
漱石は五高教師として明治29年4月に熊本にやって来て、明治33年7月、文部省の命を受けて英国留学のために熊本を離れるまで4年3ヶ月熊本に滞在した。その間、転居を繰り返し、旧居は6ヶ所にわたる。そのうち第一旧居の「光琳寺の家」、第二旧居の「合羽町の家」、第四旧居の「井川渕の家」は現在残っていないが、第三旧居、第五旧居、第六旧居の3ヶ所が残っているのはとても貴重だと思う。五高在学時に漱石に英語を学び、また漱石を俳句の師と仰いだ寺田寅彦の随筆「夏目漱石先生の追憶」の中に第四旧居と第五旧居での思い出が書かれており、とても興味深い。





水前寺成趣園の東隣に移築されている第三旧居「大江村の家」。ここから「草枕」の旅へ出発した。

第五旧居「内坪井の家」では漱石の長女筆子が生まれた。ここから「二百十日」の旅へ出発した。

英国に旅立つ前に住んだ第六旧居「北千反畑町の家」