福井県立病院回復期リハビリ病棟(旧5・4病棟)でおこなった、「立って歩く訓練」の内容です。皆さんご存知の内容、経験されている内容ですが、参考にしていただきたいと思います。また、あっけなく、ものすごく簡単に思えますが、「脊髄損傷の麻痺」を理解してない方が、できない患者を攻めるのは間違いです。
この怪我をするとへそから下が麻痺(びくともしない)してしまいます。足だけが動かないと思いがちですが、私のような「ゴリラ」でも、手と頭しか動きませんでした。また「内臓」の麻痺が、ものすごく心を押しつぶします。
マッサージ、ストレッチ、筋トレ
PTがマッサージをします。
ストレッチは、足が折れる、腰骨が折れるぐらいですが、「痛い」と言うより「苦しい」感じです。自然と涙が出ます。
筋トレはPTの胸に足のウラをつけて、「押すよう」に言われます。転落防止柵を使い慢心の力で押します。足は動きませんし、感覚もありませんが続けます。
立位
平行棒を使い患者本人が、一人で立ち上がります。左右の腕の力だけで立ち上がりますが、「リハビリをあきらめさせるため」と思えるほど、ひどい思いをします。二日目にリハビリを続けることは、困難だと思いました。初日に立った感覚では、岩壁に張り付いている感覚でしたので、応用してみました。
足元は岩壁とは違い、水平面ですので、足裏全体が床面に接地しています。ポイントは「靴ウラの抵抗」を利用します。両足を気をつけの位置にそろえ(肩幅まで広げてもかまわないと思う)、平行棒を手の位置と足の位置が並列になる位置を握ります。そのまま平行棒を握る力を使い上に、立ち上がるように腕の力を入れます。
立ち上がれたら、「体操の吊り輪」のように腕の力で足を浮かせる感じで姿勢を整えます。そのまま足を下ろし、バランスをとりながら平行棒を握る力を徐々に抜いていきます。これで立てれば「姿勢」が正しいので、遠くを見てさらにバランス、姿勢を整えます。
病院ではスクワット10本を3セットしましたが、自主トレでは本気でやっても足の力だけではできませんでした。手の力を借りて3回でグロッキーになりましたが、もう一回オマケをつけるようにしました。
立位は、人の力を借りてもよいと思います。なれると一人で、できるようになります。また、退院までは暇があれば自主トレ(スクワットやストレッチ)でやっておくと、後からの在宅リハビリにつながると思います。
ワンポイント。平行棒は、怖さのため思いっきり握らないほうが良いと思います。体がこわばって、バランスが悪くなります。手をつくタイプの平行棒が、あることでもわかります。
歩行訓練
ブレーキ付き歩行器を使ってやります。このときのポイント、コツは「裸足」でやることです。「靴底の抵抗」「靴の重さ」で足が引きずれません。服装もなるべく軽いものを使用します。陸上の選手がコンマ以下の記録のために、ペラペラの服を着るのと同じです。麻痺して動かない体を、無理やり動かすのに有効だと思います。そこまでシビアに考える必要は、ないかもしれません。
体で歩行器を押し出し、ブレーキをかけて足を引きずります。四回から五回ぐらいで体が、動かなくなります。次の日も同じですが若干、楽な感じがします。その次の日は、同じことをしていても仕方がないので、腰を振り「振り出し」をします。その場合「足を前に出す」意識を、できなくとも送っておきます。やっているうちに、足が前に出るようになります。その時には「足を上げる」意識を送っておきます。足が上がるようになったら陸上の「腿上げ」ぐらいまで頑張ります。もう「靴」を履いても大丈夫です。
歩行訓練で一番大切なのは、麻痺して動かない足ですが、動かそうとしている足を「目視」することです。少しでも動いている状態を、脳みそに「刷り込んでおく」ためです。目をつぶって、歩いてみるとわかりますが、歩けません。足を見ながらやると、歩けるようになります。最初の頃は不自然な姿勢ですが、なれると「目線」をおくるだけで歩けるようになります。ほんの少しリハビリの期間が節約できたと思います。
ロフストランドクラッチ
病院スタッフが、教えてくれると思います。一言だけ、最終的にクラッチを「気をつけ」の位置でつけるように、訓練すると良いと思います。その位置から、前後に出します。「ハの字」「前傾」「後傾」は見た目もよくありません。
在宅リハビリ
なるべくバリアフリーにしないで、「クソッ」と思いながらやりました。そこまでしなくとも、外出をすると「ムカッ」とすることがいっぱいです。それぞれの目標があると思いますが、三年から十年はかかります。
また、麻痺した体に「楽なリハビリの方法」はありませんでした。「甘え」などとは無関係に「普通の人」にはできないリハビリです。ご家族の方、友人の方のご理解が大切だと思います。「なまけもの」ではありません。「立って歩いている」私でもできることはホンの少しです。「痛み」「しびれ」は一生ものです。冷静に対処すると良いと思います。
最後に
つたない文章で、申し訳ありません。受傷後の病状、後遺症などの具体的な内容はご容赦願います。それ以外のことは全部書きました。これからの更新はありません。気がついたことだけ、忘れていたことだけになります。
皆様の体が、少しでもよくなるように祈っています。長い間「悪口」に付き合っていただき、ありがとうございました。
この怪我をするとへそから下が麻痺(びくともしない)してしまいます。足だけが動かないと思いがちですが、私のような「ゴリラ」でも、手と頭しか動きませんでした。また「内臓」の麻痺が、ものすごく心を押しつぶします。
マッサージ、ストレッチ、筋トレ
PTがマッサージをします。
ストレッチは、足が折れる、腰骨が折れるぐらいですが、「痛い」と言うより「苦しい」感じです。自然と涙が出ます。
筋トレはPTの胸に足のウラをつけて、「押すよう」に言われます。転落防止柵を使い慢心の力で押します。足は動きませんし、感覚もありませんが続けます。
立位
平行棒を使い患者本人が、一人で立ち上がります。左右の腕の力だけで立ち上がりますが、「リハビリをあきらめさせるため」と思えるほど、ひどい思いをします。二日目にリハビリを続けることは、困難だと思いました。初日に立った感覚では、岩壁に張り付いている感覚でしたので、応用してみました。
足元は岩壁とは違い、水平面ですので、足裏全体が床面に接地しています。ポイントは「靴ウラの抵抗」を利用します。両足を気をつけの位置にそろえ(肩幅まで広げてもかまわないと思う)、平行棒を手の位置と足の位置が並列になる位置を握ります。そのまま平行棒を握る力を使い上に、立ち上がるように腕の力を入れます。
立ち上がれたら、「体操の吊り輪」のように腕の力で足を浮かせる感じで姿勢を整えます。そのまま足を下ろし、バランスをとりながら平行棒を握る力を徐々に抜いていきます。これで立てれば「姿勢」が正しいので、遠くを見てさらにバランス、姿勢を整えます。
病院ではスクワット10本を3セットしましたが、自主トレでは本気でやっても足の力だけではできませんでした。手の力を借りて3回でグロッキーになりましたが、もう一回オマケをつけるようにしました。
立位は、人の力を借りてもよいと思います。なれると一人で、できるようになります。また、退院までは暇があれば自主トレ(スクワットやストレッチ)でやっておくと、後からの在宅リハビリにつながると思います。
ワンポイント。平行棒は、怖さのため思いっきり握らないほうが良いと思います。体がこわばって、バランスが悪くなります。手をつくタイプの平行棒が、あることでもわかります。
歩行訓練
ブレーキ付き歩行器を使ってやります。このときのポイント、コツは「裸足」でやることです。「靴底の抵抗」「靴の重さ」で足が引きずれません。服装もなるべく軽いものを使用します。陸上の選手がコンマ以下の記録のために、ペラペラの服を着るのと同じです。麻痺して動かない体を、無理やり動かすのに有効だと思います。そこまでシビアに考える必要は、ないかもしれません。
体で歩行器を押し出し、ブレーキをかけて足を引きずります。四回から五回ぐらいで体が、動かなくなります。次の日も同じですが若干、楽な感じがします。その次の日は、同じことをしていても仕方がないので、腰を振り「振り出し」をします。その場合「足を前に出す」意識を、できなくとも送っておきます。やっているうちに、足が前に出るようになります。その時には「足を上げる」意識を送っておきます。足が上がるようになったら陸上の「腿上げ」ぐらいまで頑張ります。もう「靴」を履いても大丈夫です。
歩行訓練で一番大切なのは、麻痺して動かない足ですが、動かそうとしている足を「目視」することです。少しでも動いている状態を、脳みそに「刷り込んでおく」ためです。目をつぶって、歩いてみるとわかりますが、歩けません。足を見ながらやると、歩けるようになります。最初の頃は不自然な姿勢ですが、なれると「目線」をおくるだけで歩けるようになります。ほんの少しリハビリの期間が節約できたと思います。
ロフストランドクラッチ
病院スタッフが、教えてくれると思います。一言だけ、最終的にクラッチを「気をつけ」の位置でつけるように、訓練すると良いと思います。その位置から、前後に出します。「ハの字」「前傾」「後傾」は見た目もよくありません。
在宅リハビリ
なるべくバリアフリーにしないで、「クソッ」と思いながらやりました。そこまでしなくとも、外出をすると「ムカッ」とすることがいっぱいです。それぞれの目標があると思いますが、三年から十年はかかります。
また、麻痺した体に「楽なリハビリの方法」はありませんでした。「甘え」などとは無関係に「普通の人」にはできないリハビリです。ご家族の方、友人の方のご理解が大切だと思います。「なまけもの」ではありません。「立って歩いている」私でもできることはホンの少しです。「痛み」「しびれ」は一生ものです。冷静に対処すると良いと思います。
最後に
つたない文章で、申し訳ありません。受傷後の病状、後遺症などの具体的な内容はご容赦願います。それ以外のことは全部書きました。これからの更新はありません。気がついたことだけ、忘れていたことだけになります。
皆様の体が、少しでもよくなるように祈っています。長い間「悪口」に付き合っていただき、ありがとうございました。