徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ひとり 桜の里で ~山口・向畑集落~

2010-04-29 22:00:01 | テレビ
 今夜の「にっぽん紀行」(NHK総合)は、山口県の山深い集落にたった一人で暮らすキヌヨ婆ちゃん(89歳)の話だった。そして案内人は俳優の三國連太郎さん。平家伝説が残るここ山口県岩国市の向畑地区は、かつて300人が暮らしていた。家族が去り、周りの住民もみな去った今でも、キヌヨ婆ちゃんは先祖の言い伝えを守り、この地で一人暮らしている。そのキヌヨ婆ちゃんが毎年、心待ちにしているのが樹齢800年の山桜の開花だ。異常な雪に見舞われた今年の春も、山桜はいつもと変わらず満開の花を咲かせた。今、日本各地で消え行く集落と取り残される老人の現実。凛として生きるキヌヨ婆ちゃんと美しい山桜の老木が重なって心に沁みた。かつて映画「息子」(1991)で岩手の寒村に一人残って生きる老父を演じた三國さんのナレーションは、映画のシーンがダブって、いっそう感動が強くなった。

 
山深い集落にたった一人で暮らすキヌヨ婆ちゃん

 
かつては家族が肩を寄せ合ってくらしていた。

 
山桜は今年も満開の花を咲かせた