小説などの映画化やテレビドラマ化は、既に原作を読んでいる場合はともかく、映画やテレビドラマを見る前に原作を読んでおいたほうがいいのか、はたまた、見た後に原作をじっくり読むべきか、しばしば迷うことがある。今、NHKで放送されているドラマ「八日目の蝉」もそんな一つだ。今回はたまたま先に読んだ。全6回のうち、ちょうど半分、3回の放送が終了したが、今、正直、先に読むんじゃなかった、という気がする。6回合計で4時間半ほどあるので、ある程度、原作に忠実に展開するかと期待していたが、やっぱり時間的制約ゆえか、ハショッたという感は否めない。今までに登場した中でも、倍賞美津子演じるゴミ屋敷に住む老女なども、悲しい母親としての側面がぼやけて、キャラクターが生かされていない。それに角田光代独特の心理描写を映像化するのは難しかったのだろう。ドラマに深みが感じられないのが残念だ。これが映画なら、せいぜい2時間前後なので、もっと思い切った再構成ができたんだろうが・・・
昨夜、テレビ熊本のトーク番組「夜はホンネで!?」に武田鉄矢が出ていた。彼は両親が阿蘇郡小国町の出身だし、奥さんも鹿本町の出身だから、熊本とは縁が深く、現在、熊本県産農畜産物のイメージキャラクターもやっている。話も熊本にまつわる話が中心で、中でも彼が歴史に興味を持ち始めた原点は、小国町にあるという話は面白かった。彼の坂本龍馬好きは有名で、映画で龍馬を演じたこともあるが、最近ではドラマ「JIN」で緒方洪庵を演じたり、大河ドラマ「龍馬伝」では勝海舟を演じるなど、歴史モノでの好演には定評がある。その武田が歴史に興味を持つきっかけとなったのは、幼い頃に祖母から聞いた話に原点があると言う。ある時彼は、祖母から「戦争中のB29の空襲もいっちょん恐ろしゅうなかった。それより、こまか時、押っ取り刀の白髪の鬼が家に来た時は恐ろしかった!」という話を聞く。武田は、これは祖母が3~4歳の頃に起きた西南戦争のことではないかと言う。つまり、「白髪の鬼」というのは、敗走する西郷軍の落武者を追いかけてきた官軍の兵士、シャグマ(赭熊)を被った格好が、幼い子供には鬼に見えたのではないかと。小国の祖母の実家が、日本の歴史の、いわば通過点になったことがわかり、歴史に興味を持つようになったというわけだ。興味深い話だ。
今日の熊日朝刊に、来年春の九州新幹線全線開業に合わせて、熊本市内でシティマラソン大会を開催する計画があることが載っていた。これが実現すれば喜ばしいかぎりだ。
もう30年近く前になるが、東京の小平市に住んでいた頃、まだ幼かった子どもたちを連れて青梅マラソンを見物しに行ったことがある。それも日の出山の中腹から眺めた。青梅街道が、まるで川になったかのように参加者たちが流れて行く壮観な様に圧倒された。そして、いつか故郷の熊本でもこんな市民マラソンが開催されたらいいなと思ったものだ。ホントに実現するのか、またどんな大会になるのかわからないが、もし実現したら、選手として参加するか、ボランティアで運営のお手伝いをするか、なんらかの形でぜひ参画したい。
青梅マラソンの風景
もう30年近く前になるが、東京の小平市に住んでいた頃、まだ幼かった子どもたちを連れて青梅マラソンを見物しに行ったことがある。それも日の出山の中腹から眺めた。青梅街道が、まるで川になったかのように参加者たちが流れて行く壮観な様に圧倒された。そして、いつか故郷の熊本でもこんな市民マラソンが開催されたらいいなと思ったものだ。ホントに実現するのか、またどんな大会になるのかわからないが、もし実現したら、選手として参加するか、ボランティアで運営のお手伝いをするか、なんらかの形でぜひ参画したい。
青梅マラソンの風景
昨夜のETV特集「トライアングル・トーク ドラマは女が創る」(NHK教育)は、3人の人気女性脚本家が一堂に会してのホンネトークは、とても興味深かった。「篤姫」(NHK大河ドラマ)などの田渕久美子、「功名が辻」(NHK大河ドラマ)などの大石静、そして「ハケンの品格」(日テレ連ドラ)などの中園ミホの3人。
■みんな向田邦子を目指している?
彼女たちの脚本家への大きな動機付けとなり、憧憬の的となっているのは共通して向田邦子であるらしい。向田のテレビ界に遺した足跡の偉大さはもちろんだが、今の時代にはない、彼女の作品に見られるエロティシズムとアナーキーさがたまらないと言う。また、主な視聴者ターゲットがF1(20~34歳の女性)に変わったことによって、そういう表現がしにくくなった今のテレビ界を嘆く。
■男の描く女性はファンタジー?
女であることのメリットに関して、男の脚本家が描く女性はファンタジーであり、リアリティがないと口を揃える。たしかにそうかもしれない。しかし、それはその逆も言えるわけだが、どちらかと言えば、男の方が単純な生きものだから、男が女を描くより、女が男を描く方が易しいというのは正しいかもしれない。
■原作モノの氾濫はテレビドラマの発展を阻害?
テレビの草創期に多かった原作モノが、再びテレビドラマ界を席巻している。特に最近は漫画を原作とするものが多い。これに対して彼女らは、もっと脚本家のオリジナル作品を取り上げてほしいという願望が強い。素人ばっかりだったテレビ草創期は致し方ないとして、もっと自分たちの力を認めて欲しいと言う。こんな状態が続いたら、次代を担う若手が育たないとも。
■みんな向田邦子を目指している?
彼女たちの脚本家への大きな動機付けとなり、憧憬の的となっているのは共通して向田邦子であるらしい。向田のテレビ界に遺した足跡の偉大さはもちろんだが、今の時代にはない、彼女の作品に見られるエロティシズムとアナーキーさがたまらないと言う。また、主な視聴者ターゲットがF1(20~34歳の女性)に変わったことによって、そういう表現がしにくくなった今のテレビ界を嘆く。
■男の描く女性はファンタジー?
女であることのメリットに関して、男の脚本家が描く女性はファンタジーであり、リアリティがないと口を揃える。たしかにそうかもしれない。しかし、それはその逆も言えるわけだが、どちらかと言えば、男の方が単純な生きものだから、男が女を描くより、女が男を描く方が易しいというのは正しいかもしれない。
■原作モノの氾濫はテレビドラマの発展を阻害?
テレビの草創期に多かった原作モノが、再びテレビドラマ界を席巻している。特に最近は漫画を原作とするものが多い。これに対して彼女らは、もっと脚本家のオリジナル作品を取り上げてほしいという願望が強い。素人ばっかりだったテレビ草創期は致し方ないとして、もっと自分たちの力を認めて欲しいと言う。こんな状態が続いたら、次代を担う若手が育たないとも。
今日は終日曇り空だったが、家の中にいても暑いくらいの陽気だった。昼飯を食べた後、テレビで野球中継を見ていたら、猛烈な眠気が襲ってきて、しばらくウトウトとまどろんでいたら、テレビの歓声で目が醒めた。その時ふと、来生たかおの“浅い夢”のメロディが浮かんできた。もう随分聴いてないなぁと思い、たしか彼のアルバムを持っていたはずだと、探そうとしてハタと気付いた。そうだ!あれはカセットテープだった。今はカセットのプレーヤーも持ってない。しかたなく、YouTubeで聴くことにした。いつ聴いても、しみじみとしていい曲だ。日本のポップスの中でも名曲の一つだと思う。
久しぶりに陸上競技が見たくなり、熊本県民総合運動公園陸上競技場、通称“KKWING”で行なわれた「金栗記念選抜陸上中長距離大会」を見に行った。陸上競技を生で見るのは何10年ぶりだろう。若い頃は僕も市民陸上大会などに出たりしたこともあるが、特に中長距離走は好きだった。この“KKWING”は月に何回かは前を通るのだが、中に入るのは、2002年の日韓ワールドカップの際、キャンプを張っていたベルギーのテストマッチを見に来て以来だから、ちょうど8年ぶりになる。今回の陸上大会は“金栗記念”すなわち、「日本マラソンの父」金栗四三さんの名を冠しているが、もともと“KKWING”のKKとは「金栗記念」の意味だ。それはともかく、出場選手の大半は、全国各県から参加した高校生たちだったが、彼らの元気の良い掛け声が競技場に響き渡り、なんだか若返ったような気分の一日だった。
孫娘のみわが今日、小学校に入学した。僕ら夫婦にとっては初孫。とても感慨深いものがある。生まれてから6年と1ヶ月余りを写真で振り返っていると、いろんな想い出が甦ってくる。入学式が終った後、元気な声で報告の電話をかけてきてくれた。これからも健やかに育っていってほしいと願うばかりだ。
1歳 2歳
3歳 4歳
5歳 6歳
1歳 2歳
3歳 4歳
5歳 6歳
今日はまさに“春うらら”と言った感じの天気に誘われて、3kmほど離れた電器店まで、PCプリンタ用のハガキ用紙を買いに、坪井川沿いの道を歩いて行った。かつて美しい田園が広がっていた流域一帯は、耕作放棄地となって、しばらく荒れ放題となっていたが、最近、やっと整備が始まったらしく、人の背丈ほどもあった雑草類も綺麗に刈り込まれていた。川砂のにおいがする堤防の道を歩きながら、つい「朧月夜」を口ずさんでいた。
今日はずっと前から予定していた『午前十時の映画祭』の「ベン・ハー」を見に“TOHOシネマズ光の森”へ。意外と客が多い。心配したとおり、スクリーンの小ささをまず感じる。初公開の時に見た70mmフィルムはスクリーンの幅が20mくらいあったと記憶しているので、ちょうど半分くらいのサイズか。でもわが家のテレビ画面で見るのとは全然違う。それはさておき、内容は何度見ても素晴らしい。子供の時に見て素晴らしいと思っていた映画を、大人になって見ると「アレ?」なんて作品もよくあるが、この作品はいつ見ても文句なしに第1級品だ。それから、この時代の映画にはエンドロールは無かったように記憶しているが、この映画もそうで、エンドマークが出てすぐに終了する。この歯切れの良さがまた何とも良い。最近の映画はエンドロールがダラダラと続き、観客もその最中に席を立つ人が多く、どうも気分がよくない。そんなことを思いながら、帰りにAVクラブに寄って、今日リリースされた「BALLAD 名もなき恋のうた」を借りる。家で見て、エンドロールに目を凝らしていると、昨年、劇場では見落とした自分の名前を確認。ついさっきまで、エンドロールなんかいらないと思っていたくせに、名前を発見して喜んでいる自分に複雑な気持・・・
メジャーリーグも開幕し、一番気になっていた松井秀喜もホームランを打って、上々の滑り出しを見せてくれた。他の日本人選手たちも、それぞれ好スタートを切ったようだ。そんな中、ワシントンD.C.のナショナルズの開幕試合で、オバマ大統領が始球式を行なった。ナショナルズの真っ赤なダグアウト・ジャケットを着込んでマウンドに登った大統領、おもむろにポケットから出して被った帽子が、なんとシカゴ・ホワイトソックスの帽子。(この日の相手はフィラデルフィア・フィリーズ)観客は一瞬どよめいたが、ホームチームのファンも、大統領が出身地のシカゴ・ホワイトソックスのファンであることは承知の上なので、笑うしかないといった様子。大ボケをかました大統領も観客から受けて会心の笑み。オバマ大統領に限らず、歴代の大統領も、皆さん結構ユーモアのセンスがある。日本の政治家ではなかなかこんなシーンはお目にかかれない。やっぱり国民性の違いなのか。
ドラマ「八日目の蝉」は明日が第2回目。原作モノの映画化やドラマ化は、シナリオを勉強中の僕にとって、特別の楽しみがある。どういう脚色をし、どういう風にストーリーを再構成するか等々だ。そういう意味で、「八日目の蝉」の第1回目には、ちょっとしたサプライズがあった。このドラマのシナリオを担当しているのは、テレビドラマではすっかりお馴染みの浅野妙子だが、なんと1回目に、希和子(壇れい)を捨てた秋山(津田寛治)に、娘の恵理菜=薫(北乃きい)が、まるで希和子になり代わったような侮蔑の言葉を浴びせるシーンが出てきたのだ。このシーン、原作では第2章、つまり後編の中盤あたりに出て来るが、僕はひとつのクライマックスになるかなと思っていたシーンだ。過去と現在を同時進行させる手法は、同じ角田光代原作の「対岸の彼女」でも使われていたので、違和感はなかったが、このシーンがいきなり出てきたのはちょっと驚いた。明日の第2回目以降の展開が面白くなってきた。
「FREEDOM'S FURY」というドキュメンタリー映画がある。邦訳しにくいが、「自由の復讐」と言ったらいいのか、それとも「自由の激情」とでも言うべきか。どちらにしても、要するに1956年に起きたハンガリー動乱にまつわるドキュメンタリー映画である。ハンガリー動乱とは、ソビエト連邦軍がハンガリーに侵入し、数千人のハンガリー人が殺害され、それに対して民衆が立ち上がった革命のことである。また、その年に開催されたメルボルン夏季五輪の水球準決勝で起こったハンガリー対ソビエトの伝説的な流血戦を振り返っている。ハンガリーの国技である水球における選手たちの戦いぶりをモチーフにしながら、遂には自由を勝ちとったハンガリー讃歌とでも言ったらいいだろうか。この映画は日本公開はされていない。しかし、DVDは販売されているようだし、ほぼ全編がYouTubeにアップされている。とりあえずYouTubeで見てみた。懐かしい顔が出てきた。ジャルマティさんやカルパティさんなど、東京五輪の時にもハンガリーチームのメンバーとして来日し、競技スタッフとして働いていた僕も連日、挨拶を交わしていた人たちだ。すっかりお爺さんになってしまって・・・(こっちもそうだが)。今度はDVDを購入してじっくり見てみよう。
ドラマを見ながら、戦国時代以前の日本史については何にも知らないことに気づいた。と言っても、戦国時代以降に詳しいわけでもない。ただ、映画やドラマの題材になるのは、圧倒的に戦国時代以降が多いので、すこ~しばかり豆知識があるだけなのだが。そんなわけで、このドラマ、とても新鮮に感じられて面白かった。見終わった後、ちっとは勉強しなくちゃと吉備真備や孝謙天皇について調べてみた。学者から大臣に登りつめたのは吉備真備と菅原道真しかいないことや、孝謙天皇は後に称徳天皇として重祚(二度即位)されていることなど、いろいろわかって面白かった。来週の後編がさらに楽しみになった。どのような経過を辿って今日の日本人が形成されて来たのか、やはりこのドラマの背景である、7~8世紀あたりもしっかり見ておかなければならないと思う。それにしても、石原さとみちゃん、いつ見てもカワイイな!
TOHOシネマズ光の森で行なわれている『午前十時の映画祭』に、今週末、いよいよ「ベン・ハー」が登場する。次週が「アラビアのロレンス」なので、映画史上、スペシャルな位置付けにある二本が相次いで上映されることになる。いずれも初公開の時は70mm映画として公開された作品だけに、大スクリーンで見ないと本当の良さはわからない。いずれの作品もDVDでは何回も見ているが、やはりもう一度、大スクリーンで見たいものだと思っていた。ただ、残念ながら現在では70mm映画のスクリーンを持つ映画館はないので、初公開時の迫力は望めないかもしれない。「ベン・ハー」で特に見たいのは、やはり、あのチャリオット・レースだ。ジョン・フォードの「駅馬車」で超人的なスタントをやってのけたヤキマ・カヌートが演出した、伝説的なレース場面は何度見ても「凄い!」のひと言だ。2年前に亡くなったチャールトン・ヘストンが、まだリベラルな活動をしていた頃の作品であることも懐かしい。
※チャールトン・ヘストン関連記事
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最近は耳を塞ぎたくなるような、いやなニュースが多いが、中でも僕が一番聞きたくないニュース、それは、佐賀県伊万里市の黒澤明記念館建設をめぐる黒澤明文化振興財団の不祥事だ。建設のための寄付金を他の目的に流用したり、本人には無断で著名人を理事に選任したりといった話がメディアで伝えられている。真相のほどはわからないが、わが敬愛する黒澤明監督の顔に泥を塗られているようでとても悲しい。いったいどうしてこんなことになってしまったのだろうか。黒澤明の名前を出せば、何でも許されるというような安易さがどこかにあったのではないだろうか。この事件がどういう結末を迎えるのかわからないが、黒澤明が遺した文化遺産を汚すことのないよう、切に願いたいものだ。
※写真は「七人の侍」の一場面
※写真は「七人の侍」の一場面