ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

プロモーションだったのに…6

2020-04-24 12:34:00 | メディア
さて、いよいよ「CHAPTER3 甲斐よしひろおすすめの1本『グリーンブック』について」ですが
記事の方では…「今回、甲斐さんにキュレーターとして選んで頂いたのが『グリーンブック』

1960年代、天才黒人ジャズピアニストのドナルド(ドン)・シャーリーと
彼に運転手兼用心棒として雇われた粗野なイタリア系白人トニー・『リップ』・ヴァレロンガが
人種差別が残る南部での演奏ツアーに挑んだ実話を基にしたヒューマンドラマです

ドンを『ムーンライト(2016)』のマハーシャラ・アリ
トニーを『イースタン・プロミス(2007)』のヴィゴ・モーテンセンが演じ
第91回アカデミー賞で作品賞と助演男優賞、脚本賞を受賞しています」
…といったインタビュアーの方による説明があり

動画の方では「あれ、何が良いかっていうと、1962年のニューヨークで
当時の流行歌手ボビー・ライデルが、コパカバーナで歌うシーンから始まるじゃないですか
あの導入部から素晴らしいんだけど、しかも、その…判りやすく…
そこの用心棒でいる通称トニー・リップ…えー、ヴィゴ・モーテンセンが
いきなり、その導入部、暴力…用心棒のシーン(から)入るっていう…」と甲斐さん

記事の方では…「この映画の何が良いかっていうと、1962年のニューヨークで
当時の流行歌手ボビー・ライデルが、コパカバーナ(トニーが用心棒として働いていた実在のナイトクラブ)
で歌うシーンから始まる導入部から素晴らしい
そこで働くトニーが、客を殴る展開からも
60年代前半の雰囲気と、その臨場感がよく伝わって来る」…と記されていて

この作品をご覧になっていない方には、記事の方が判りやすいかも知れませんが
動画の方に戻りますと(笑)…「ナンかこう…ナンか60年代の前半に、その天才的と言われてる
スタイリッシュな…まっ、実在のピアニストですからね、ドン・シャーリーって…
で、しかも、カーネギーホールの上に住んでる…

そのコパカバーナが休館することになって、仕事探してた、えー、トニー・リップと…
結局、その運転手…ナンで運転手が必要になるか?腕っぷしの強い…
それは、当時60年代前半の(アメリカ)南部っていうと、ホントに危険なツアーになる
だから、まあ腕っぷしの強い彼を雇うってことで…

しかも、黒人がちゃんと安全で泊まれるガイドブックがあるんですよ
それが『グリーンブック』だと…っていう、ほとんどこれ、10分以内にこれがもう見えるっていう
あんな良く出来てる本はね、素晴らしい脚本だと思うんですけど…」と力説なさってますが

ボクが劇場で観た時の記憶を辿ると…トニー自身が黒人を差別しているシーン…
自宅の配管だか配線だかの修理に来た黒人の技師たちに、自分の妻が出したとおぼしき
飲み物が入っていたグラスがキッチンに置いてあるのを見るなり、ゴミ箱に捨てたり(汗)

「運転手」の面接で、ドンに「黒人と仕事をすることに抵抗が?」と訊かれて
「ないね」と答えたそばから、仕事の内容が「運転手」だけでなく
「身の回りの世話」も含まれると知った途端に席を立ってしまったり(汗)

ツアーに出発する日の朝、ドンのスーツケースをトランクに積み込むのをスルーしたり(汗)
…も盛り込まれていて、この先2人の関係がどうなるのか?南部の白人たちの反応はどうなのか?など
緊張感たっぷりで、確かに「ツカミはOK!(笑)」でした

もっとも、奥さんは、去年「JAPAN DAY」に参加するため
ニューヨークに行った際に、カーネギーホールを訪れ
「ここにドン・シャーリーが…」とホールの上層階を見上げながら
この「面接」のシーンを思い浮かべていたらしい(笑)

それはともかく…
「しかも、あの映画の中に出て来る、いわゆるイタリア人の家族…トニー・リップの…
2人息子がいるんですけど、あの弟の方がプロデューサーなんですよ
で、結局、ドン・シャーリーが…『映画撮りたいんだけど』って言ったら
『俺が亡くなったら撮っていい』ってお墨付き、ねぇ?言ってる訳じゃないですか

しかも、このイタリア人と、この『はぐれ黒人』って言われてるドンが実在で
しかも、亡くなる年が同じ年で亡くなってるんですよね?数ヶ月違いで亡くなってるんで…
イヤ、そういうの全部知って観ると…まあ知らなくても素晴らしいけど
観たあとにそういうの全部知ったんですけど、イヤー、よく出来てるなあと…」と甲斐さん

画面下には…「グリーンブック製作チーム
監督ピーター・ファレリーはコメディ映画の名手(代表作『メリーに首ったけ』等)
プロデューサー ニック・ヴァレロンガは物語の主役トニー・リップの次男
脚本も担当しアカデミー賞脚本賞受賞」…が表示されてました

また、甲斐さんは、ご自身のラジオ番組でも…
「あのプロデューサーが…グリーンブックのプロデューサーはもう
その…自分が小学校の時に、あの黒人ピアニストと
ヴィゴ・モーテンセンがやった自分のお父さんが、そのー、クラブの用心棒やってた…

そのホントの話ですから…それを何十年も…40年…30年か40年温めて来て…
で、その黒人ピアニストの人から『僕が亡くなるまでは、絶対発表しないでね』
…っていう風に言われてたんで、亡くなったのを見届けて、もうホントに温めて企画を出したっていう…

その…そこに血の通い方がね、尋常じゃないんだよね、やっぱ…
何十年も温めて来て、プロデューサーが絶対失敗しないぞと
絶対、自分の思ったような形で正確に描きたいっていう風に思ってるんで…」…と熱く語っておられましたが

そのニック・ヴァレロンガは、父がツアー先から送って来た母への手紙…
「ドロレスへのラブレター」をタイトルにしようとして
ファレリー監督から「僕なら、頭に銃を突きつけられても
そんなタイトルの映画は観に行かない」と言われ(笑)
「だけど(ドロレスは)僕のお母さんですよ!?」と粘ったもののあえなく却下(笑)

まあ、その「ラブレター」は、ドンによる添削指導があった(笑)
…というより、ドンが口頭で告げた胸キュンな文章をそのまま記したものみたいだし(笑)
実質「ドンからドロレスへのラブレター」というタイトルは変更になって良かったと思います(笑)

ともあれ…「だから、その…ヒューマンドラマってみんな言うけど
当たり障りのないエピソードを繋いで、穏便に終わらせるヒューマンドラマが多いこの日本でね、ね?(笑)

当たり障りがあるエピソードを繋ぎながら、それで多彩な伏線を張って
しかも、それを見事に裏切って行くっていうのが、ホントのヒューマンドラマ
『今のハリウッドの映画はこれなんだよ』
…って言われてる訳じゃないですか?もう最高峰ですね

僕、その前の年の『スリー・ビルボード』もスゴイと思ったんですけど
いやあ『グリーンブック』やっぱりスゴイな!と…
僕は、やっぱりアメリカン・ニューシネマで育ってるんで
やっぱり、全編あれだけの南部の綺麗な景色の中で、あのロードムービーって…

しかも、そうじゃない所は全編、ものすごくこう…腕の立つピアノが
延々流れてる訳じゃないですか、ライブシーンで…ああ、これは堪えられないなっていう…
しかも最後ね、あの…ホントにシークエンス…
見事に僕らの期待を裏切って行くシークエンスが続いて、で、エンディングっていうのが…

イヤ、ナンてか、さめざめと涙が出る映画も良いんですけど
あまりに感動して、ちょっと声出なかったんですよ、僕…
スゲェなあと思って…と絶賛なさっていて
この動画のハイライトにも「さめざめと…」以下の言葉が取り上げられてますが

この「グリーンブック」と同時期に公開され
甲斐さんご贔屓のクリント・イーストウッド監督が主演も務めた
実話に基づく映画「運び屋」について話された際にも…
「僕はまあ『運び屋』はね、映画らしい映画だという風に思ったんですけど
『グリーンブック』はもう映画以上の映画なんで、ええ…

ホントにそこに、あの人…あの2人は生きてて…絶対生きてる!と…
あの2人の人間たちは生きてるっていうくらいスゴイ!」とおっしゃっていて
「3日に2本」のペースで数多の作品をご覧になっているとはいえ
今回、映画キュレーターとして、この作品を選ばれるにあたっては
ナンのためらいもおありじゃなかったんじゃないかと…?

余談ですが…記事の方では「声が出なかったです」のあと
インタビュアーの方が「音楽も支柱となっていた本作
ミュージシャンである甲斐さんから見て、音楽シーンはいかがでしたか?」とお訊ねになり

「ドンのピアノは、プロの僕から見ても非常に素晴らしい
クラシックとジャズを融合させた、当時としても革新的なスケールを
繊細で大胆なタッチでプレイしていて、毎曲スゴイなって感心しました」と甲斐さん

そもそもは、レコード会社から「黒人のクラシックに未来はない」と
ジャズをやるよう命令された訳で、ドンの本意ではなかったことには触れられなかった代わりに

「監督もよく判ってますよね?ファレリー兄弟の兄貴(ピーター)の方でしょ?
『ふたりの男とひとりの女(2000)』とかの…
あんなおバカ映画しか作ってない彼に任せてみたのが、まず素晴らしい
実はコメディ作ってる人の方が、シリアスな映画も得意だったりするんだよね

コメディアンって、シリアスな演技やらせたら、めちゃくちゃ上手いじゃないですか
それと一緒で、いかに人を笑わせるかっていう点で
コメディって、監督も演じる方もすごく難しいんだと思いますよ」とおっしゃっていて

確かに、ある役者さんに言わせれば、涙を流すよりも
声を出して笑う演技の方が遥かに難しいそうですし

以前にご紹介しましたけど、志村けんさんのお笑い番組の中で
他のコントとは異色のドラマ…というか、今は年老いた父親が縁側に座って
幼い頃からの娘の成長を思い返しているシーン…を
志村さんが、父親になったばかりの若い姿から現在までを音声なしで演じておられたのを拝見して
思わず鼻の奥がツーンとしたのを思い出しました

ただ、甲斐さんは「シネマ・アウトロー日記」というコラムの中で
ファレリー兄弟の「ふたりの男とひとりの女」について…「おバカ映画である」に始まり(笑)
「ナ~ンテ一応ストーリーを書いてみたが
スジガキなんてこの兄弟には何の意味もない
コーマンとウンコとケツの穴的ハナシがいっぱい『イタブリ芸』も相変わらず」とか(笑)

「とにかくここには書けない悪趣味と禁じ手のオンパレード」と評されていて
奥さんが、この連載コラムで紹介された映画の中で唯一
劇場に足を運ぶのを躊躇ったという作品(笑)の監督が
こんなに素晴らしい映画を撮ったことに驚きを隠せません(笑)

そうそう!このインタビュアーの方…松崎健夫さんが、ご自身のツイッターで
「今回は甲斐よしひろさんの映画愛を深掘りしています…(中略)…
収録の合間にお話しした『パペポTV』談義が最高でした!」と呟かれていて(笑)
久しぶりに「塚本7キロの怪」が観たくなりました(笑)
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