバコ

2011-03-10 | 日記
以前、圧迫骨折を経験していると書きました。病院との付き合い方、保険会社とのこと、少しだけわかることもありましたので、今回の結果につながったと思っています。今回の成績は、もちろん二つの病院のスタッフの、高いスキルが一番です。それを理解してやった私もすごい(ウソ)。セキソンのリハビリについては、何も知らなかっただけです。

このブログを書いていて、気づいたことがあります。普通のまともな人は、できないリハビリだと感じました。立って歩いても、実用域にするには、長い気の遠くなる年月がかかります。メリットはその間に体の後始末の仕方も、一緒に訓練できることぐらいですかね。タダではころばない、一粒で二度おいしいなどとセコイやり方でした。結果オーライでしたら、いいんです。お金もかかっていませんし、バイクにも乗れるようになりました。

私だけ良ければいいという、自己中、エゴ丸出しのリハビリです。できなくとも何でもありません。お金だけは、大事に使いましょうね。赤の他人に、「タバコ銭」をあげるのは馬鹿らしいですYO。
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止められないブログ

2011-03-09 | 日記
多少の思い違い、勘違いはあるかもしれませんが、ガチのリハビリは案外面白いのかなと勝手に考えています。ものすごく大変なことを書くことは、避けてあります。リハビリをしてみた方だけが、感じるとよいと思います。またほかの方の書いたものを読むときの、判断材料にもなると思います。

病院のリハビリのやり方は、理不尽に思えるかもしれません。やってみた後の感想ですが、豊富な医療知識と多数の患者をリハビリした経験、それとちょっとだけ甘えを許さない雰囲気です。やっている最中は、無我夢中でした。妙な情報に接しなくて、よかったと思っています。

病院でリハビリされる方は、雑音に惑わされないようにすると良いと思います。病院のリハビリにカミサマはいませんし、さすったぐらいでは歩くことはできません。歩いた際のふらつきがなくなったのは(それでもまだ たまにある)、受傷後四年目ぐらいです。
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悪口

2011-03-08 | 日記
いろいろな会や個人の方の書いた物を、読ませていただきますと、暗に立って歩けないことを前提に書いてあるような気がします。確かにものすごく難しいリハビリですが、病院のリハビリメニューをやり続けると、歩けるようになるかもしれません。私個人の勝手な感想ですが、秘密、特別なプログラムはありませんでした。電動ベッドでしか起き上がれない状態でやりましたので(県立病院は鬼の集まりかも)、至極簡単なことでも青息吐息でした。

また病棟は、真剣にリハビリする人が多かったので、成績は良いと感じました。ホントはダメですが、一人で自主トレをする方が多かったのも事実です。入院中は入院費が発生していますし、個人の生活はお預け状態です。時間、お金を無駄にしたくないと、ほとんどの人が真剣にリハビリをしていました。病院をお勧めする理由のひとつです。

病院生活をもっと書きたいのですが、「悪口」と誤解されると困るのでかけません。病院スタッフは優秀な人ばかりでしたが(ホントにそう思った)、生身の人間でもありました(笑)。
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つきそい

2011-03-07 | 日記
県立病院は完全看護でしたが、付き添いを次男にさせました。主任からはいらないと言われましたが、お願いがとおりました。目的はリハビリ内容を覚えさせ、同じことをさせようと思ったからです。次男は全国に名を知られた高校の部活で、副主将をするくらい筋肉マンでした。いざやらせてみると、使い物になりませんでした。「素人」には無理とすぐわかりました。

それからは、新聞、缶コーヒーの買出し係になりました。当時はまだ喫煙室が病棟にあったので、そこで情報収集もしてきました。「回復期リハビリ病棟」のことを、仕入れてきました。一階のリハビリ室しか知りませんでしたので、上出来でした。今の生活につながっています。

セキソンのリハビリは「素人」「バイト」が見よう見まねで、できるリハビリではありません。チャンと専門の学校で勉強して、研修や見習いをして経験をつまないと「無理」です。息子が教えてくれました。
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Tさん

2011-03-06 | 日記
以前も書きましたが、福井県立病院の2・4病棟にいたとき、一階のリハビリ室に車椅子で通っていました。そこは外来や、5・4病棟(回復期リハビリ病棟)に行く前の人たちがいました。

Tさんという人が、女性スタッフ二人にストレッチをされていました。状態は素人の私には、本人とその家族に気休めをしているとしか、思えないひどい状態でした。案外すんなり決まった5・4病棟でしたが、いってみて自分の馬鹿さ加減がわかりました。Tさんが足に装具をつけて、歩行器で歩行訓練をしていました。私がひどいリハビリをやりぬけた、要因のひとつです。

病棟では、看護師、ヘルパーなど病棟スタッフが付き添えば、「自主トレ」が許されていました。Tさんは車椅子で看護師を追っかけて、装具を見せて歩行訓練をせがんでいました。私は「野放し」状態でしたので、気ままにつきそいに歩行器を持ってこさせて、自主トレをしていました。Tさんの状態を目標にしていましたが、若いTさんにはかないませんでした。

また彼はトイレの中で、装具をつけず立位の訓練をしていました。手すりもあるし、壁もすぐそばですし、前転倒さえ注意すればよいので、素晴しい方法だと思いました。
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回復

2011-03-05 | 日記
そろそろと思うと、カウントが増えます。止めることができません。これを読んで安心していただけていると、勝手に思い込みます。大雑把ですが、セキソンのホントのリハビリがわかると、安心できると思います。「海外」や「特別」はありませんでした。ほかの人が見たら何もしていないようにしか見えない、地味で根気のいる内容です。ドラマや感動はなく、いつになったらもっとよくなるのかなと感じながらするリハビリです。

日常生活訓練は、「回復」はありませんので、後始末を一人でできるようにする訓練です。また、これ以上悪くならないように気をつけます。「回復」すると良いのですが、皆さんも感じているように悪くならないようにするのが精一杯です。神経が切れるということがわからない人、理解できない人は、軽く「回復」などといっているようです。

それでもこんなひどい体でも、ひどいと思わなくなってしまいます。なれって恐ろしいですね。それとも人の体は、もともと素晴しいいのかもしれません。
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タイトルなし

2011-03-04 | 日記
二年たったので、そろそろかなと思っていました。同じことの繰り返しですし、これ以上踏み込んで書くことはできません。皆さん重い障害がお好きなようなので、下手に後遺障害のことを書いてしまうと、めんどくさいことになると思います。

立って歩いてバイクに乗っても、長時間立っていることはできません。どこかに寄りかかれば別です。これ以外にももりだくさんです。大金をかけてまで、歩けないトレーニングをすることはありません。体を動かすことだけにと、割り切ってやることはかまわないと思います。実際のリハビリは患者本人がやりますし、やらされます。当たり前です。ここがキモですね。

権威のある人に会って、お話を聞くのもいいかもしれません。私にはそんな暇はありませんでしたし、特別困りませんでした。いろいろな会、協会からもお誘いはありませんし、はいってもいません。困らないモンですね。

信じられないでしょうが、お金をもらってもこれ以上のことは話せません。病院がすべてでしたので、疑問は病院をお勧めします。病院は安いし、健保も使えます。制度もあるようですが、何年も労災にお世話になっています。

ICU、電動ベッドでの患者の迷い、少ない情報の中で思ったことなどを基にして、病院でリハビリしたことを書いています。このブログを読んでいただいて、気が楽になっていただければうれしいです。
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フロントバック

2011-03-03 | 日記
病院での生々しい話(オフレコ)などはいっぱいありますが、誤解を生むので書いていません。大体のあらすじを書いています。病院とケンカするぐらいでしたら、仲良くしたほうが良いですし、大人だと思います。体が2・3日汚れていたぐらいでは、臭うくらいです。病院で何をしたいかを、考えるのも良いかもしれません。

さすったぐらいでは歩けませんが、病院でやったリハビリをまじめ(ホントか)に書いています。全世界に公開しているつもりですので、無責任なことは書いていません。公の書類を、証拠として出せます。リハビリをして立って歩いても、セキソンの回復はありません。神経も伸びません。いくら「バイ」だと言っても、無責任と言うより「ホラ」はやめましょうね。「麻痺」が残っても、リハビリをすると「楽」ではありませんが、歩けるようにはなります。金をむしられるくらいなら、止めといても問題なしです。

今日はべスパにつける、フロントバックを作っていました。モンベルの完全防水振り分けバックを、改造しました。登録は四月過ぎですね。その前に、Noプレートをつけるところに、穴あけ加工ですかね。リハビリすると、バイクに乗れていじれて面白いですね。
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答え

2011-03-02 | 日記
県立病院は、五ヶ月で退院しました。労災では、入院しませんでした。月イチの通院でした。商売っ気が、ありませんね。これがガチンコのリハビリです。かかわった方々は、全員本職です。学生のバイトは、いませんでした。

労災の医師は、できっこないことをしてみろと、言いました。さすがに少し考えたら、できることだけをやればよいと気がつきました。それにプラス「もっ チョッと」を欲張りました。先生、わかっていらっしゃいました。すべて結果オーライでしたので、大きい顔をして書いています。リハビリの会の皆さんも「頑張って」みてください。足をさするのも、いいかもしれません。

ガチンコのリハビリには、特別なことはないと思います。やってみると簡単なこと(立つ 歩く)ができません。それでもやるしか、ありません。これが「答え」かもしれません。
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またまたお金のこと

2011-03-01 | 日記
ここに書いてあることは、本当のことです。メニューはシンプル、皆さんもご存知ですし、やったこともあるかもしれません。秘密もありませんが、なぜ特別なプログラム、権威のある先生のお話などでてくるのでしょう。すべて「金」です。皆さんの少し膨らんだ懐を、狙っているんです。「タダ」「無料」でないのが証拠です。他の病気などでは、患者とその家族の支援は、ほとんど「ボランティア」です。

ホントのことが、書いてあります。簡単なメニューですが、できないメニューです。それでもやると、できるようになります。完全に「ムチャ」です。PTストップもあります。

親、兄弟に泣かれて困っている若い人、「やっちまった」とわけがわからなくなっている若い人、心配要りません。早めに「立って歩くリハビリ」の希望を病院に出しましょう。「病院」ですYO。簡単そうだから、チョロそうだから、全部片付いてからにしようは、ありませんしできません。

病院の生活は「団体生活」です。少しカッコつけて書きますと、自分より重症の人、重体の人優先です。私の頭の中は「立って歩くリハビリ」でいっぱいでした。体が少しぐらい汚れていても、死にませんって。そういう病院でリハビリして「メド」をつけておくと、後がやりやすいですね。

お前は「金」が欲しくはないのかと、疑問をお持ちだと思います。キッパリ「のどから手が出るくらい欲しい」です。セキソンのリハビリでは、平行棒にしがみついた瞬間に、モウケ話は頭からなくなりました。歩行器にぶら下がって足を引きずった瞬間に、機会があったら「無料」でこのことを書こうと思いました。
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