
なかでも極めて注目すべきは、国重文である宇土櫓周辺の石垣の復旧に関する話だ。石垣に大きな変形が生じており、櫓だけではなく石垣も解体修理すべきという意見もあったが、現在は「はばき石垣」と呼ばれる石垣の外側にさらに石垣をかぶせるように築いて安定させる工法が有力だという。「はばき石垣」工法については2年前あたりから新聞記事等で目にするようになったが、江戸時代から何度も地震に見舞われた熊本城には「はばき石垣」で修復した石垣が何ヶ所もある。例えば下の写真の「櫨方三階櫓跡」の石垣などである。たしかに「はばき石垣」で修復する方が現実

8月、千田先生が熊本城石垣修復と発掘調査の現地視察に来られた。宇土櫓前の発掘調査に参加している家内たちのところへやって来て、「ご苦労様です!」と声をかけられたそうだ。

「はばき(脛布)」というのは脚絆のこと。上の早乙女たちの下肢のように脛に巻きつけて紐で結んだ布のこと。