今朝の熊日新聞に下の記事が載った。藤崎八旛宮例大祭で御能奉納が行われる御旅所能舞台(熊本市中央区新町)の鏡板を崇城大美術学科の学生らが新たに描いたという。百年以上の歴史を有するこの能舞台は老朽化が進んだため、熊本市が昨年から改修工事を進め、檜をふんだんに使って見違えるほど美しくなっているのを6月末の新町大祓の時に見ていた。今回新調された鏡板は例大祭の「神幸行列」がある18日に〝こけら落とし〟が行われるという。
神事として始まった原始の能は、野外に土を盛り上げただけの簡素な舞台で、神社の境内などの大きな老松の下などで行われた。まずこの自然木の老松に神を降ろすことから始まった。この神が宿った松の木を「影向の松(ようごうのまつ)」と呼ぶ。つまり、もともと舞台のそばにあった天然の松の木を模して描かれたのが能舞台の「鏡板の松」なのである。
藤崎八旛宮例大祭の御能奉納は今年413回目。この能舞台が熊本の祭礼文化を次世代に継承し、熊本の能文化をさらに発展させる役割を担うことを願ってやまない。
なお、例大祭の御能奉納は、神幸行列の朝随兵が御旅所に到着する午前9時から、金春流と喜多流の御能、和泉流の狂言が演じられる。観覧無料。
2022.9.14 熊日新聞朝刊より
改修工事前の鏡板
神事として始まった原始の能は、野外に土を盛り上げただけの簡素な舞台で、神社の境内などの大きな老松の下などで行われた。まずこの自然木の老松に神を降ろすことから始まった。この神が宿った松の木を「影向の松(ようごうのまつ)」と呼ぶ。つまり、もともと舞台のそばにあった天然の松の木を模して描かれたのが能舞台の「鏡板の松」なのである。
藤崎八旛宮例大祭の御能奉納は今年413回目。この能舞台が熊本の祭礼文化を次世代に継承し、熊本の能文化をさらに発展させる役割を担うことを願ってやまない。
なお、例大祭の御能奉納は、神幸行列の朝随兵が御旅所に到着する午前9時から、金春流と喜多流の御能、和泉流の狂言が演じられる。観覧無料。
2022.9.14 熊日新聞朝刊より
改修工事前の鏡板