バイオレットのお絵かき☆ダイアリー

折々に描いた俳画や水彩画を展示して、勉強の励みになれば…
そんな想いで、また新たな出発です。

つらい別れ

2006-12-16 10:02:51 | Weblog
突然の訃報です。悲しい悲しい出来事です。
初夏の頃、三人展をしたことは以前お話したことがありましたけど、
その時ご一緒にしたうちのお一人が亡くなりました。
突然の病に倒れ、本当に呆気なくこの世を去られました。

その方、Tさんは年齢的には私より先輩ですが、俳画という趣味を通して、
親しくお友達感覚でお付き合いをさせて頂いてました。
周囲をホッと和ませるようなほんわかとした温かさと優しさ、上品さ、
またお茶やお花の先生をされていたので、芯の強さもあり、
ご自分のお考えをちゃんと持っておられた方でした。

1ヶ月に一度先生のお宅へお稽古に伺っていて、
いつもお稽古が終わると、Tさんの車に便乗させて頂いて駅まで送って頂きました。
先月も「じゃあ、また来月ね!」と言って、車を降りたのが
Tさんとの永久の別れとなりました。

月に一度お会いするのが当然のTさんともう二度とお会いすることができないなんて・・・
あまりに突然の別れで、今でも信じられません。
お元気なままのTさんのお顔とお声だけが私の頭の中に残っていて、
色々な想い出がぐるぐる回っています。
三人展の時のこと、ご一緒にスケッチに行った時のこと、
お稽古の合間お弁当を食べながらのおしゃべり、帰りの車の中での会話、
お電話で話したこと・・・

人は亡くなって初めてその方の存在の大きさがわかるのですね。
こんなに空しく淋しいなんて・・・
Tさんが私の中で大きなウエイトを占めておられたのだということ、
今改めて感じています。
きっと優しく包み込んで下さって、いつでも甘えさせてもらえるような、
私にとってお姉様的存在だったのだと思います。

また、Tさんは皮工芸を習っておられて、ずっと以前ご無理を言って
小さなリュック型のバッグを作って頂いたことがあります。
その背の部分には、私が描いたユリの絵を彫って下さいました。
そのバッグ、今となってはTさんの大事な思い出の品となりました。

昨日告別式で、着物姿のTさんの遺影に手を合わせた時、
Tさんはいつもと変わらないやわらかな微笑を私に投げかけて下さってました。
最後のお別れの時、私が受け取ったのはデンファレの花。
以前私が描いたデンファレの花の絵を、Tさんがひどく気に入って下さって、
そのコピーをもらって頂いたことがあります。
そんなことがあったりしたので、何となく因縁めいた気がして、
「本当に有難うございました。」って小さく囁いて、
棺の中のTさんの胸のあたりにそっとお供えしてきました。

生あるものはいつかは滅びる。これは世の常とは思いつつも
まだまだお若いTさんが、あっけなく、儚く旅立ってしまわれたこと、
本当に残念でなりません。

そうそうこのことも最後に描いておきましょう。
Tさんはすごく絵がお上手で、ずっと以前、小型のスケッチブックに
旅行された時に描かれたという釧路湿原のスケッチを見せて頂いたことがあります。
その淡いタッチの湿原があまりにステキだったので・・・
それからです、私がスケッチに出かけるようになったのは・・・
私もあんなふうに描いてみたい!そうだ、私もスケッチに行こう!
そう思わせてくださったのはTさんだったのです。
スケッチの楽しさを教えて下さったのはTさんだったのです。
Tさんは今度はきっと天国でステキな絵を描かれていることでしょう!

Tさん、どうか安らかにおやすみ下さい。
Tさんのご冥福を心よりお祈り致します。合掌・・・
コメント
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